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大規模修繕でマンション管理士は必要?管理組合が相談できること・できないことと専門家の使い分け

管理組合・合意形成 2026.09.15 (Tue) 更新

大規模修繕でマンション管理士は必要?管理組合が相談できること・できないことと専門家の使い分け

 

今回は

『大規模修繕でマンション管理士は必要?管理組合が相談できること・できないことと専門家の使い分け』

をご紹介させて頂きます!

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大規模修繕でマンション管理士への相談が必須とは限りません。

マンション管理士は、マンションの管理に関する専門的知識をもって、管理組合の運営や管理規約、総会、管理会社との関係などについて相談・助言を受けることができる専門家の一つです。

一方、外壁や防水の劣化調査、工事仕様の設計、施工数量の技術的確認、工事監理などは、別の資格・技術経験・契約が必要になる場合があります。

そのため、「マンション管理士を入れるか」から考えるのではなく、「今回の大規模修繕で、誰に何を判断してほしいのか」を先に整理することが重要です。

専門家を選ぶ前に、
「何を判断してほしいのか」を決める。

大規模修繕では、管理会社、マンション管理士、修繕コンサルタント、設計・監理者、建築士、施工会社、必要に応じて法律・会計等の専門家が関わる場合があります。

しかし、「専門家」という言葉だけでは、誰が何を担当するのか分かりません。

資格名を見る前に、相談したい問題を分けます。

管理組合に届いた5枚の「相談票」

相談
01
管理の相談 管理規約/理事会/総会/管理会社との役割
相談
02
お金・契約の相談 予算/修繕積立金/契約条件/承認経路
相談
03
施工技術の相談 劣化/工法/材料/仕様/施工数量
相談
04
工事現場の相談 工程/施工確認/検査/品質/是正
相談
05
法的問題の相談 責任/契約解釈/紛争/法的手続

この段階では、相談先を決めません。

まず「自分たちが困っているのは、5枚のうちどこか」を確認します。

目次

大規模修繕でマンション管理士へ相談できることは?

依頼内容は契約によって異なりますが、管理組合運営、管理規約、総会準備、区分所有者への説明、管理会社との役割整理、管理資料の確認などについて助言を依頼する場合があります。ただし、建物診断・設計・工事監理等までマンション管理士への依頼に自動的に含まれるわけではありません。

国土交通省では、マンション管理士を、専門的知識をもって管理組合等からマンション管理に関する相談を受け、助言・指導その他の援助を行う者として位置づけています。

大規模修繕においても、例えば、

  • 理事会と修繕委員会の役割を整理したい
  • 管理規約と今回の工事手続きを確認したい
  • 総会資料をどのように組み立てるか整理したい
  • 管理会社が担当する範囲を確認したい
  • 区分所有者へ何を説明すべきか整理したい

といった管理組合側の意思決定や管理運営について、相談先の候補となります。

一方で、マンション管理士という資格を持つことだけから、外壁診断、構造判断、工事仕様設計、施工数量査定、工事監理、法律上の代理等をすべて担当すると判断することはできません。

資格を見る

今回の業務範囲を見る

何を成果物として受け取るかを見る

管理規約・理事会・総会の整理はマンション管理士へ相談できる?

マンション管理に関する助言として、相談する候補となる領域です。管理規約の確認、理事会・総会資料の整理、修繕委員会との役割分担、区分所有者への説明、管理会社との業務分担等について、契約内容を確認して依頼します。

大規模修繕では工事そのものだけでなく、管理組合としての意思決定が必要です。

例えば、工事見積がまとまっていても、

  • 誰が理事会へ説明するのか
  • 総会議案へ何を記載するのか
  • 修繕委員会の検討結果をどう扱うのか
  • 区分所有者からの質問へ誰が回答するのか
  • 管理会社と管理組合の役割をどう分けるのか

が整理されていなければ、工事の意思決定が進みにくくなる場合があります。

管理組合・理事会そのものの役割は、管理組合・理事会の役割に関する記事をご確認ください。

管理規約のどこを見るかについては、別記事「大規模修繕で管理規約はどこを見る?分譲マンションの共用部分・費用負担・総会前の確認ポイント」で整理しています。

注意したい点

管理規約や総会運営について助言を受けることと、個別案件について最終的な法律判断を行うことは同じではありません。法的責任・訴訟・紛争対応等について判断が必要な場合は、内容に応じて法律専門家への確認が必要になる場合があります。

大規模修繕の見積をマンション管理士へ見てもらえば安心?

