中古マンションは大規模修繕後なら安心?購入前に見る修繕履歴・積立金・次回工事の確認ポイント

『中古マンションは大規模修繕後なら安心?購入前に見る修繕履歴・積立金・次回工事の確認ポイント』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕後の中古マンションだからといって、建物の修繕について今後心配がないとは限りません。
大規模修繕では外壁・防水・シーリングなどが施工されても、給排水設備や電気・消防・機械設備等が別の計画になっている場合があります。
また、大規模修繕で修繕積立金を使用した後は、残高だけでなく、その後の積立計画と次の修繕予定も確認する必要があります。
購入前には「大規模修繕済みか」だけでなく、実際の工事範囲、修繕履歴、工事後の修繕積立金、長期修繕計画、保証・アフター点検、次回予定工事をつなげて確認します。
No.432で扱う「中古マンション」は、主に区分所有されている分譲マンションの一住戸です。
一棟を一人の所有者が保有する中古一棟マンションとは異なり、共用部分の修繕は、管理組合と区分所有者全体の管理の中で進みます。
確認のスタート地点です。
何を直したかだけでなく、
何を直していないか、
次に何を直す予定かまで確認します。
「大規模修繕済み」と書かれていて、実際に何を工事したか説明できますか?
確認する場合は、広告や物件概要の一文だけではなく、可能な範囲で完成図書、修繕履歴、長期修繕計画、総会資料等へ情報をつなげます。
目次
- 大規模修繕後の中古マンションなら修繕面で安心?
- 「大規模修繕済み」なら、まず工事範囲を確認する
- 直近の大規模修繕だけでなく、過去の修繕履歴も確認する
- 大規模修繕後でも、次の工事が残っていることはある?
- 大規模修繕が終わった後は修繕積立金も確認する
- 中古マンション購入前に長期修繕計画のどこを見る?
- 大規模修繕の総会資料・議事録では何を確認する?
- 大規模修繕後なら保証期間も確認する
- これから大規模修繕を予定している中古マンションは何を見る?
- 大規模修繕が終わった直後の中古マンションは何を見る?
- 中古マンションは大規模修繕後に買う方がよい?
- 中古マンション購入前に大規模修繕の何を確認すればよい?
- 「大規模修繕済み」という1行を、建物の修繕情報へ変える
- 中古マンションを購入すると、建物の修繕履歴も引き継いでいく
- まとめ|中古マンションは「大規模修繕済み」ではなく、過去・現在・次回をつなげて見る
大規模修繕後の中古マンションなら修繕面で安心?
大規模修繕が完了していることは確認材料の一つですが、それだけで今後の修繕負担や建物状態を判断することはできません。工事範囲、未実施工事、設備更新、工事後の修繕積立金、長期修繕計画、次回予定工事まで確認します。
「大規模修繕済み」という言葉が意味するのは、基本的には何らかの大規模修繕工事が実施されたということです。
それだけで、
- 建物全体のすべての部位を修繕した
- すべての設備を更新した
- 当面ほかの修繕が必要ない
- 今後追加負担がない
- 建物状態が良好である
- 施工品質が高い
と判断することはできません。
「工事を実施した」という事実と、現在・将来の建物状態は分けて確認します。
「大規模修繕済み」なら、まず工事範囲を確認する
工事名ではなく、実際にどの部位をどこまで施工したかを確認します。同じ「大規模修繕」という名称でも、建物ごとに工事範囲は異なります。
確認候補には、
- 外壁塗装
- 下地補修
- タイル補修
- シーリング
- 屋上防水
- バルコニー防水
- 共用廊下・階段
- 鉄部塗装
- その他共用部分
- 給排水・電気等の設備
などがあります。
ただし、これらを大規模修繕で必ずすべて施工するという意味ではありません。
大規模修繕という工事名ではなく、実際の施工範囲を確認します。
完成図書があれば実施工事を確認しやすい
大規模修繕後の完成図書等からは、
- 何を施工したか
- どの仕様で施工したか
- 工事中に何が変更されたか
- 最終的な施工数量
- 施工写真
- 検査記録
- 保証資料
等を確認できる場合があります。
完成図書そのものについては、大規模修繕の完成図書を確認する記事をご覧ください。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
実施済みと未実施を同時に見ることが重要です。
直近の大規模修繕だけでなく、過去の修繕履歴も確認する
直近工事だけでは、建物全体の修繕経過は分かりません。過去の大規模修繕、部分修繕、設備更新、漏水対応等を部位ごとに確認します。
例えば、
というように、「何年に大規模修繕をしたか」だけではなく、どの部位をいつ施工したかを確認します。
マンションの修繕履歴については、マンションの修繕履歴を確認する記事をご覧ください。
大規模修繕後でも、次の工事が残っていることはある?
