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修繕積立金だけで足りない時の選択肢|借入・一時金・計画見直しの判断基準

費用・見積・資金計画 2026.07.09 (Thu) 更新

積立金だけで足りない時の選択肢|借入・一時金・計画見直しの判断基準

修繕積立金だけで足りない時の選択肢|借入・一時金・計画見直しの判断基準

大規模修繕の見積が出たあと、修繕積立金だけでは工事費に届かないことがあります。このとき、すぐに借入、一時金、工事範囲の縮小を決めるのではなく、まず現在の残高、今回の見積、工事後に残す資金、不足額、次回修繕への影響を分けて確認することが大切です。

修繕積立金が足りない場合の選択肢は一つではありません。借入、一時金、積立額見直し、工事範囲見直し、段階実施、仕様・工法の見直し、再見積、長期修繕計画の更新などを比較し、建物の状態と住民説明に使える資料を整理してから判断します。

この記事では、管理組合・理事会・修繕委員会が住民説明会や総会前に使いやすいよう、修繕積立金だけで大規模修繕費が足りない場合の選択肢と、見積・工事範囲・足場費用・下地補修の確認ポイントを整理します。

 

修繕積立金だけで足りないときは、選択肢を決める前に数字を整理します

修繕積立金だけで大規模修繕費が足りないと分かったとき、最初に行うことは選択肢を急いで決めることではありません。借入、一時金、積立額見直し、工事範囲見直し、段階実施のどれを検討する場合でも、現在の数字と工事範囲が整理されていないと、住民説明が難しくなります。

確認したいのは、現在の修繕積立金残高、今回の大規模修繕見積、工事後に残す資金、今回の不足額、次回修繕に必要な資金です。不足額だけを見るのではなく、工事後の残高や次回修繕への影響も合わせて確認します。

修繕積立金が足りない場合に起きやすいことは、関連記事修繕積立金が足りないとどうなる?大規模修繕で確認したい対応と選択肢で詳しく整理しています。修繕積立金が不足する理由は、関連記事修繕積立金が不足する理由とは?大規模修繕で足りなくなる原因と見直し方も参考になります。

 

最初に確認したい5つの数字

積立金不足時は、不足額だけを見て判断すると、借入・一時金・工事範囲見直しの比較がしにくくなります。まず、次の5つの数字を並べて、理事会内で共通認識を作ることが大切です。

1. 現在の修繕積立金残高

現時点で大規模修繕に使える資金を確認します。

2. 今回の大規模修繕見積

総額だけでなく、工事項目別の内訳を確認します。

3. 工事後に残す資金

突発修繕や次回修繕に備える資金を見ます。

4. 今回の不足額

残高と見積、工事後残高から不足額を整理します。

5. 次回修繕に必要な資金

今回の判断が将来の修繕にどう関係するか確認します。

 

積立金だけで足りないときの主な選択肢

修繕積立金だけで足りない場合、借入や一時金だけでなく、積立額見直し、工事範囲見直し、段階実施、仕様・工法の見直し、再見積、長期修繕計画の更新などを組み合わせて検討することがあります。

どの選択肢にもメリットと注意点があります。管理組合の残高、建物状態、住民構成、将来計画によって判断は変わるため、一つの方法だけを前提にしないことが大切です。

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選択肢検討される場面メリット注意点住民説明で必要な資料
借入不足額を一括で補う方法を検討する場合です。工事時期を調整しやすい場合があります。返済計画、金利、次回修繕への影響を確認します。借入案、返済計画、資金計画表
一時金区分所有者から追加負担を検討する場合です。不足額への対応を検討しやすくなります。負担感や代替案の説明が必要になります。不足額、一戸あたり負担、代替案比較表
積立額見直し今回工事だけでなく次回修繕も見直す場合です。将来修繕への備えを整理しやすくなります。住民負担の見え方を丁寧に説明します。長期修繕計画、残高推移表
工事範囲見直し今回行う工事と次回検討を分ける場合です。工事内容と予算を合わせやすくなります。再足場や将来費用への影響を確認します。工事範囲表、劣化写真、優先順位表
段階実施工事を複数回に分けて実施する場合です。今回の支出を調整できる場合があります。再説明、再足場、工期の複数回化を確認します。段階実施案、工程表、将来費用比較表
仕様、工法の見直し工事目的に対して複数仕様がある場合です。目的に合わせて内容を整理しやすくなります。保証、耐久性、施工範囲を比較します。仕様比較表、提案資料
再見積、見積条件整理見積条件が揃っていない場合です。比較しやすい状態を作れます。範囲や数量、足場条件を揃えて確認します。見積比較表、仕様書、工事範囲表
長期修繕計画の更新現状と計画に差が出ている場合です。次回以降の資金計画を見直しやすくなります。今回工事だけでなく将来工事も見ます。更新後の長期修繕計画、残高試算