「見積を見る」という業務を一つにまとめないことが重要です。予算・総会・契約手続等の管理上の確認と、工事数量・工法・材料仕様等の建築技術上の確認では、必要な専門性が異なる場合があります。

例えば管理組合が「見積をチェックしてほしい」と依頼した場合でも、何を確認してほしいのかによって内容は大きく変わります。

確認 1 工事範囲が総会資料・予算案と一致しているか
確認 2 工事費が管理組合の予算計画と整合しているか
確認 3 補修数量や施工数量の根拠は技術的に妥当か
確認 4 材料・工法・仕様が建物状態に対して適切か
確認 5 見積内容と契約条件が一致しているか

確認1・2・5と、確認3・4では、必要となる知識・経験・資格等が異なる場合があります。

大規模修繕の見積内容については、マンション大規模修繕の見積内容・内訳を確認する記事をご覧ください。

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

相談内容必要な確認相談先候補成果物・確認結果
管理規約今回工事に関係する条項・管理区分等マンション管理士等の管理分野の専門家確認事項・課題整理等
総会資料工事・予算・契約等の説明内容マンション管理士・管理会社等、契約範囲を確認議案整理・説明資料案等
長期修繕計画今回工事との関係・資金計画等管理・技術・計画の経験を持つ専門家等計画との相違点・確認事項等
修繕積立金予算・残高・将来計画等管理分野・必要に応じ会計等の専門家資金上の確認事項等
施工会社選定選定手続・比較条件・技術評価等管理支援・技術支援等、必要な専門性を確認比較資料・評価資料等
工事仕様工法・材料・施工条件等建築・施工技術の専門家仕様書・技術確認結果等
建物診断建物・設備の現在状態必要な資格・技術経験を持つ調査担当者診断・調査結果等
契約工事範囲・金額・手続・契約条件等管理分野・必要に応じ法律専門家契約確認事項等
施工・検査設計図書・仕様・施工品質等工事監理・検査等の技術担当者検査記録・是正確認等
法的紛争責任・契約解釈・法的手続等内容に応じた法律専門家法的助言・対応方針等

この表は、職種ごとの独占的な担当範囲を示すものではありません。

実際には、その人が持つ資格・経験と、今回の契約で委託する業務を確認します。

マンション管理士は建物診断や工事仕様も決める?

マンション管理士という資格だけを見て、一律には判断できません。同じ人が建築士等の別資格や大規模修繕の技術経験を持つ場合もあるため、今回依頼する業務に必要な資格・経験・体制があるか確認します。

重要なのは、

「マンション管理士だからできる」
でもなく、
「マンション管理士だからできない」
でもありません。

例えば建物診断を依頼するのであれば、マンション管理士という肩書だけではなく、誰が現地調査を行い、誰が技術判断をし、どのような調査結果を提出するのかを確認します。

建物診断の内容については、大規模修繕の建物診断に関する記事をご確認ください。

工事仕様については、大規模修繕の仕様書に関する記事へつなげて確認できます。

工事が始まったらマンション管理士が施工品質を確認する?

マンション管理士と工事監理者は、同じ役割とは限りません。マンション管理士はマンション管理に関する助言を行う専門家であり、工事監理等の技術的な確認を誰が担当するかは、別に契約内容を確認します。

マンション管理士 管理組合運営・管理規約・総会・管理上の意思決定等について助言する役割
施工管理 施工会社側で、工事を実施するための工程・品質・安全等を管理する業務
工事監理 契約・設計図書・仕様等に基づいて工事内容を技術的に確認する役割

