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大規模修繕の費用相場はいくら?国交省調査と見積総額の比べ方

費用・見積・資金計画 2026.08.17 (Mon) 更新

大規模修繕の費用相場はいくら?国交省調査と見積総額の比べ方

国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、大規模修繕工事費について1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。 ただし、税抜きで共通費を含まない参考値であり、現在取得する個別見積の市場価格そのものではありません。

今回のマンションと比べるときは、戸数だけで総額を判断せず、工事範囲・補修数量・足場条件・設備工事・共通費・税・別途工事など、比較する費用の範囲をそろえて確認します。

最初に確認したいこと 「相場×戸数」で今回の予算を決めるのではなく、公的調査を参考値として使用し、今回の見積と何が違うのかを確認します。相場との差は、見積の合否ではなく「次に確認する項目」を見つけるために使います。
ワンリニューアル独自|大規模修繕・相場差額確認ルート
公的参考値
調査年度・対象工事・税・共通費を確認します。
今回の見積
契約総額だけでなく、比較対象となる費用範囲を整理します。
工事範囲
外壁・防水・設備・外構などの範囲を確認します。
数量
補修数量・施工面積・対象戸数を確認します。
足場・仮設
足場範囲・搬入・現場条件を確認します。
設備
給排水等の設備更新が含まれるか確認します。
共通費・別途
共通費・税・調査費・別途工事などを分けます。
差額理由
高い・低いではなく、条件差として整理します。
次の確認
見積書確認・施工会社比較・相談へ進みます。

 

結論|大規模修繕の費用相場は公的データを「参考値」として確認する

大規模修繕の費用を調べるときは、最初に相場の出典と対象範囲を確認します。 国土交通省の公的調査は、多数の工事事例から費用傾向を確認できる一方、自分のマンションと工事範囲・時点・条件が同じとは限りません。

費用相場と個別見積は役割を分けて確認します。 相場では全体的な費用感を確認し、現在の見積では工事項目・数量・単価・仕様を確認します。

ワンリニューアルの記事で重視する判断 相場の数字へ見積を無理に合わせるのではなく、「公的参考値と今回の見積で、含まれている費用の範囲が同じか」を確認してから差額を見ます。

見積書の詳しい読み方は、大規模修繕の見積書の内訳・数量・単価を確認するで分けて解説しています。

大規模修繕そのものの目的や進め方から確認したい場合は、マンション大規模修繕の全体像を確認するをご覧ください。

 

大規模修繕の費用相場|国土交通省の調査ではどうなっている?

国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、200社から収集した818件の工事事例が集計されています。

戸当たり工事金額は、「100万~125万円/戸」の区分が最も多く、次いで「75万~100万円/戸」「125万~150万円/戸」とされています。

また、国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、実態調査を基に1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。ポータルサイトでは税抜きで共通費を含まない金額とされているため、税込の契約総額をそのまま比較するものではありません。

調査事例 200社・818件の工事事例を集計した令和3年度の実態調査です。
戸当たり分布 100万~125万円/戸の区分が最も多いという調査結果です。
ポータル参考値 1戸当たり100万~250万円程度。税抜き・共通費を含まない参考値です。
※👉横にスクロールできます
確認項目
公的資料の条件
今回の見積で確認すること
調査時点
令和3年度実態調査
現在の個別見積とは時点が異なることを確認します。
工事事例
200社・818件
建物規模・工事範囲が同じとは限らないことを確認します。
戸当たり金額
100万~125万円/戸の区分が最多
比較対象工事費と対象戸数を確認します。
参考値
100万~250万円程度/戸
個別見積の合否判定基準にはしません
税・共通費
ポータルでは税抜き・共通費を含まないと案内
税抜/税込をそろえ、共通費の扱いを確認します。

 

1戸あたり費用をそのままマンション戸数へ掛けられない理由

戸当たり参考額 = 比較対象とする工事費 ÷ 対象戸数

この計算で重要なのは、分子となる「比較対象とする工事費」です。

今回の見積総額に設備、設計監理、共通費、税、調査費、別途工事などが含まれている場合、公的資料と同じ条件になっているかを先に確認します。

工事範囲が違う 外壁、防水、設備、外構など、今回施工する範囲は建物ごとに異なります。
税・共通費が違う 税込総額と、税や共通費を除いた参考値はそのまま比較できません。
設備更新の有無が違う 給排水設備などの更新を含む見積では、建築工事だけの場合と総額が変わります
補修数量が違う 下地・タイルなどの補修数量は、建物状態や調査結果により異なります。
戸数だけで総額を決めない 「50戸だから参考値を50倍する」といった計算だけで今回の総額を決めず、どの工事費を何戸で割っているのかを明確にします。

 

大規模修繕の見積総額には何が含まれる?