 

借入を検討する場合の確認ポイント

借入は、不足額を補う方法の一つです。工事を延期しにくい場合や、一時金負担を抑えたい場合などに検討されることがあります。ただし、借入額、返済期間、金利、返済総額、毎月の修繕積立金への影響、次回修繕との重なりを確認する必要があります。

借入条件や審査、総会や管理規約に関する確認は、金融機関、管理会社、関係先へ確認する前提で整理します。

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確認項目見るポイント住民説明で必要なこと注意点
借入額不足額のうち、どの範囲を借入で補うか確認します。借入額の根拠を示します。見積総額だけでなく工事後残高も見ます。
返済期間何年で返済する案か確認します。毎月負担との関係を説明します。次回修繕時期と重ならないか確認します。
金利借入条件を確認します。返済総額への影響を示します。条件は金融機関へ確認します。
返済総額元本と利息を含めた総額を確認します。一時金や積立額見直しと比較します。金額だけで選ばないようにします。
毎月返済額月々の収支への影響を確認します。修繕積立金との関係を説明します。長期的な負担を確認します。
修繕積立金への影響返済が積立金残高にどう関係するか確認します。残高推移を示します。次回修繕への影響も見ます。
次回修繕との重なり返済中に次回修繕が来ないか確認します。長期修繕計画と合わせて説明します。設備更新予定も確認します。
管理規約、総会確認管理組合内で確認すべき手続きを整理します。確認先と流れを示します。法的判断は関係先へ確認します。
金融機関への確認借入条件や必要書類を確認します。条件確認中の内容を分けて伝えます。未確定事項を断定しないようにします。
代替案との比較一時金、積立額見直し、段階実施と比較します。複数案の比較表を示します。借入だけを前提にしないようにします。

 

一時金を検討する場合の確認ポイント

一時金は、不足額を一度に補う方法の一つです。利息負担を避けられる場合がある一方で、区分所有者の一時負担が見えやすいため、説明資料と代替案の整理が大切になります。

一時金を検討する場合は、不足額、一戸あたり負担、徴収時期、支払い方法、借入や積立額見直しとの比較、反対意見への対応を整理します。住民説明会の資料は、関連記事住民説明会でそのまま使える!修繕積立金の説明資料例も参考になります。合意形成の進め方は、関連記事大規模修繕の合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が整理すべきことで整理しています。

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確認項目見るポイント住民説明で必要なこと注意点
不足額いくら不足しているか確認します。不足額の計算根拠を示します。工事後残高も合わせて見ます。
一戸あたり負担住戸ごとの負担感を確認します。試算方法を示します。負担方法の詳細は関係先へ確認します。
徴収時期いつ資金が必要か確認します。工事工程と支払い時期を説明します。工事契約や支払時期と合わせます。
支払い方法支払いの流れを確認します。確認中の内容と決定事項を分けます。支払い義務や手続きは断定しないようにします。
借入との比較一時金と借入の違いを確認します。返済総額や負担時期を比較します。どちらか一方を前提にしないようにします。
積立額見直しとの比較今回不足と将来不足を分けます。短期と長期の負担を示します。次回修繕も確認します。
工事範囲見直しとの比較不足額を減らせる範囲があるか確認します。今回工事と次回検討を分けます。再足場や将来費用を確認します。
反対意見への対応どの論点に不安があるか確認します。費用、時期、工事範囲を分けて説明します。住民を問題視する表現を避けます。
説明資料一時金案の根拠を整理します。比較表、残高資料、見積内訳を示します。結論だけを先に出さないようにします。
総会、規約確認管理組合内で確認すべき手続きを整理します。確認先と流れを示します。法務や規約判断は関係先へ確認します。