あります。大規模修繕ですべての部位・設備を一度に施工するとは限らず、設備更新を別年度にしたり、一部を次回修繕へ送ったり、点検を継続したりする場合があります。
そのため、未施工項目があることを、すぐに「施工漏れ」とは考えません。
確認したいのは、
- なぜ今回施工しなかったのか
- 現在どの状態なのか
- 別年度工事として計画されているのか
- 次回大規模修繕で再検討するのか
- 点検・調査を継続するのか
という見送った理由と次の計画です。
大規模修繕が終わった後は修繕積立金も確認する
工事後の残高だけで判断せず、今回いくら使用したか、今後いくら積み立てる計画なのか、次にどの工事を予定しているのかをつなげて確認します。
+
今後の積立予定
+
次の工事予定
を一緒に確認します。
大規模修繕で修繕積立金を使用すれば、工事前より残高が減ること自体はあり得ます。
したがって、
「工事後に残高が減っている」
という一点だけで、管理状態を評価することはできません。
反対に、残高が大きい場合でも、今後、
- 設備更新
- 配管工事
- 防水工事
- その他の計画修繕
- 次回大規模修繕
等が予定されていれば、必要な資金は変わります。
修繕積立金は「残高という点」ではなく、「今後の収支という線」で確認します。
大規模修繕全体の費用については、大規模修繕全体の費用の考え方をご確認ください。
次の大規模修繕より前に予定されている設備更新も確認しましたか?
中古マンション購入前に長期修繕計画のどこを見る?
直近大規模修繕が計画へ反映されているか、次回大規模修繕、設備更新、今後の予定支出、修繕積立金計画、見直し時期等を確認します。
長期修繕計画は、将来の工事予定を確認する重要な資料です。
ただし、計画上に「○年に○○工事」と記載されていても、必ずその年に同じ内容で工事が行われるとは限りません。
実際の工事時期や内容は、
- 建物状態
- 点検結果
- 劣化状況
- 過去の修繕履歴
- 資金計画
- 設備状況
等を確認して具体化します。
実績は実線、未来の計画は破線として考えると、既に終わった工事と将来予定を混同しにくくなります。
長期修繕計画については、長期修繕計画から今後の工事を確認する記事をご覧ください。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
中古マンションの売買時には、管理状況を確認する資料として重要事項調査報告書等が使用される場合があります。
ただし、資料名、発行主体、記載項目、取得方法等は状況によって異なる場合があります。
売買時の一つの資料だけで、大規模修繕の実施工内容・将来計画まですべて分かるとは限りません。
大規模修繕の総会資料・議事録では何を確認する?
工事実施の経緯、工事予算、施工会社、工事範囲、資金、変更内容、今後の修繕等を確認する資料の一つです。ただし、総会議事録だけで施工品質まで判断するものではありません。
総会資料や議事録では、例えば、
- 大規模修繕の実施をどのように決めたか
- どの工事範囲を承認したか
- 工事予算はいくらだったか
- どの施工会社と契約したか
- 修繕積立金等をどのように使用したか
- 工事後に変更・追加事項があったか
- 今後どの修繕を予定しているか
などを確認できる場合があります。
大規模修繕の総会決議については、大規模修繕の総会決議に関する記事をご確認ください。
大規模修繕後なら保証期間も確認する
保証が残っているかだけでなく、どの施工部分が対象で、どの期間・条件で保証されるのかを確認します。保証期間内でも、建物全体のすべてが保証されるわけではありません。
確認したいのは、
- 保証対象となる工事項目
- 保証期間
- 保証開始時期
- 保証条件
- 保証書の保管状況
- 既に終了している保証
などです。
保証期間については、大規模修繕の保証期間を確認する記事をご覧ください。
アフター点検の予定・実施記録も確認する
完成後にアフター点検が予定されている場合は、
- 点検予定時期
- 既に実施した点検
- 点検時の指摘事項
- 是正の有無
- 未対応事項
等を確認します。
アフター点検が予定されているから不具合がない、という意味ではありません。
大規模修繕後のアフター点検については、大規模修繕後のアフター点検を確認する記事をご確認ください。
「大規模修繕済」という一つの表示を、5つの確認項目へ変えることが重要です。
これから大規模修繕を予定している中古マンションは何を見る?
大規模修繕前という理由だけで購入の良し悪しを判断するのではなく、予定時期、工事範囲、予算、施工会社選定状況、承認状況、修繕積立金、生活への影響等を確認します。
特に「来年大規模修繕予定」と書かれている場合は、予定がどこまで具体化しているかを確認します。
「予定」「承認済み」「契約済み」を同じ意味として扱いません。
また、大規模修繕を予定しているからといって、購入直後に必ず一時金が必要になるとは限りません。
確認する場合は、
- 現在の修繕積立金等の資金状況
- 工事予算
- 今後の積立予定
- 既に決まっている資金計画
- 借入等を予定しているか
- 総会で何が決まっているか
を確認します。
大規模修繕が終わった直後の中古マンションは何を見る?
