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大規模修繕でお金がない時は?先送り・借入・工事分割の判断基準

費用・見積・資金計画 2026.07.10 (Fri) 更新

大規模修繕でお金がない時は?先送り・借入・工事分割の判断基準

大規模修繕でお金がない時は?先送り・借入・工事分割の判断基準

大規模修繕の見積金額が想定より大きく、修繕積立金や手元資金だけでは足りない場合、管理組合や一棟オーナーは「先送りするか」「借入を検討するか」「工事を分けるか」「仕様を見直すか」で迷いやすくなります。

資金不足の場面で大切なのは、全部やる・全部やめるの二択にしないことです。値引き交渉や先送りを考える前に、何を守るための工事なのかを整理し、今やる工事、整理だけしておく工事、次回へ回す工事を分けて確認します。

この記事では、大規模修繕で資金が足りない時に、安全性・漏水・剥落・生活影響・将来費用の5軸で優先順位を整理し、借入・工事分割・仕様見直し・先送りをどう比較するかを解説します。

 

大規模修繕でお金が足りない時は、まず工事の優先順位を整理します

大規模修繕で資金が足りない場合、最初から「工事をやるか、やめるか」で考えると判断しにくくなります。外壁、防水、シーリング、鉄部、下地補修、共用部、設備更新などを並べ、どの工事が何のために必要なのかを分けて見ます。

管理組合の場合は、修繕積立金、借入、一時金、住民説明、総会承認の整理が必要になります。一棟オーナーの場合は、保有方針、借入返済、家賃収入、空室状況、次回修繕との関係も確認します。資金不足そのものを責めるのではなく、判断材料を整理することが大切です。

 

資金不足時に見る5つの判断軸

資金不足時は、安全性、漏水、剥落、生活影響、将来費用の5つに分けて工事項目を見ます。これは「どれを削るか」ではなく、先送り前に何を確認するかを整理するための考え方です。

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判断軸確認する内容優先度が上がりやすい状態先送り前に確認したいこと
安全性外壁の浮き、鉄部腐食、手すり、階段、共用部床面劣化範囲が広い、通行部に近い、過去に指摘がある建物診断結果、劣化写真、補修範囲を確認します。
漏水屋上防水、外廊下防水、バルコニー防水、シーリング漏水履歴がある、端部劣化が見られる、防水層の劣化が進んでいる漏水箇所、原因候補、補修履歴、写真を確認します。
剥落タイル、モルタル、下地補修、外壁クラック浮きやひび割れが確認されている、足場後の近接確認が必要打診結果、数量、実数清算の扱いを確認します。
生活影響バルコニー、共用廊下、階段、洗濯物制限、騒音、臭気入居中工事で制限が多い、住民説明が必要な工事が含まれる工程表、掲示、問い合わせ窓口を確認します。
将来費用再足場、次回修繕、設備更新、予備費、下地補修今回見送ると次回の工事範囲が広がる可能性がある次回確認時期、再足場の可能性、予備費を確認します。

 

先送りしにくい工事と、時期調整を検討しやすい工事を分けます

資金不足時は、先送りしにくい工事と、時期調整を検討しやすい工事を分けます。先送りしにくい工事は、安全性、漏水、剥落、足場同時施工の合理性がある項目です。一方、時期調整を検討しやすい工事は、急ぎ性が低い美観中心の更新や、単独で対応しやすい工事などです。

ただし、時期調整を検討しやすい工事も、不要な工事という意味ではありません。見送る場合は、次回確認時期、点検方法、写真記録を残します。工事項目の分け方は、関連記事一棟オーナーの大規模修繕で今やる工事・見送る工事をどう分ける?、工事範囲の整理は、関連記事大規模修繕の工事範囲と修繕方法の決め方|管理組合が見積前に整理したいポイントも参考になります。