 

積立額の見直しは、今回工事だけでなく次回修繕も含めて考える

積立額見直しは、今回の不足だけでなく次回修繕への備えとして検討されることがあります。値上げありきで考えるのではなく、現在の残高、今回工事費、工事後残高、次回修繕、設備更新、予備費を整理することが大切です。

大規模修繕と修繕積立金の関係は、関連記事大規模修繕と修繕積立金の関係|何にどれだけ使われるのか徹底解説でも整理しています。

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確認項目見るポイント住民説明で必要なこと注意点
現在の積立額月々の積立額を確認します。現在の収入状況を示します。住戸ごとの負担感を確認します。
現在の残高現時点の修繕積立金残高を確認します。今回工事に使える資金を説明します。工事後に残す資金も見ます。
今回工事後の残高工事後にどれだけ残るか確認します。次回修繕への影響を示します。不足額だけで判断しないようにします。
次回修繕予定次回の修繕時期と内容を確認します。今回判断との関係を説明します。長期修繕計画と照合します。
設備更新予定外装以外の工事予定を確認します。今後の支出予定を示します。給排水や設備も確認します。
予備費突発修繕に備える資金を確認します。工事後残高の考え方を説明します。予備費の考え方は物件ごとに確認します。
値上げ案複数案を比較します。負担額と残高推移を示します。一案だけで進めないようにします。
段階的見直し案段階的な負担調整を検討します。時期ごとの負担を説明します。将来の不足が残らないか確認します。
住民負担各案の負担感を確認します。比較表で示します。住民構成も踏まえて説明します。
長期修繕計画の更新現状と計画の差を見直します。更新後の資金計画を示します。今回工事だけでなく将来工事も見ます。

 

工事範囲を見直す場合は、削減ではなく優先順位で考える

工事範囲の見直しは、不足額を減らす方法の一つです。ただし、単純に工事項目を削るのではなく、漏水、安全性、再足場、住民生活、将来費用への影響で優先順位を決めることが大切です。

工事範囲の決め方は、関連記事大規模修繕の工事範囲と修繕方法の決め方|管理組合が見積前に整理したいポイントで整理しています。一棟マンション全体の優先順位は、関連記事一棟マンションの大規模修繕はどこまで必要?外壁・防水・鉄部・設備の優先順位も参考になります。

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工事項目優先度が上がりやすい状態後回しにする場合の注意点確認したい資料
屋上防水漏水履歴、防水層の劣化、排水不良がある場合です。部分補修か全面改修かを確認します。防水診断、写真、漏水履歴
外壁補修ひび割れ、浮き、欠損が確認される場合です。足場を使う他工事との関係を見ます。劣化写真、補修箇所図
下地補修足場後に数量確認が必要な場合です。実数清算や単価を確認します。想定数量、単価表、写真報告
シーリング破断、硬化、隙間が確認される場合です。外壁やサッシまわりとの関係を見ます。施工範囲表、写真
鉄部塗装錆や塗膜剥がれが進んでいる場合です。部位ごとに優先順位を分けます。部位別写真、仕様書
足場、仮設高所作業や複数工事に関係する場合です。再足場の有無を確認します。足場図、工程表
共用廊下、階段通行や防水、滑りやすさに関係する場合です。住民動線への影響を確認します。共用部写真、工程表
設備更新給排水、照明、ポンプなどの更新時期が近い場合です。外装工事と分けて検討できるか確認します。設備点検資料、修繕履歴
美観改善外観や共用部の印象を整える場合です。機能回復と美観改善を分けます。提案資料、写真
追加調査足場後に確認する項目がある場合です。調査後の判断方法を決めます。調査計画、承認フロー

足場費用と予算確認は、関連記事大規模修繕の足場費用はどう見る?見積内訳と予算確認のポイントで確認できます。

 