同一人物や同一会社が複数の資格・役割を持ち、複数業務を受託する場合もあります。

その場合でも、「誰が、どの契約で、何を確認するのか」を分けます。

大規模修繕の工事監理については、大規模修繕の工事監理とは?施工管理との違い・管理組合が確認したい役割とチェックポイントをご覧ください。

設計監理方式については、大規模修繕の設計監理方式に関する記事で確認できます。

マンション管理士へ依頼するときは「名刺の裏側」を見る

資格名称だけでは、今回何を担当してもらえるのか分かりません。委託契約書・業務範囲・成果物を確認し、今回依頼した業務を特定します。

マンション管理士 資格・氏名・所属
今回依頼する業務 □ 管理規約の確認 □ 総会支援 □ 施工会社選定支援 □ 見積資料の整理 □ 工事定例会への参加 □ 管理組合への助言 □ その他の委託業務
名刺に書かれた資格より、今回何を依頼したかを見る。

専門家へ依頼するときは、何を提出してもらう?

「相談した」という事実だけではなく、何を確認し、どの判断材料が管理組合へ残るのかを確認します。成果物の名称や形式は、依頼業務によって異なります。

成果物の例

確認結果/比較資料/課題一覧/議事録/契約確認事項/総会資料案/施工会社選定資料/助言書など

すべての業務で正式な報告書が必要という意味ではありません。

しかし、口頭相談だけで大規模修繕の重要な判断を進める場合、後から理事会が交代したときに、

「なぜこの判断をしたのか」

が分からなくなる可能性があります。

誰に相談したかより、「何を確認し、何が管理組合に残ったか」を確認します。

マンション管理士と管理会社は何が違う?

管理会社は、管理組合との管理委託契約に基づいて管理業務を行います。マンション管理士は、管理組合等からマンション管理に関する相談を受け、助言等を行う専門家です。ただし、「管理会社は実務、マンション管理士は監視役」と単純には分けません。

まず確認するのは、現在の管理委託契約です。

管理会社の契約に、

  • 理事会支援
  • 総会支援
  • 修繕に関する企画・調整
  • 施工会社との連絡
  • 工事資料の整理

等がどこまで含まれているかを確認します。

第三者へ相談する目的は、管理会社を疑うことだけではありません。

資料整理、役割確認、意思決定支援、契約確認等のために外部の専門家を利用する場合があります。

管理会社と施工会社の役割そのものは、大規模修繕における管理会社と施工会社の役割に関する記事をご確認ください。

マンション管理士と大規模修繕コンサルタントは同じ?

同じ言葉として扱いません。「修繕コンサルタント」は、名称だけで資格や業務範囲が一律に決まるものではないため、実際の契約業務を確認します。

事業者によって、

  • 建物調査
  • 設計
  • 仕様書作成
  • 施工会社選定支援
  • 工事監理
  • 管理組合支援

等、業務内容は異なります。

肩書だけで比較せず、実際に何を契約するのかを比較します。

大規模修繕コンサルタントについては、大規模修繕のコンサルタントに関する記事をご覧ください。

マンション管理士と建築士はどちらへ相談する?

どちらが上という比較ではありません。管理規約・総会・管理組合運営等の相談なのか、設計・建物・施工技術等の相談なのかによって、必要な専門性を確認します。

管理分野 管理規約、理事会、総会、管理会社との契約、合意形成等
建築技術分野 建物診断、設計、材料、工法、施工仕様、工事監理等

一人がマンション管理士と建築士等の複数資格を持っている場合もあります。

その場合も、資格の数ではなく、今回の委託業務に必要な能力と業務範囲を確認します。

施工会社との紛争もマンション管理士へ相談すればよい?

管理上の事実整理等について相談できる場合はありますが、法的責任の判断、法的代理、訴訟、契約紛争等は、内容に応じて法律専門家の確認が必要になる場合があります。

例えば、

  • 管理組合内でいつ何を決めたか整理したい
  • 総会議事録や契約資料をそろえたい
  • 管理会社・施工会社とのやり取りを時系列で整理したい

という相談と、

  • 法的責任が誰にあるか判断してほしい
  • 損害賠償請求を行いたい
  • 訴訟・法的代理が必要

という相談は分けます。

「相談できること」と「最終的な法律判断」を同じにしません。

「第三者専門家」なら中立と考えてよい?