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区分該当しやすい工事判断理由確認資料
先送りしにくい工事漏水履歴がある防水、外壁浮き、鉄部腐食、共用部床面建物状態や生活影響の確認が必要になりやすいため劣化写真、診断結果、過去履歴
時期調整を検討しやすい工事美観中心の一部更新、急ぎ性が低い共用部改善次回確認時期を決めて管理できる場合があるため写真、点検メモ、次回確認計画
調査後に判断する工事下地補修、タイル補修、実数清算項目足場設置後に数量が確定する場合があるため単価、数量表、写真報告、承認フロー
次回修繕で確認する工事設備更新、外構、共用部の一部今回工事との役割を分けるため長期修繕計画、次回修繕メモ
足場と同時確認したい工事外壁、シーリング、鉄部、防水端部、雨樋足場を使う工事をまとめて確認できるため足場範囲、立面図、見積内訳
資金計画と合わせて決める工事大きな設備更新、工事分割候補、予備費対象今回費用と次回費用を合わせて見るため資金計画、修繕積立金資料、収支メモ

 

借入・工事分割・仕様見直しは役割が違います

資金不足時の選択肢として、借入、工事分割、仕様見直し、一時金、計画見直し、予備費の設定があります。これらは同じ「費用を下げる方法」ではなく、役割が異なります。

借入や一時金は金融・管理組合運営に関わるため、条件や判断は関係先への確認が必要です。ここでは、工事範囲の整理に必要な考え方として比較します。修繕積立金が足りない場合の選択肢は、関連記事修繕積立金が足りないとどうなる?大規模修繕で確認したい対応と選択肢、借入・一時金・計画見直しは、関連記事修繕積立金だけで足りない時の選択肢|借入・一時金・計画見直しの判断基準も参考になります。

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選択肢役割検討しやすい場面注意点
借入工事時期を調整しにくい場合の資金手段防水、外壁、足場同時施工などを今回確認したい場合条件や返済は金融機関等へ確認します。
工事分割支出時期を分ける選択肢足場を使わない工事や、単独対応しやすい工事を分ける場合再足場や住民対応の重複を確認します。
仕様見直し必要機能を守りながら工事内容を再設計する選択肢材料、範囲、時期、グレードを見直す場合防水や下地処理などの機能を確認します。
一時金管理組合で不足分を補う選択肢修繕積立金だけでは不足する場合管理規約や合意形成の確認が必要です。
計画見直し長期修繕計画と今回工事の整合を見直す選択肢概算費用と現場見積に差がある場合将来修繕と合わせて確認します。
予備費の設定実数清算や追加確認に備える考え方下地補修や足場後確認がある場合使用条件と承認フローを決めます。

 

借入を検討する前に整理したいこと

借入が選択肢に入る場合は、今回工事費だけでなく、修繕積立金残高、工事後残高、返済期間、月々の返済負担、次回修繕費、予備費、住民説明、一棟オーナーの収支、保有方針を整理します。

借入の可否や条件は、金融機関や関係先へ確認する領域です。この記事では、借入を検討する前に、工事範囲と資金計画を比較しやすくするための資料整理として扱います。

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確認項目見る内容整理する理由注意点
今回工事費見積総額、工事項目、内訳不足額を把握するため見積条件を揃えて確認します。
修繕積立金残高現在の残高今回工事に使える範囲を見るため工事後残高も確認します。
工事後残高工事後に残る資金次回修繕への影響を見るため長期修繕計画と照合します。
返済期間返済の期間感将来の資金計画に関係するため金融条件は関係先へ確認します。
月々の返済負担管理組合またはオーナーの支出継続的な資金計画を見るため会計・融資判断は断定しません。
次回修繕費次回に残る工事項目今回工事との役割を分けるため見送り項目を記録します。
予備費実数清算や追加確認への備え工事中判断に備えるため追加発生を前提にしません。
住民説明管理組合で共有する資料判断材料を示すため借入を一方的にすすめません。
一棟オーナーの収支家賃収入、返済、空室、運営費保有方針と工事範囲を合わせるため税務・会計は関係先へ確認します。
保有方針長期保有、売却前、建替え検討など工事範囲の考え方が変わるため売却価格や査定は断定しません。

 

工事分割は、足場費用と工程の重複に注意して考えます

工事分割は、支出の山を分けるための選択肢です。ただし、分ければ費用を下げられるという意味ではありません。足場を使う工事を分けると、再足場、現場管理、住民対応、掲示、洗濯物制限、バルコニー制限などが重なる場合があります。

