大規模修繕の費用相場はいくら?国交省調査と見積総額の比べ方

国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、大規模修繕工事費について1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。 ただし、税抜きで共通費を含まない参考値であり、現在取得する個別見積の市場価格そのものではありません。
今回のマンションと比べるときは、戸数だけで総額を判断せず、工事範囲・補修数量・足場条件・設備工事・共通費・税・別途工事など、比較する費用の範囲をそろえて確認します。
目次
結論|大規模修繕の費用相場は公的データを「参考値」として確認する
大規模修繕の費用を調べるときは、最初に相場の出典と対象範囲を確認します。 国土交通省の公的調査は、多数の工事事例から費用傾向を確認できる一方、自分のマンションと工事範囲・時点・条件が同じとは限りません。
費用相場と個別見積は役割を分けて確認します。 相場では全体的な費用感を確認し、現在の見積では工事項目・数量・単価・仕様を確認します。
見積書の詳しい読み方は、大規模修繕の見積書の内訳・数量・単価を確認するで分けて解説しています。
大規模修繕そのものの目的や進め方から確認したい場合は、マンション大規模修繕の全体像を確認するをご覧ください。
大規模修繕の費用相場|国土交通省の調査ではどうなっている?
国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、200社から収集した818件の工事事例が集計されています。
戸当たり工事金額は、「100万~125万円/戸」の区分が最も多く、次いで「75万~100万円/戸」「125万~150万円/戸」とされています。
また、国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、実態調査を基に1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。ポータルサイトでは税抜きで共通費を含まない金額とされているため、税込の契約総額をそのまま比較するものではありません。
1戸あたり費用をそのままマンション戸数へ掛けられない理由
この計算で重要なのは、分子となる「比較対象とする工事費」です。
今回の見積総額に設備、設計監理、共通費、税、調査費、別途工事などが含まれている場合、公的資料と同じ条件になっているかを先に確認します。
大規模修繕の見積総額には何が含まれる?
「大規模修繕の費用」という言葉は、検討段階によって指している金額が変わります。
長期修繕計画に記載された計画額と、施工会社から受け取った見積額、契約後の最終精算額を同じ金額として扱わないことが重要です。
契約額と最終精算額を分けておくと、「計画時より高い」「当初見積より増えた」といった比較で、どの段階の金額を比べているのかを整理できます。
大規模修繕費用が変わる7つの条件
大規模修繕の費用はマンションの戸数だけでは決まりません。 全体費用を比較するときは、次の7条件を確認します。
各工種の㎡単価を大量に並べても、建物全体の費用比較にはそのまま使えません。本記事ではマンション全体の費用を扱い、足場・防水・外壁など個別工種は各専門記事で確認します。
公的な費用相場と今回の見積を同じ条件で比べる方法
公的相場と今回の見積を比べる場合は、「金額」より先に比較条件をそろえます。
まず税抜/税込をそろえ、共通費の扱いを確認します。次に、設備工事や設計監理費、調査費、別途工事などを分け、比較対象とする工事費を整理します。
公的な費用相場との金額差だけでなく、工事範囲・数量・足場条件・設備工事・共通費・見積外項目を分けて確認します。
見積書の内容を詳しく確認したい場合は、見積専用記事で確認ポイントを整理できます。
相場より高い・低いと感じたときに確認すること
今回の見積が公的参考値より高く見える、または低く見える場合も、金額だけで判断しません。
最初に「比較している費用の範囲が同じか」を確認します。
費用が高くなる背景を詳しく確認したい場合は、大規模修繕の費用が高くなる理由を確認するをご覧ください。
追加工事による費用変動は、大規模修繕で追加費用が発生する条件を確認するで分けて確認できます。
すでに大規模修繕の見積を持っている場合の確認方法
相場と見積の差が見つかった後は、費用相場の記事だけで判断を続けるより、見積書そのものへ戻ることが重要です。
見積の詳細は大規模修繕の見積書の内訳・数量・単価を確認する、依頼先の比較は大規模修繕の依頼先・施工会社を比較するをご覧ください。
管理組合が費用を確認するときにそろえたい資料
費用相場と現在の見積を比較するときは、相場表だけでなく、今回の工事条件が分かる資料を合わせて確認します。
すべて揃っていない場合は、手元にある資料と不足資料を分けます。
大規模修繕の費用相場に関するよくある質問
質問1|マンションの大規模修繕費用はいくらですか?
国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。ただし税抜き・共通費を含まない参考値で、個別見積の市場価格そのものではありません。
質問2|大規模修繕は1戸あたりいくらかかりますか?
公的な参考値はありますが、戸当たり費用だけで総額は決まりません。 比較対象とする工事費に税・共通費・設備・設計監理・別途工事等が含まれるかを確認し、対象戸数との条件をそろえます。
質問3|国土交通省の費用相場は現在の見積とそのまま比較できますか?
そのままでは比較できない場合があります。 調査年度、工事範囲、税、共通費、設備工事、対象戸数などを確認し、今回の見積から同じ条件で比較できる費用範囲を整理します。
質問4|同じ戸数のマンションでも費用が違うのはなぜですか?
建物規模、工事範囲、劣化・補修数量、足場条件、材料・仕様、設備更新、現場条件や工期などが異なるためです。戸数だけではなく、各工事条件を分けて確認します。
質問5|大規模修繕の見積が相場より高い場合はどう確認しますか?
最初に税抜/税込、共通費、工事範囲、補修数量、足場条件、設備工事、別途工事などを公的参考値と同じ条件へ整理します。その後、見積書の内訳・数量・仕様を確認します。
質問6|すでに施工会社から見積をもらっていても相談できますか?
現在の見積書を基に相談できます。 費用相場との条件差、工事範囲、数量、足場、設備、共通費、見積外項目などを整理し、手元にある資料から未確認項目を分けられます。
まとめ|費用相場は見積の合否ではなく差額理由を確認する入口
国土交通省の公的資料は、大規模修繕費用を検討する際の参考値として使用します。 令和3年度実態調査では戸当たり工事金額の分布や工事費内訳が示され、マンション管理・再生ポータルサイトでは1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。
一方、この数字は現在の個別見積の市場価格そのものではありません。
戸数だけで総額を判断せず、工事範囲・補修数量・足場条件・設備工事・材料仕様・現場条件・税抜/税込・共通費の扱いを確認します。
また、長期修繕計画額、概算額、見積額、契約額、変更後金額、最終精算額も分けます。
相場との差が分かった後は、見積書の中身を確認するのか、施工会社を比較するのか、現在の見積を相談するのか、次の段階へ進めます。