段階実施を選ぶ前に、再足場と将来費用を確認する

段階実施は、今回の支出を調整できる場合があります。一方で、再足場、再度の住民説明、将来費用、工期の複数回化が関係する場合があります。足場を使う工事を分ける場合は、将来再び足場を組む必要があるかを確認します。

足場工事の基本は、関連記事大規模修繕の足場工事とは?工程初期に管理組合が確認したいポイント、足場見積の金額差は、関連記事足場見積で金額差が出る理由|同条件に見えて価格が変わる比較ポイントで整理しています。

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確認項目見るポイントメリット注意点
今回行う工事今回実施する範囲を確認します。支出の範囲を整理できます。後回しにする工事との関係を見ます。
次回に回す工事次回でも検討できる範囲を確認します。今回の工事範囲を調整できます。劣化状況と将来費用を確認します。
再足場の有無次回工事で足場が必要になるか確認します。今回工事と次回工事の関係を整理できます。足場費用が再度発生する可能性を見ます。
住民説明の回数工事を分ける場合の説明回数を確認します。住民説明の予定を組みやすくなります。再説明や再掲示の手間を見ます。
工期の複数回化複数回の工期が発生するか確認します。今回工事の期間を調整できる場合があります。生活影響が複数回出る場合があります。
防水、止水への影響漏水や防水に関わる範囲を確認します。優先順位を整理できます。後回しにする場合の確認資料を残します。
下地補修の扱い実数清算や補修数量を確認します。今回の費用を整理できます。足場後に分かる数量があります。
将来費用次回工事費や再足場費を確認します。長期の比較ができます。今回費用だけで判断しないようにします。
次回修繕計画次回の時期と対象工事を確認します。資金計画に反映できます。長期修繕計画を更新します。
追加費用の可能性変更や追加確認の範囲を確認します。住民説明で整理できます。承認ルールを事前に決めます。

入居者対応や生活制限は、関連記事大規模修繕中の入居者対応とは?足場工事中の生活制限・掲示・問い合わせ対応も参考になります。

 

見積を見直すときは、足場費用・下地補修・実数清算を確認する

修繕積立金が足りない場合、見積総額だけでなく、足場範囲、足場期間、養生、安全対策、下地補修の想定数量、実数清算、追加費用の承認ルールを確認します。見積条件と工事範囲を揃えて比較することで、不足額の理由を説明しやすくなります。

足場工事の見積書は、関連記事足場工事の見積書の見方|「一式」表記で確認したい内訳と注意点、足場見積比較は、関連記事足場見積の比較ポイント|大規模修繕で価格以外に確認したい項目で整理しています。下地工事の実数清算は、関連記事下地工事の実数清算とは?大規模修繕で見積金額が変わる理由も参考になります。

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確認項目不足額に影響する理由確認したいこと質問例
足場範囲足場を組む面や範囲で金額が変わります。全面足場か部分足場か、対象面を確認します。足場範囲はどこまでですか。
足場期間設置期間が工事費に関係します。工程表と足場期間を照合します。足場期間は工程表と合っていますか。
足場面積数量の根拠が費用に関係します。面積算出の方法を確認します。足場面積はどの資料をもとにしていますか。
養生、安全対策住民動線や現場条件に関係します。メッシュシート、通路養生、防犯を確認します。養生や安全対策はどこまで含まれていますか。
下地補修足場後に数量が確定する場合があります。想定数量、単価、対象範囲を確認します。下地補修は想定数量ですか。
実数清算数量に応じて金額が変わる場合があります。単価、写真報告、承認方法を確認します。実数清算はどの資料で確認できますか。
防水範囲屋上、廊下、バルコニーの範囲で金額が変わります。全面改修か部分補修か確認します。防水工事の対象範囲はどこですか。
鉄部塗装範囲階段、手すり、扉など対象部位で変わります。部位別の範囲を確認します。鉄部塗装はどの部位が対象ですか。
追加費用変更条件が不明だと説明しにくくなります。発生時の報告、承認、記録方法を確認します。追加費用はどのタイミングで説明されますか。
保証範囲保証内容によって比較条件が変わります。工事範囲と保証範囲を照合します。保証はどの工事範囲に対して付いていますか。
住民対応掲示、説明、問い合わせ窓口に関係します。見積に含まれる範囲を確認します。住民対応は見積に含まれていますか。
近隣対応搬入、足場、騒音の説明に関係します。案内範囲や対応方法を確認します。近隣対応はどのように行いますか。