足場を使う工事の見積確認は、関連記事足場工事の見積書の見方|「一式」表記で確認したい内訳と注意点、足場見積で金額差が出る理由は、関連記事足場見積で金額差が出る理由|同条件に見えて価格が変わる比較ポイントも参考になります。

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工事項目分割しやすい場合同時確認したい場合注意点
外壁補修範囲が限定的で、次回確認時期を決められる場合足場をかける面に劣化が集中している場合下地補修や塗装範囲と合わせて確認します。
シーリング一部補修で管理できる場合外壁工事と同時に開口部を確認する場合打替え範囲と保証範囲を見ます。
屋上防水部分補修や経過観察を検討できる場合漏水履歴や端部劣化がある場合防水仕様と次回点検を確認します。
バルコニー防水住戸別に状態差があり、段階確認する場合外壁・シーリングと同時に住戸まわりを見る場合入居者対応を確認します。
鉄部塗装一部範囲で時期調整できる場合足場や共用部工事と同時に確認する場合補修と塗装を分けます。
共用部工事通行制限を分けて計画できる場合床面や手すりの劣化がまとまっている場合掲示や動線を確認します。
設備更新足場を使わず単独対応できる場合外壁貫通部や高所設備と関係する場合専門業者の確認も必要です。
足場を使う工事面ごとに分けて計画する場合再足場を避けたい工事が重なる場合足場費用と住民対応の重複を見ます。
足場不要の工事単独で時期調整しやすい場合共用部工事と同時に説明したい場合別工程でも管理しやすいかを見ます。
入居者対応が大きい工事繁忙期や入居状況に合わせて時期調整する場合足場設置期間と同時に制限をまとめる場合告知、問い合わせ窓口を確認します。

足場費用の予算確認は、関連記事大規模修繕の足場費用はどう見る?見積内訳と予算確認のポイントも参考になります。

 

仕様見直しは、品質を下げることではなく内容を再設計することです

仕様見直しは、必要な機能を守りながら、工事内容、材料、範囲、時期を見直すことです。単純に材料を下げる、必要な工程を外すという意味ではありません。

防水、下地処理、シーリング、鉄部塗装、保証範囲などは、機能や施工後の確認に関わるため、見積時に仕様と範囲を確認します。見積比較の基本は、関連記事大規模修繕の見積り比較ポイント|相場より高い理由と確認すべき内訳、保証の確認は、関連記事一棟オーナーの大規模修繕保証とは?工事保証・メーカー保証・免責の確認ポイントも参考になります。

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見直し項目確認する内容守りたい機能注意点
外壁仕様塗料、下地補修、塗装範囲外壁保護、補修記録美観と補修範囲を分けます。
防水仕様工法、範囲、保証、下地状態止水、防水層の保護全面か部分かを確認します。
シーリング打替え範囲、材料、対象目地開口部や目地の保護対象外部位を確認します。
鉄部塗装ケレン、錆止め、塗装範囲鉄部の保護補修と塗装を分けます。
共用部美観色、照明、掲示、床材共用部の使いやすさ急ぎ性と印象を分けます。
設備更新更新範囲、点検履歴、優先順位設備機能の維持専門業者確認も必要です。
材料グレード材料の仕様、耐用の考え方、保証工事目的に合った仕様価格だけで選びません。
工事範囲今回範囲、次回範囲、対象外説明できる工事範囲見送り理由を残します。
保証範囲対象工事、期間、免責工事後の確認資料保証年数だけで見ません。
次回修繕との関係今回行わない工事、次回確認時期将来判断の資料化次回点検時期を決めます。

 

先送りすると範囲が広がりやすい項目

先送りを検討する場合、防水、下地補修、タイル浮き、シーリング、鉄部腐食、排水不良、給排水設備、共用部床面、漏水履歴、過去補修跡などは、先送り前に状態と次回確認時期を整理します。

先送りによって費用がどう変わるかは建物状態によりますが、劣化が進むと将来の工事範囲が広がる場合があります。屋上防水の判断は、関連記事大規模修繕の屋上防水はいつ必要?全面改修か部分補修かの判断基準、外廊下防水は、関連記事外廊下・開放廊下の防水工事は必要?塗装で済むケースと劣化サインも参考になります。