「第三者」という名称だけから独立性を判断しません。誰から紹介されたか、誰と契約するか、誰が報酬を支払うか、他社との関係、担当業務、どの判断へ関与するかを確認します。

紹介: 誰から紹介された専門家か
契約: 誰と業務委託契約を締結するか
報酬: 誰が報酬を支払うか
関係会社: 他の関係会社との契約・報酬等があるか
担当: 何の業務を担当するか
判断: 施工会社選定・見積比較等のどの判断へ関与するか

独立性を肩書から推測せず、実際の関係性と契約を確認します。

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

相談テーママンション管理士管理会社設計・監理者施工会社その他専門家
管理規約管理分野の相談先候補管理委託契約の範囲を確認必要に応じ連携施工範囲に関する情報提供等法律判断等が必要な場合は別途確認
総会運営管理分野の相談先候補契約範囲に応じ支援技術説明資料等で連携工事説明等で連携必要な専門性に応じ確認
管理委託契約管理分野の相談先候補自社契約業務を確認通常は主担当ではない通常は主担当ではない契約上の法的判断等は必要に応じ確認
建物診断技術資格・経験・契約範囲を確認契約範囲を確認技術側の主担当候補責任施工等では調査する場合あり専門調査会社等の場合あり
仕様設計技術資格・経験・契約範囲を確認契約内容を確認技術側の主担当候補責任施工等では提案する場合あり工種に応じ専門家と連携
見積比較管理面か技術面か依頼範囲を確認契約範囲を確認技術比較を担当する場合あり自社見積・質疑への回答等必要に応じ専門分野を確認
施工通常は施工主体とは別通常は施工主体とは別監理と施工を区別施工の主担当工種に応じ専門工事会社等
工事監理別資格・経験・契約内容を確認契約上の支援範囲を確認技術側の主担当候補施工管理との役割を区別検査会社等の場合あり
契約紛争管理上の整理等は契約範囲を確認事実・資料確認等技術的事実確認等工事側資料・事実確認等法的判断・代理は法律専門家を確認

一人ですべてを対応できる専門家を探すことが目的ではありません。

必要に応じて複数の専門性をつなぐことが重要です。

管理組合は相談先をどう振り分ける?

資格名から入るのではなく、困っている内容を「管理」「技術」「法律」等に分け、その後に相談先候補を決めます。さらに、依頼範囲を契約で明確にし、成果物を確認します。

管理組合

今、何に困っている?

管理・総会・規約
建物・工事技術
法律・紛争

必要な専門性を確認

相談先候補を選ぶ

依頼範囲を文書化する

成果物・確認結果を受け取る

マンション管理士へ相談するなら、大規模修繕のいつ?

「必ずこの時期」という決まりではありません。管理体制の整理、施工会社選定、総会準備、工事中の判断、完成後の引き継ぎなど、相談したい内容に応じて時期を考えます。

計画を始める前 管理体制、資料、修繕委員会、管理会社との役割等を整理
施工会社選定前 選定手続、比較条件、説明資料等を整理
総会前 議案、予算、区分所有者への説明等を整理
契約後・工事中 管理組合側の判断事項、議事録、変更事項等を整理
完成後 管理資料、成果物、未決事項、次回への引き継ぎ等を整理

ただし、「早く相談すればよい」と単純に考える必要もありません。

現在どの段階まで進んでいるかによって、相談できる内容が変わります。

まだ決めていない 判断前の資料整理や選択肢について相談
既に契約した 契約済みの業務範囲・条件・記録を確認
既に施工した 施工記録・契約・完成資料等から事実関係を確認
紛争になっている 必要に応じて法律専門家等へ相談先を切り替える

大規模修繕を相談するマンション管理士は何を確認して選ぶ?

