大規模修繕は雨の日も工事する?塗装・防水・乾燥時間と施工中止・再開の判断ポイント

『大規模修繕は雨の日も工事する?塗装・防水・乾燥時間と施工中止・再開の判断ポイント』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕は、雨が降っているから工事全体を必ず中止するわけではありません。雨の影響を受けにくい作業や、施工条件を満たしている工程を進める場合もあります。
一方、外壁塗装・防水・シーリングなどは、使用材料、施工面の状態、乾燥・硬化に必要な条件等によって施工を見合わせる場合があります。
重要なのは「今日は雨か晴れか」だけではなく、その工事に必要な施工条件を満たし、施工後まで含めて工程を成立させられるかです。
雨天時の判断は、現場全体を
「工事する/しない」
の二択にするのではなく、
工種ごとに判断します。
目次
- 雨の日は大規模修繕の工事が全部止まる?
- 外壁塗装は雨の日に施工できる?
- 屋上・バルコニーの防水工事は雨の日にできる?
- シーリング工事も雨天時は施工条件を見る
- 雨天時の施工は「作業中」だけ見ても判断できない
- 雨が止んだあと、すぐ塗装・防水を再開できるとは限らない
- 高圧洗浄後も「翌日なら施工できる」とは一律に決めない
- 「乾いたように見える」と「次工程へ進める」は同じではない
- 施工中に雨が降った場合は「続けたか・止めたか」だけ見ない
- 天気予報が雨なら、その日の工事は中止?
- 晴れていても強風なら作業を見合わせることがある?
- 雨天中止の日は何を記録しておく?
- 雨天中止があれば、その日数分だけ工期が延びる?
- 雨天で工期が延びると追加費用が発生する?
- 管理組合が確認するのは「雨の日だったか」ではなく施工記録
- まとめ|大規模修繕は「雨か晴れか」ではなく施工条件で判断する
- 大規模修繕と雨天工事に関するよくある質問
雨の日は大規模修繕の工事が全部止まる?
雨の日でも、大規模修繕のすべての作業が止まるとは限りません。雨の影響を受けやすい施工を見合わせながら、条件を確認して別の作業を行うことがあります。
大規模修繕では、一日の中でも複数の業務が動いています。
- 外壁補修
- 塗装
- 防水
- シーリング
- 設備工事
- 検査
- 材料確認
- 工程管理
- 住民対応
そのため、塗装等を中止したとしても、現場全体が何もしていないとは限りません。
雨の日の現場を2つに分けて考える
降雨、施工面の濡れ、乾燥・硬化条件等を確認し、必要に応じて中止・延期を検討します。
施工場所・作業内容・安全条件等を確認し、実施できる作業を進める場合があります。
「雨なのに職人がいるからおかしい」「雨なので全員休むはず」と、現場の見た目だけで判断しないことが重要です。
外壁塗装は雨の日に施工できる?
外壁塗装の施工可否は、降雨だけでなく、使用塗料・施工面の状態・気温・湿度・施工後の乾燥条件等を確認して判断します。雨が降っている状態や施工面が濡れている状態では、施工を見合わせる場合があります。
「雨の日は塗装できるか」という質問に対して、すべての材料に共通する一つの数字で答えることはできません。
確認するのは、たとえば次のような条件です。
- 実際に使用する塗料
- 施工面の状態
- 降雨の有無
- 気温・湿度
- 施工場所
- 施工後に必要な乾燥時間
- この後の天候
- メーカーの施工仕様・施工要領
「湿度○%以上ならすべて施工不可」「気温○℃以下ならすべての塗料が使えない」などとは一律に考えません。実際に使用する製品のメーカー資料・仕様書等を確認します。
外壁塗装の仕様・工事内容については、大規模修繕の外壁塗装|塗料仕様・下地補修・色・見積の確認ポイントをご覧ください。
屋上・バルコニーの防水工事は雨の日にできる?