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工事項目先送り前に見ること範囲が広がりやすい理由確認資料
屋上防水防水層、端部、排水、漏水履歴下地や端部の確認範囲が増える場合があります。屋上写真、防水履歴、漏水記録
バルコニー防水床面、ドレン、立上り、住戸別状況住戸ごとに状態差が出る場合があります。住戸別写真、入居状況
外廊下防水床面、ひび割れ、排水、通行部通行部の制限や補修範囲が変わる場合があります。共用部写真、点検記録
下地補修浮き、ひび割れ、爆裂、補修跡足場後の近接確認で数量が変わる場合があります。打診結果、写真、数量表
タイル浮き浮き範囲、補修履歴、落下しやすい場所補修範囲が広がる場合があります。打診記録、位置図
シーリング硬化、割れ、剥離、開口部まわり外壁や防水との取り合いに関係する場合があります。開口部写真、仕様書
鉄部腐食錆、腐食、手すり、階段、扉補修範囲が増える場合があります。鉄部写真、点検記録
排水不良ドレン、排水溝、詰まり、勾配防水や床面劣化と関係する場合があります。排水写真、清掃記録
給排水設備漏水履歴、詰まり、更新履歴設備更新計画と関係する場合があります。設備資料、保守記録
共用部床面防滑性、ひび割れ、浮き、汚れ通行制限や補修範囲が変わる場合があります。共用部写真
漏水履歴発生箇所、原因候補、補修内容再確認箇所が増える場合があります。管理会社記録、写真
過去補修跡補修範囲、再発有無、写真同じ部位の再確認が必要になる場合があります。工事完了報告書、写真台帳

下地補修が実数清算になる理由は、関連記事下地工事が実数清算になる理由|足場設置後に費用が変わる仕組みと確認ポイント、追加費用の見方は、関連記事大規模修繕の下地補修は実数清算でいくら増える?追加費用と見積確認ポイントも参考になります。

 

見積比較では、削る前に条件をそろえます

資金不足時は、値引きや削減に意識が向きやすくなります。ただし、見積条件が違うまま比較すると、何を削ったのか、何が含まれているのかが分かりにくくなります。

足場範囲、外壁補修、防水範囲、下地補修、実数清算、鉄部塗装、住民対応、工期、保証範囲、追加費用、引き渡し書類を揃えて確認します。足場見積の比較は、関連記事足場見積の比較ポイント|大規模修繕で価格以外に確認したい項目、足場業者選定は、関連記事足場工事の業者選びで失敗しないために|見積・住民対応・現場体制の確認ポイントも参考になります。

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比較項目A社B社C社確認メモ
見積総額金額金額金額総額だけで判断しません。
足場範囲対象面対象面対象面足場をかける範囲を揃えます。
外壁補修範囲・数量範囲・数量範囲・数量補修単価と数量を確認します。
防水範囲屋上・廊下・バルコニー屋上・廊下・バルコニー屋上・廊下・バルコニー全面か部分かを確認します。
下地補修想定数量想定数量想定数量実数清算の対象を確認します。
実数清算対象項目対象項目対象項目承認フローを確認します。
鉄部塗装範囲範囲範囲補修と塗装を分けます。
住民対応掲示・案内掲示・案内掲示・案内説明資料と窓口を確認します。
工期期間期間期間生活影響と合わせて確認します。
保証範囲対象・期間対象・期間対象・期間保証年数だけで見ません。
追加費用条件条件条件追加になる条件を整理します。
引き渡し書類資料資料資料写真台帳や報告書を確認します。

 

管理組合と一棟オーナーでは、資金不足時の整理方法が少し違います

資金不足時の判断は、管理組合と一棟オーナーで整理する項目が少し変わります。管理組合では、合意形成、住民説明、修繕積立金、一時金、借入、総会承認に関する整理が必要です。一棟オーナーでは、保有方針、借入返済、空室率、家賃収入、売却前提、法人決裁を確認します。