「大規模修繕の費用」という言葉は、検討段階によって指している金額が変わります。

長期修繕計画に記載された計画額と、施工会社から受け取った見積額、契約後の最終精算額を同じ金額として扱わないことが重要です。

① 長期修繕計画額
長期修繕計画上で将来工事を想定している金額です。
② 概算額
調査・計画初期に工事規模を確認するための概算です。
③ 当初見積額
施工会社等から最初に提示された工事条件での見積です。
④ 修正版見積額
質疑や範囲・数量・仕様の整理後に修正された見積です。
⑤ 契約額
工事請負契約で合意した時点の金額です。
⑥ 変更後金額
追加・減額・仕様変更などを反映した金額です。
⑦ 最終精算額
工事完了時に実数清算や変更内容を反映した最終金額です。

契約額と最終精算額を分けておくと、「計画時より高い」「当初見積より増えた」といった比較で、どの段階の金額を比べているのかを整理できます。

 

大規模修繕費用が変わる7つの条件

大規模修繕の費用はマンションの戸数だけでは決まりません。 全体費用を比較するときは、次の7条件を確認します。

1建物規模
棟数・階数・外周・施工面積を確認します。
2工事範囲
外壁・防水など今回施工する部位を確認します。
3劣化・補修数量
下地やタイル等の補修対象量を確認します。
4足場・仮設条件
高さ・形状・搬入・敷地条件などを確認します。
5材料・仕様
採用する材料・工法・施工仕様を確認します。
6設備更新
給排水等を同時施工するか確認します。
7現場条件・工期
工程・道路・作業条件・工期などを確認します。

各工種の㎡単価を大量に並べても、建物全体の費用比較にはそのまま使えません。本記事ではマンション全体の費用を扱い、足場・防水・外壁など個別工種は各専門記事で確認します。

 

公的な費用相場と今回の見積を同じ条件で比べる方法

公的相場と今回の見積を比べる場合は、「金額」より先に比較条件をそろえます。

まず税抜/税込をそろえ、共通費の扱いを確認します。次に、設備工事や設計監理費、調査費、別途工事などを分け、比較対象とする工事費を整理します。

① 調査条件
調査年度・対象工事・税・共通費・対象事例を確認します。
② 今回の総額
税込/税抜・契約対象・別途費用を分けます。
③ 工事範囲
外壁・防水・設備・外構など含まれる部位を確認します。
④ 比較対象工事費
公的資料と比較する金額の範囲を明記します。
⑤ 対象戸数
住宅・店舗・複数棟など、分母となる戸数を確認します。
⑥ 差額理由
数量・仕様・仮設・設備・共通費などへ分けて整理します。
ここまで読んだら3点だけ確認
費用範囲:公的参考値と現在の見積で、含まれる費用範囲は同じですか?
税・共通費:税抜/税込、共通費の有無をそろえて比較していますか?
工事条件:設備・足場・補修数量など、差額の理由を分けられていますか?
すでに大規模修繕の見積をお持ちの場合

公的な費用相場との金額差だけでなく、工事範囲・数量・足場条件・設備工事・共通費・見積外項目を分けて確認します。

見積書の内容を詳しく確認したい場合は、見積専用記事で確認ポイントを整理できます。

 

相場より高い・低いと感じたときに確認すること

今回の見積が公的参考値より高く見える、または低く見える場合も、金額だけで判断しません。

最初に「比較している費用の範囲が同じか」を確認します。

工事範囲の差 設備・外構・追加部位まで含んでいるか、施工対象が少ないかを確認します。
数量・仕様の差 補修数量・材料・工法など、工事内容そのものの差を確認します。
費用区分の差 税・共通費・設計監理・調査・別途工事などが含まれるか確認します。
相場との差は「不適正」の判定ではありません 差額が見つかった場合は、何が違うために金額差が生じているのかを確認し、その後に見積書の内訳へ戻ります。

費用が高くなる背景を詳しく確認したい場合は、大規模修繕の費用が高くなる理由を確認するをご覧ください。

追加工事による費用変動は、大規模修繕で追加費用が発生する条件を確認するで分けて確認できます。

 

すでに大規模修繕の見積を持っている場合の確認方法

現在の見積は「相場との差」から次の確認へ進めます
見積の中身を確認したい 工事項目・数量・単位・単価・仕様・一式・実数清算などを確認します。
施工会社も比較したい 見積条件だけでなく、施工体制・居住者対応・保証などを比較します。
現在の見積を相談したい 手元の見積書から、相場と条件が違う項目や未確認事項を整理します。