防水工事も、工法・使用材料・下地状態・施工工程・施工後の硬化条件等によって施工可否が変わります。雨が止んだことだけを理由に、すぐ施工できるとは限りません。
防水工事では、施工する時点の天候だけでなく、下地や施工面の状態が重要になります。
表面に雨が落ちていなくても、施工面に水分が残っている場合や、次工程へ進める状態に達していない場合があります。
また、施工後に必要な硬化・養生時間を確保できるかも確認します。
防水工事全般については、大規模修繕の防水工事とは?対象部位・工事内容・費用・見積の確認ポイント、屋上防水については、大規模修繕の屋上防水はいつ必要?全面改修か部分補修かの判断基準をご確認ください。
シーリング工事も雨天時は施工条件を見る
シーリング工事も「雨なら絶対に施工できない」という一文だけでは判断できません。施工面・目地の状態・使用材料・施工環境・施工後の養生条件等を確認します。
シーリングは外壁目地やサッシ周辺等へ施工するため、天候に加えて施工する場所の状態も関係します。
判断するときは、
- 目地・施工面の状態
- 使用材料
- 施工場所
- 施工中の降雨影響
- 施工後に必要な養生
- メーカーの施工要領
を確認します。
シーリング工事全体については、大規模修繕のシーリング工事|打ち替え・増し打ち・サッシ周りの確認をご覧ください。
雨天時の施工は「作業中」だけ見ても判断できない
雨天時の施工判断では、材料を施工している瞬間だけでなく、施工前・施工中・施工直後・次工程へ進むまでの4つの時間を確認します。「今、雨が降っていない」だけでは足りません。
「雨か晴れか」から一段深く見ます。
施工を始められるかだけではなく、その工程を最後まで成立させられるかという時間軸で考えます。
施工条件を見る4つの時間
- 雨が降っているか
- 施工面は濡れていないか
- 下地は施工可能な状態か
- この後の天候はどうか
- 施工面へ雨水が入る可能性はないか
- 材料施工へ支障がないか
- 風等を含め安全に作業できるか
- 乾燥・硬化中に降雨の影響を受けないか
- 必要な養生ができるか
- 施工した範囲を保護できるか
- 必要な乾燥・硬化状態に達しているか
- 次の材料・工程へ移れる状態か
- 検査・確認が必要な場合は完了しているか
その作業を施工し、必要な乾燥・硬化・養生を経て、次工程へ進める状態まで確保できるかを確認することが重要です。
雨が止んだあと、すぐ塗装・防水を再開できるとは限らない
雨が止んだからといって、すぐ塗装・防水等を再開できるとは限りません。施工面・下地の乾燥状態、残水、使用材料、今後の天候等を確認して再開を判断します。
晴れているのに職人が対象箇所で作業していないと、「なぜ再開しないのか」と感じることがあります。
しかし、雨が止んだことと施工面が乾いたことは同じではありません。
再開時に見るのは、
- 施工面の状態
- 下地の状態
- 水分・残水等の状況
- 使用材料の施工条件
- 乾燥・硬化条件
- この後の天候
です。
逆に、雨が止んだ後に施工しているからといって、その事実だけで施工不良と判断することもできません。
見るべきなのは「晴れたかどうか」ではなく、再開時に必要な施工条件を確認したかどうかです。
高圧洗浄後も「翌日なら施工できる」とは一律に決めない
高圧洗浄後の次工程は、「翌日になったから施工できる」「○日経たないと施工できない」と日数だけで一律には決めません。施工面・下地・天候・使用材料等を確認して次工程へ進みます。
高圧洗浄では、意図的に外壁等へ水を使用します。
そのため、その後に塗装等へ進む際は経過日数だけでなく、施工面が次工程へ進める状態かを確認する必要があります。
建物の条件、天候、下地、材料等によって確認内容は変わります。
「高圧洗浄後は必ず○日乾燥」という全国一律の固定ルールとして扱わないことが重要です。
「乾いたように見える」と「次工程へ進める」は同じではない
表面が乾いて見えること、材料が乾燥していること、必要な硬化状態に達していること、次工程へ進めることは同じ意味ではありません。使用材料ごとの施工条件を確認します。
大規模修繕で使われる材料には、それぞれ施工後に必要となる時間や条件があります。
混同しないようにしたいのは、次のような状態です。
- 表面が乾いて見える
- 材料が所定の状態まで乾燥している
- 硬化が進んでいる
- 次工程を施工できる
- 必要な養生期間が終了している
これらを同じものとして扱わず、実際に使用した材料のメーカー仕様や施工要領等と照合します。
管理組合が乾燥時間・硬化時間を技術的に判定する必要はありません。施工会社から、「何を基準に次工程へ進んだのか」を説明できる状態にしてもらうことが重要です。
施工中に雨が降った場合は「続けたか・止めたか」だけ見ない
施工途中で雨が降った場合は、どの工程まで進んでいたのか、施工済み部分が雨の影響を受けた可能性があるか、その後どのように確認したかを見ます。
施工途中で雨が降った場合の確認の流れ
管理組合が見るべきなのは、「雨なのに作業していた」という一場面だけではありません。
施工前・施工中・施工後の記録まで見て、どのような判断が行われたのかを確認します。
工事写真・施工記録については、大規模修繕の工事写真は何を残す?施工記録・作業日報の確認方法、次工程へ進む前の確認については、大規模修繕の工程間検査に関する記事も参考にしてください。
天気予報が雨なら、その日の工事は中止?