管理組合の見積前論点は、関連記事管理組合の大規模修繕で意思決定が止まる理由|見積前に整理する論点、一棟オーナーの修繕資金は、関連記事一棟オーナーの修繕積立金とは?大規模修繕で不足しない資金計画の考え方も参考になります。

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比較項目管理組合一棟オーナー注意点
意思決定理事会、修繕委員会、住民説明、総会オーナー判断、法人決裁、管理会社との協議決定手順は物件ごとに確認します。
資金計画修繕積立金、予備費、次回修繕家賃収入、借入返済、修繕用資金税務・会計は関係先へ確認します。
借入管理組合としての選択肢になる場合があります。オーナー個人・法人の資金計画に関係します。融資条件は断定しません。
一時金住民説明や合意形成が必要になります。通常はオーナー資金として整理します。一方的にすすめません。
工事分割住民説明と総会資料に反映します。収支や保有方針と合わせて検討します。再足場と生活影響を確認します。
住民、入居者対応区分所有者・居住者への説明が必要です。入居者、テナント、管理会社対応が関係します。説明資料を分けます。
長期修繕計画積立金計画と工事項目の前提になります。保有計画や修繕履歴の資料になります。現場条件と照合します。
保有方針管理組合では共用部維持が中心になります。長期保有、売却前、建替え検討で変わります。売却価格や査定は断定しません。
説明資料住民説明会、総会資料、質問回答表法人決裁、管理会社共有、入居者案内用途に合わせて資料を分けます。
次回修繕長期修繕計画に反映します。保有方針と資金計画に反映します。見送り項目を残します。

一棟オーナーの費用対効果は、関連記事一棟オーナーの大規模修繕はいつ必要?タイミングと費用対効果の判断基準も参考になります。

 

資金不足時の判断フロー

大規模修繕で資金が足りない時は、建物状態、工事項目、資金手段、見積条件、説明資料を順番に整理します。この流れは「この通りにすれば解決する」というものではなく、判断材料を分けるための整理です。

1. 建物状態と劣化写真を確認する

外壁、防水、鉄部、共用部、漏水履歴を整理します。

2. 安全性・漏水・剥落・生活影響・将来費用で分類する

何を守るための工事かを分けます。

3. 今やる工事・整理だけする工事・次回へ回す工事に分ける

不要と決めつけず、次回確認時期を残します。

4. 借入・工事分割・仕様見直し・一時金の違いを確認する

資金手段と工事範囲を分けて見ます。

5. 足場を使う工事の分割可否を確認する

再足場や住民対応の重複を見ます。

6. 見積条件と追加費用の扱いをそろえる

足場、下地補修、保証、工期を比較します。

7. 管理組合またはオーナーの説明資料に落とし込む

住民説明、法人決裁、管理会社共有に使います。

8. 施工会社へ質問する項目を整理する

見積書に不明点をメモして確認します。

 

施工会社へ確認したい質問例

施工会社へ確認するときは、値引き交渉から入るのではなく、優先順位、工事分割、仕様見直し、先送り判断を確認する質問にします。

  • 資金が足りない場合、今回優先度が高い工事はどこですか
  • 安全性、漏水、剥落の観点で、先送り前に確認すべき工事はありますか
  • 今回は整理だけに留めてもよい工事はありますか
  • 工事分割する場合、足場費用や住民対応が重複する項目はありますか
  • 仕様見直しをする場合、削りにくい部分と調整しやすい部分はどこですか
  • 下地補修や実数清算は、予算内でどう扱えばよいですか
  • 借入や一時金を検討する前に、工事範囲を分けて整理できますか
  • 管理組合向けに住民説明資料を作成できますか
  • 一棟オーナー向けに保有方針と修繕範囲を整理できますか
  • 今回見送る工事の次回確認時期を決められますか

 

相談前に整理しておきたい資料

資金不足時の工事範囲相談では、現在の見積書、他社見積、長期修繕計画、修繕積立金残高資料、建物診断結果、劣化写真、建物図面、立面図、過去の修繕履歴、雨漏り・漏水履歴、管理会社からの提案資料、理事会議事録、一棟オーナーの収支メモ、保有方針メモ、希望予算、見送りたい工事項目メモを整理しておくと、相談内容を具体化しやすくなります。