経験年数だけではなく、今回依頼したい業務の経験、契約範囲、成果物、報酬、打合せ方法、他専門家との連携、関係会社との関係等を確認します。

  • 今回依頼したい業務の経験
  • 分譲マンション管理の支援経験
  • 大規模修繕への関与経験
  • 今回の契約業務範囲
  • 契約に含まれない業務
  • 提出される成果物
  • 打合せ・理事会等への参加方法
  • 他の技術者・法律専門家等との連携
  • 報酬・支払条件
  • 施工会社・管理会社等との関係

「経験10年以上なら安心」「何件以上ならよい」といった独自の一律基準は設けません。

また、施工会社を選ぶときに確認する施工実績と、マンション管理士等について確認する管理組合支援の経験は分けます。

施工会社そのものの選定は、大規模修繕の施工会社はどう選ぶ?実績・見積・現場体制・契約前の比較ポイントをご確認ください。

外部専門家へ依頼する業務は契約前に分けておく

「大規模修繕支援一式」とだけ考えず、何を依頼し、何を依頼しないのか、何を成果物として受け取るのかを確認します。

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

依頼内容担当者含まれる業務含まれない業務成果物費用
管理規約・総会支援契約時に明記対象業務を具体的に記載対象外業務を確認資料・助言内容等を確認契約金額・条件を確認
施工会社選定・見積支援契約時に明記比較・質疑等の範囲を明記技術査定等の対象外範囲を確認比較資料・確認記録等契約金額・条件を確認
工事中の管理組合支援契約時に明記定例会参加・資料確認等を明記工事監理・検査等との区分を確認議事録・課題整理等契約金額・条件を確認
その他の個別支援契約時に明記依頼する業務を明記依頼しない業務を明記受領する成果物を明記契約金額・条件を確認

肩書の比較ではなく、業務委託の範囲を確認するための表です。

専門家へ相談する前に「相談受付票」を作る

相談先を探す前に、現在困っていること、既に決めたこと、まだ決めていないこと、確認してほしい内容、欲しい成果物を整理します。

大規模修繕 相談受付票

今、困っていること  
問題の種類 □ 管理 □ 工事技術 □ 契約 □ 総会・合意形成 □ 法律
現在の段階 □ 計画 □ 見積 □ 選定 □ 総会 □ 契約 □ 工事中 □ 完成後
既に決定していること  
まだ決まっていないこと  
専門家へ確認してほしいこと  
受け取りたい成果物・確認結果  
相談先候補  

大規模修繕では、管理規約・総会・見積・施工技術・工事監理など、相談内容によって必要な専門性が異なります。

現在どこまで決まっているかを整理し、管理組合・管理会社・施工会社・外部専門家の役割を分けたうえで、次に確認すべき内容を整理できます。

マンション管理士への相談費用はいくら?

全国一律の料金として決まるものではありません。単発相談、継続支援、理事会・総会への出席、施工会社選定支援、資料作成、工事期間中の支援など、依頼範囲によって費用は変わります。

そのため、「相談料はいくらか」だけで比較するのではなく、

その報酬に、どの業務が含まれているか

を確認します。

  • 相談回数
  • 理事会・総会への参加
  • 資料作成の有無
  • 施工会社選定への関与
  • 工事中の対応
  • 成果物
  • 追加業務の料金
  • 支払条件

等を契約前に確認します。

また、特定の報酬形態や紹介を受けた専門家であることだけを理由に、不適切と判断するものではありません。

誰と契約し、誰が報酬を支払い、どの判断へ関与するのかを確認します。

修繕委員会があればマンション管理士は不要?

一律には言えません。修繕委員会は管理組合内部の検討体制であり、マンション管理士等の外部専門家から助言を受けることとは役割が異なります。

修繕委員会の中に必要な知識・経験があり、管理会社や設計監理者等の支援で不足がなければ、別の専門家を追加する必要性は低い場合もあります。

一方、

  • 管理規約や総会の整理が難しい
  • 施工会社選定手続きを第三者と確認したい
  • 管理会社との役割分担を整理したい
  • 理事会・区分所有者への説明資料を整理したい

といった課題があれば、外部助言を検討する場合があります。

修繕委員会については、大規模修繕の修繕委員会に関する記事をご覧ください。

管理会社がいればマンション管理士は不要?