工事直後は、完成図書・最終金額・変更内容・保証等が比較的新しく、工事後の状況を整理しやすい時期です。ただし、「終わった直後だから安心」と判断するのではなく、何を施工し何を残したかを確認します。
↓
2.最終工事費はいくら?
↓
3.変更・追加工事は?
↓
4.修繕積立金はいくら使用した?
↓
5.設備で残った工事は?
↓
6.保証・点検は?
↓
7.次回予定は?
外観が新しく見える場合でも、見た目のきれいさだけで施工品質を判断しません。
施工範囲、検査、記録、保証、今後の点検を確認します。
中古マンションは大規模修繕後に買う方がよい?
大規模修繕後という理由だけで、購入時期の良し悪しは決まりません。実施工事、未実施工事、工事後の修繕積立金、次回工事、設備更新計画等を確認し、建物全体の修繕状況を読みます。
No.432では「買うべき」「買わない方がよい」といった購入判断は行いません。
売買価格には立地、住戸条件、築年数、市場、管理状況など多くの要因が関係するため、
- 大規模修繕後だから価格が上がる
- 大規模修繕前だから安く買える
- 修繕済みだから資産価値が高い
とは判断できません。
この記事で確認するのは、あくまで建物全体として大規模修繕がどの状態にあるかです。
中古マンション購入前に大規模修繕の何を確認すればよい?
直近の工事範囲、過去の修繕履歴、工事後の修繕積立金、長期修繕計画、今後の設備更新、保証・アフター点検等を確認します。「大規模修繕済み」という表示だけで判断しないことが重要です。
また、中古分譲マンションでは購入住戸の専有部分だけでなく、外壁・屋上・廊下等の共用部分を、区分所有者として共同で管理していくことになります。
共用部分と専有部分の考え方については、マンションの共用部分・専有部分を確認する記事をご確認ください。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
「大規模修繕済み」という1行を、建物の修繕情報へ変える
最後に、直近工事・過去履歴・資金・将来計画・保証を一つの物件ファイルとして整理します。購入判断を代行するためではなく、建物全体の大規模修繕を読み取るための整理です。
中古分譲マンションの大規模修繕は、直近の工事だけではなく、過去の修繕履歴、今回施工しなかった部位、設備更新、修繕積立金、次回計画までつなげて確認することが重要です。
管理組合で次回工事を検討する場合は、これらの資料から現在の修繕状況を整理できます。
中古マンションを購入すると、建物の修繕履歴も引き継いでいく
住戸の所有者が変わっても、マンションの共用部分・修繕履歴・長期修繕計画は建物側に続いていきます。新しい区分所有者は、過去の工事と今後の修繕を確認しながら管理組合の一員として建物を共同管理していきます。
中古分譲マンションでは、
↓
新しい区分所有者
↓
次回の大規模修繕
所有者が変わっても、建物の修繕履歴は続きます。
そのため、購入時に一度資料を見て終わりではありません。
購入後も、管理組合・理事会等から共有される最新の長期修繕計画、総会資料、点検情報、修繕計画を確認していきます。
ワンリニューアルでは、「大規模修繕済み」という表示だけで建物の状態を判断するのではなく、実施工事、未実施工事、過去の修繕履歴、修繕積立金、長期修繕計画、保証・アフター点検までをつなげ、次回大規模修繕に必要な情報を管理組合が確認できる状態にすることを重視しています。
まとめ|中古マンションは「大規模修繕済み」ではなく、過去・現在・次回をつなげて見る
中古マンションで確認したいのは、「大規模修繕をしたかどうか」だけではありません。
まず、直近の大規模修繕で何を施工したか確認します。
次に、過去にはどの部位・設備を修繕してきたのか、今回施工しなかったものは何か、工事後の修繕積立金と今後の資金計画はどうなっているかを確認します。
さらに、長期修繕計画、設備更新、保証、アフター点検、次回大規模修繕へつなげます。
中古マンションで確認したいのは、「大規模修繕をしたかどうか」だけではありません。
過去に何を修繕し、現在何が残り、次に何を修繕する予定なのか。その3つがつながって初めて、建物の大規模修繕を正しく読むことができます。
マンション大規模修繕の工事内容・進め方を確認することで、中古マンションで確認した修繕情報を大規模修繕全体の流れへつなげられます。
分譲マンション向けの大規模修繕については、分譲マンションの大規模修繕サービスもご覧ください。
「過去の大規模修繕で何を施工したのか整理したい」「以前の完成図書と長期修繕計画をつなげたい」「設備更新や次回大規模修繕まで含めて現在の修繕状況を確認したい」など、修繕履歴・完成図書・建物診断・長期修繕計画等から、今後の大規模修繕を整理できます。
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