資料がすべて揃っていない場合でも、現在の見積書、建物写真、資金面で迷っている内容のメモから確認できます。

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資料確認できること相談時に役立つ理由ない場合の代替
現在の見積書工事項目、数量、金額工事範囲と不足額を確認できます。概算見積でも参考になります。
他社見積条件差、金額差、工事項目の違い見積比較に使えます。1社見積でも内訳確認から始められます。
長期修繕計画予定工事、概算費用、次回修繕今回工事との整合を見られます。管理会社資料で補います。
修繕積立金残高資料現在の資金状況資金計画の前提になります。会計資料で補います。
建物診断結果劣化状況、優先確認箇所工事の必要性を確認できます。劣化写真で補います。
劣化写真外壁、防水、鉄部、共用部の状態優先順位の整理に使えます。スマートフォン写真でも参考になります。
建物図面建物形状、共用部、設備工事範囲の確認に使えます。建物写真で補います。
立面図外壁面、高さ、足場条件足場や外壁補修の確認に使えます。外観写真で補います。
過去の修繕履歴前回工事の範囲と時期今回工事との重複確認に使えます。請求書や写真台帳で補います。
雨漏り、漏水履歴過去不具合の経緯防水やシーリングの優先確認に使えます。管理会社記録で補います。
管理会社からの提案資料修繕提案、住民対応、管理上の課題説明資料の整理に使えます。メールや打合せメモで補います。
理事会議事録過去の議論と未整理論点住民説明前の整理に使えます。理事会メモで補います。
一棟オーナーの収支メモ家賃収入、返済、空室、運営費保有方針と工事範囲の確認に使えます。概算メモで補います。
保有方針メモ長期保有、売却前、建替え検討など工事範囲の優先順位に使えます。箇条書きで十分です。
希望予算今回使える予算感工事範囲の調整に使えます。概算でも参考になります。
見送りたい工事項目メモ迷っている工事項目次回確認時期の整理に使えます。見積書への書き込みで補います。

長期修繕計画と現場条件のズレは、関連記事長期修繕計画が実行時にずれる理由|現場条件を入れた見直しポイントも参考になります。

 

ワンリニューアルが考える資金不足時の大規模修繕判断

大規模修繕で資金が足りない時は、見積金額だけを見るのではなく、足場計画、外壁補修、防水、鉄部、下地補修、実数清算、住民対応、入居者対応、次回修繕まで分けて確認することが大切です。

ワンリニューアルでは、足場施工会社を母体とする視点から、足場材の自社保有、足場職人の自社在籍、足場職人経験のある営業による提案段階からの確認を重視しています。工事費だけで判断するのではなく、始まってから無理が出にくい足場計画・工事範囲になっているかを確認することが大切です。

資金不足時ほど、価格ではなく「何を守る工事か」を分けることが重要です。足場計画は、費用だけでなく住民動線、駐車場、駐輪場、近隣対応、住民説明にも関係します。足場を使う工事を分割する場合は、再足場や入居者対応の重複も確認します。

 

まとめ:大規模修繕でお金がない時は、先に工事範囲と判断順を整理します

大規模修繕で資金が足りない時は、全部やる・全部やめるの二択で考えないことが大切です。安全性、漏水、剥落、生活影響、将来費用の5軸で優先順位を整理します。

借入、工事分割、仕様見直し、一時金は役割が違うため、同じ節約策として扱わず、工事範囲と資金計画を分けて確認します。工事分割では、足場費用や住民対応の重複も確認します。

仕様見直しは、品質を下げることではなく、必要機能を守りながら工事内容を再設計することです。大規模修繕で資金が足りず、先送り・借入・工事分割の判断に迷う場合は、見積内容や建物状況を整理したうえで相談できます。

 

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資金不足時は、見積金額だけでなく、今やる工事、次回へ回す工事、調査後に判断する工事を分けて確認することが大切です。

ワンリニューアルについて

ワンリニューアルは、マンション・アパート・ビルなどの大規模修繕、外壁改修、防水工事、足場工事に対応しています。足場施工会社を母体とする視点から、工事範囲と足場計画を含めた確認を大切にしています。

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