一律には言えません。まず管理委託契約で、管理会社が大規模修繕支援・総会支援・施工会社選定支援・工事中対応等をどこまで担当する契約なのか確認します。

そのうえで、不足している業務や、別の立場から確認したい事項があるかを検討します。

「管理会社がいるか」ではなく、「必要な業務を誰が担当しているか」を確認します。

設計監理者がいればマンション管理士は不要?

設計・監理者とマンション管理士では、中心となる専門領域が異なる場合があります。設計・監理者が技術側を担当していても、管理規約・総会・管理会社との契約・管理組合運営等を誰が支援するかは別に確認します。

反対に、マンション管理士へ管理組合支援を依頼しているからといって、技術側の専門家が不要になるわけでもありません。

技術側の専門家がいる

管理組合運営側の論点もすべて担当している

専門家が多い場合は「役割名」を分ける

管理会社、マンション管理士、設計者、施工会社、修繕委員会等が関わる場合は、「誰へ聞けばよいか」が曖昧にならないよう役割を整理します。

窓口 情報を受け取り、関係者へつなぐ人
助言者 管理組合へ判断材料を提供する人
承認者 理事会・総会等、必要な手続きで判断する側
施工者 契約した工事を実際に施工する側
確認者 契約した範囲で技術・資料・施工等を確認する人

重要なのは関係者の人数ではありません。

誰が、何を、どこまで、いつ判断するのかを説明できる状態にします。

外部専門家との契約も理事会交代時に引き継ぐ

マンション管理士等の外部専門家を利用している場合は、担当者名だけでなく、契約期間・業務範囲・未決事項・助言内容・成果物・次回予定を次の理事会へ引き継ぎます。

「以前から相談している先生です」という引き継ぎだけでは、次の理事会は何を依頼しているのか確認できません。

少なくとも、

  • 契約書
  • 業務範囲
  • 契約期間
  • これまでの助言内容
  • 提出された資料
  • 未解決の課題
  • 次回打合せ・期限

を確認できる状態にします。

理事会・理事長の交代については、別記事「大規模修繕中に理事会・理事長が交代したら?分譲マンションの引き継ぎ資料・決定事項・契約管理」で整理しています。

5枚の相談票を、最後に相談先へ振り分ける

冒頭では相談先を空欄にしていましたが、ここまで確認すると「資格名」ではなく「必要な専門性」から振り分けられます。

相談票01|管理規約・総会 → 管理分野の専門性と契約範囲を確認
相談票02|見積・契約 → 管理上の確認と技術上の確認を分ける
相談票03|施工仕様 → 建築・施工技術の専門性を確認
相談票04|工事品質 → 工事監理・検査等の確認体制を見る
相談票05|法的紛争 → 内容に応じて法律専門家を確認

「全部マンション管理士へ」でも、「全部施工会社へ」でもありません。

問題によって相談先を切り替え、必要な場合は複数の専門家をつなぎます。

ワンリニューアルでは、資格名だけで大規模修繕の相談先を決めるのではなく、現在の管理組合体制、管理会社との契約、工事の進捗、必要な技術判断を確認し、「誰が何を担当するのか」を整理したうえで工事計画へつなげることを重視しています。

まとめ|マンション管理士を探す前に「何を相談したいか」を決める

大規模修繕にマンション管理士が必ず必要とは限りません。

一方で、施工会社がいるから管理面の専門的助言は不要、とも限りません。

まず管理組合が現在困っている内容を整理します。

今、困っていることを書く

管理・技術・契約・法律等へ分ける

必要な専門性を確認する

相談先候補を選ぶ

契約する業務範囲を確認する

受け取る成果物を決める

誰が最終判断するか整理する

管理組合の記録として残す

大規模修繕で重要なのは、「マンション管理士を入れたか」ではありません。

誰に何を依頼し、どの判断材料を受け取り、管理組合が何を決めたのかを説明できる状態にすることです。

マンション大規模修繕の工事内容と全体の進め方へ戻ることで、専門家への相談が大規模修繕全体のどの段階で必要になるのか確認できます。

分譲マンション向けの大規模修繕については、分譲マンションの大規模修繕サービスもご覧ください。

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