相場と見積の差が見つかった後は、費用相場の記事だけで判断を続けるより、見積書そのものへ戻ることが重要です。

見積の詳細は大規模修繕の見積書の内訳・数量・単価を確認する、依頼先の比較は大規模修繕の依頼先・施工会社を比較するをご覧ください。

費用相場・見積差額確認票
公的参考値
調査年度
対象工事
今回見積総額
税込/税抜
共通費
仮設工事
建築工事
設備工事
設計監理
調査費
別途工事
予備費
対象戸数
比較対象工事費
戸当たり参考額
差額理由
要確認項目
確認状態 確認済 条件差あり
次の状態 資料不足 見積確認へ

 

管理組合が費用を確認するときにそろえたい資料

費用相場と現在の見積を比較するときは、相場表だけでなく、今回の工事条件が分かる資料を合わせて確認します。

すべて揃っていない場合は、手元にある資料と不足資料を分けます。

長期修繕計画 計画額・予定工事・作成時期を確認します。
現在の見積書 見積総額・工事項目・税・共通費などを確認します。
数量表・仕様書 工事範囲・数量・材料・工法を確認します。
工事範囲図 今回施工する部位・面・設備などを確認します。
建物診断資料 補修数量や劣化状態の根拠を確認します。
修繕積立金資料 現在残高と工事後の資金状況を別途確認します。
修繕積立金と費用相場は別々に確認 費用総額を把握した後、現在残高や今後の積立予定と照合して、資金計画として確認します。

大規模修繕の費用相場に関するよくある質問

質問1|マンションの大規模修繕費用はいくらですか?

国土交通省のマンション管理・再生ポータルサイトでは、1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。ただし税抜き・共通費を含まない参考値で、個別見積の市場価格そのものではありません。

質問2|大規模修繕は1戸あたりいくらかかりますか?

公的な参考値はありますが、戸当たり費用だけで総額は決まりません。 比較対象とする工事費に税・共通費・設備・設計監理・別途工事等が含まれるかを確認し、対象戸数との条件をそろえます。

質問3|国土交通省の費用相場は現在の見積とそのまま比較できますか?

そのままでは比較できない場合があります。 調査年度、工事範囲、税、共通費、設備工事、対象戸数などを確認し、今回の見積から同じ条件で比較できる費用範囲を整理します。

質問4|同じ戸数のマンションでも費用が違うのはなぜですか?

建物規模、工事範囲、劣化・補修数量、足場条件、材料・仕様、設備更新、現場条件や工期などが異なるためです。戸数だけではなく、各工事条件を分けて確認します。

質問5|大規模修繕の見積が相場より高い場合はどう確認しますか?

最初に税抜/税込、共通費、工事範囲、補修数量、足場条件、設備工事、別途工事などを公的参考値と同じ条件へ整理します。その後、見積書の内訳・数量・仕様を確認します。

質問6|すでに施工会社から見積をもらっていても相談できますか?

現在の見積書を基に相談できます。 費用相場との条件差、工事範囲、数量、足場、設備、共通費、見積外項目などを整理し、手元にある資料から未確認項目を分けられます。

 

まとめ|費用相場は見積の合否ではなく差額理由を確認する入口

国土交通省の公的資料は、大規模修繕費用を検討する際の参考値として使用します。 令和3年度実態調査では戸当たり工事金額の分布や工事費内訳が示され、マンション管理・再生ポータルサイトでは1戸当たり100万~250万円程度が参考値として案内されています。

一方、この数字は現在の個別見積の市場価格そのものではありません。

戸数だけで総額を判断せず、工事範囲・補修数量・足場条件・設備工事・材料仕様・現場条件・税抜/税込・共通費の扱いを確認します。

ワンリニューアルでの最終確認 相場との差を「高い・安い」で終わらせず、何が含まれているか、どの条件が違うか、次にどの資料を確認するかまで整理します。

また、長期修繕計画額、概算額、見積額、契約額、変更後金額、最終精算額も分けます。

相場との差が分かった後は、見積書の中身を確認するのか、施工会社を比較するのか、現在の見積を相談するのか、次の段階へ進めます。

費用相場を調べている段階

見積書の中身を確認する 工事項目・数量・単価・仕様など、現在の見積を確認します。 大規模修繕の見積書の見方を確認する
施工会社を比較している段階

依頼先を比較する 施工体制、居住者対応、保証、見積条件などを比較します。 大規模修繕の施工会社・依頼先を確認する
すでに見積を持っている・具体的に検討中

現在の見積を相談する 手元の見積書を基に、相場との差や未確認項目を整理します。 現在の大規模修繕見積について相談する
現在の見積内容から確認できます

長期修繕計画、現在の見積書、数量表、仕様書、建物診断資料など、手元にある資料から相場との条件差や未確認項目を整理できます。

現在の大規模修繕見積について相談する