下地補修の追加費用は、関連記事大規模修繕の下地補修は実数清算でいくら増える?追加費用と見積確認ポイントで確認できます。

 

選択肢は一つに決めず、複合案として比較することもあります

実務では、借入だけ、一時金だけ、計画見直しだけで進めるとは限りません。不足額の一部を借入で補い、一部は工事範囲を見直す、一部は積立額を段階的に見直すなど、複合案になる場合があります。

複合案は住民に伝わりにくくなる場合があるため、住民説明では表にして整理することが大切です。

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複合案検討される場面メリット注意点住民説明で示す資料
一部借入+積立額見直し今回工事と将来修繕の両方を考える場合です。不足額と将来資金を分けて整理できます。返済計画と積立額の関係を説明します。返済計画、残高推移表
一部一時金+工事範囲見直し不足額を抑えながら資金を補う場合です。一時負担と工事範囲を比較できます。後回しにする工事の影響を確認します。不足額比較表、工事範囲表
段階実施+積立額見直し工事を分けて将来資金も見直す場合です。今回支出と将来計画を分けられます。再足場や再説明の可能性を確認します。段階実施案、長期修繕計画
再見積+長期修繕計画更新見積条件と計画に差がある場合です。現在の工事費に合わせて見直せます。条件を揃えて再見積します。見積比較表、更新計画
借入+段階実施一部工事を進めながら資金を補う場合です。工事時期を調整できる場合があります。返済と次回工事の時期を確認します。借入案、段階実施案
工事範囲見直し+予備費確保工事後残高を残したい場合です。突発修繕への備えを整理できます。見直す工事の優先順位を確認します。工事後残高表、優先順位表

 

住民説明では、結論より先に判断材料を示す

住民説明では、いきなり「借入をします」「一時金を集めます」「工事範囲を見直します」と結論を出すと、住民が判断しにくくなる場合があります。先に、現在の残高、見積総額、不足額、工事後残高、選択肢比較、次回修繕への影響を示します。

住民説明会で使える資料は、関連記事住民説明会でそのまま使える!修繕積立金の説明資料例、説明会で話がこじれる理由は、関連記事大規模修繕の住民説明会がこじれる理由とは?説明不足になりやすい項目と準備で整理しています。

1. 現在の残高を示す

現時点で使える修繕積立金を共有します。

2. 今回の見積と工事範囲を示す

総額だけでなく、工事項目別の内訳を説明します。

3. 不足額を示す

残高、見積、工事後残高から不足額を整理します。

4. 選択肢を比較する

借入、一時金、積立額見直し、工事範囲見直しを並べます。

5. 次回修繕への影響を示す

今回工事後の資金と将来修繕を確認します。

6. 質問と追加確認事項を記録する

その場で回答できる内容と確認が必要な内容を分けます。

7. 修正案を整理して次回説明につなげる

住民意見を反映できるもの、補足説明するものに分けます。

合意形成の進め方は、関連記事大規模修繕の合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が整理すべきことも参考になります。

 

管理組合が施工会社へ確認したい質問例

施工会社へ確認する際は、借入や一時金の判断を任せるのではなく、見積・工事範囲・足場・追加費用について説明を求める形にします。理事会や住民説明会で使いやすい資料があるかも確認しておくと、判断材料を整理しやすくなります。

  • 今回の見積で後回しにしにくい工事項目はどこですか
  • 次回でも検討できる工事項目はありますか
  • 足場を使う工事を分けると、再足場が必要になりますか
  • 足場費用はどの工事項目に関係していますか
  • 下地補修は想定数量ですか、実数清算ですか
  • 追加費用が発生する場合、どの資料で説明されますか
  • 工事範囲を見直した場合、保証や工程に影響はありますか
  • 住民生活への影響はどの項目で変わりますか
  • 段階実施にした場合、次回工事との関係はどうなりますか
  • 住民説明会で提示できる資料はありますか

 

相談前に整理しておきたい資料

修繕積立金だけで足りない場合、相談前に現在の残高資料、長期修繕計画、大規模修繕の見積書、他社見積、建物診断結果、劣化写真、過去の修繕履歴などを整理しておくと、選択肢を比較しやすくなります。資料がすべて揃っていない場合でも、今ある資料から確認できます。

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資料確認できること相談時に役立つ理由ない場合の代替
現在の修繕積立金残高資料使える資金を確認できます。不足額の整理に使えます。会計資料や残高資料で補います。
長期修繕計画今回工事と次回修繕の関係を確認できます。積立額見直しや将来費用の比較に使えます。過去の計画や管理会社資料で補います。
大規模修繕の見積書工事項目、金額、範囲を確認できます。見積内訳と不足額を確認できます。見積書の写真でも参考になります。
他社見積金額差や条件差を確認できます。比較条件を揃えやすくなります。金額メモでも参考になります。
建物診断結果劣化状況を確認できます。工事範囲の優先順位を整理できます。点検記録や写真で補います。
劣化写真外壁、防水、鉄部、共用部の状態を確認できます。住民説明資料に使いやすくなります。スマートフォンの写真でも参考になります。
過去の修繕履歴前回工事からの経過を確認できます。今回工事との違いを説明しやすくなります。過去見積、写真、請求書で補います。
下地補修、実数清算資料追加費用に関係する項目を確認できます。不足額の変動要因を整理できます。単価表や写真報告で補います。
理事会議事録これまでの検討経緯を確認できます。説明会資料の流れを整理できます。理事会メモでも参考になります。
住民説明資料住民に何を説明済みか確認できます。不足している説明項目を見つけやすくなります。配布資料や掲示物で補います。
住民からの質問メモ住民が気にしている点を確認できます。次回説明やFAQ作成に使えます。理事会内の想定質問でも参考になります。
資金計画案借入、一時金、積立額見直しを比較できます。複数案を整理しやすくなります。簡易試算から作成できます。

 

ワンリニューアルが考える積立金不足時の見積・工事範囲整理

修繕積立金だけで足りないときは、借入・一時金・計画見直しのどれかを急いで選ぶ前に、足場計画、外壁補修、防水、鉄部、下地補修、実数清算、住民説明まで分けて確認することが大切です。

ワンリニューアルでは、足場施工会社を母体とする視点から、足場材の自社保有、足場職人の自社在籍、足場職人経験のある営業による提案段階からの確認を重視しています。工事費だけで判断するのではなく、始まってから無理が出ない足場計画・工事範囲になっているかを確認することが大切です。

積立金不足を金額だけで判断せず、工事範囲と足場条件を分けて見ることで、借入、一時金、積立額見直し、段階実施の比較がしやすくなります。足場費用、下地補修、実数清算は、不足額や追加判断に影響しやすい項目です。自社足場や自社職人という要素だけで判断するのではなく、見積内容、工事範囲、現場条件、説明資料が整っているかを見ることが大切です。

 

まとめ:積立金だけで足りないときは、選択肢を比較できる形に整理する

修繕積立金だけで足りない場合、すぐに借入・一時金・工事範囲見直しを決めるのではなく、現在の残高、今回の見積、不足額、工事後残高、次回修繕への影響を確認します。

選択肢には、借入、一時金、積立額見直し、工事範囲見直し、段階実施、再見積、長期修繕計画更新などがあります。借入は返済計画、一時金は住民負担、積立額見直しは次回修繕、段階実施は再足場や将来費用を確認します。

工事範囲を見直す場合は、削減ではなく優先順位の整理として考えます。住民説明では、結論より先に判断材料と比較表を示すことが大切です。修繕積立金だけで大規模修繕費が足りない場合は、見積内容や工事範囲、資金計画を整理したうえで相談できます。

 

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