天気予報は施工判断の重要な材料の一つですが、予報だけですべての作業を一律に中止・実施するとは限りません。実際の施工時間帯、工種、施工場所、現場状況、材料条件等を合わせて判断します。
天気予報と現場確認は、同じ役割ではありません。
予報と現場は役割が違う
この先の降雨等のリスクを考える材料
現在、施工面や周辺が施工可能な状態か確認
その材料に必要な施工・乾燥・硬化条件を確認
中止・延期した場合の後工程への影響を確認
たとえば午後から雨の予報がある場合でも、午前中の作業がすべて同じ判断になるとは限りません。
施工後に乾燥・硬化時間を必要とする工事であれば、「作業時間中に雨が降らないか」だけでなく、「施工後の必要時間まで確保できるか」を見る必要があります。
晴れていても強風なら作業を見合わせることがある?
高所作業や足場上の作業では、降雨だけでなく風等の安全条件が施工可否に関係する場合があります。晴天だから必ずすべての作業を行えるとは限りません。
大規模修繕では足場上で行う作業も多いため、天候を見るときは「雨」だけに限定しません。
実際の判断は、
- 施工計画
- 作業内容
- 現場条件
- 安全管理上の条件
- 関係法令・基準等
に基づいて施工会社が行います。
この記事では、すべての工事へ適用する一律の風速数値は設定しません。
大規模修繕中の安全管理全般については、マンション大規模修繕の安全管理に関する記事も参考にしてください。
居住者から見える現場と、実際の施工判断は同じとは限らない
「雨なのに職人がいる」
雨の影響を受けにくい別作業や、条件を確認できる業務を行っている可能性があります。
「晴れたのに作業していない」
施工面の乾燥状態や、材料の施工・硬化条件を確認している可能性があります。
「途中で急に作業が止まった」
降雨・風・施工面・材料条件等を再確認している可能性があります。
これは特定の現場を説明したものではありません。同じ見た目でも施工判断の背景には複数の可能性があるため、実際の現場では記録と施工会社の説明を確認します。
雨天中止の日は何を記録しておく?
雨天時は「何日休んだか」だけでなく、どの工事を予定し、何を実施・中止し、どの条件で再開するのかを記録しておくと工程変更の理由を説明しやすくなります。
施工会社を監視するための記録ではありません。
工事後に、
- なぜその日は施工したのか
- なぜ施工を見合わせたのか
- どこまで施工済みだったのか
- いつ再開したのか
- 工程へどのような影響が出たのか
を確認できる状態にすることが目的です。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 日付 | 施工区画 | 予定工事 | 実施状況 | 判断理由 | 再開条件・工程影響 |
|---|---|---|---|---|---|
| 実際の日付 | 施工場所を記録 | 予定していた工事項目 | 実施/中止/一部実施 | 天候・施工面・材料・安全条件等 | 再開時に確認すること・工程変更等 |
必要に応じて、施工済み範囲、住民案内の有無等も作業日報や工程管理資料へ残します。
なぜその判断をしたのか、再開時に何を確認したのかまで追える記録があると、工程変更や品質に関する説明がしやすくなります。
大規模修繕では、工事内容だけでなく、天候や施工条件による工程変更まで含めて計画する必要があります。
塗装・防水・外壁補修の施工条件や工程を建物ごとに整理したい場合は、見積・施工計画と合わせて確認します。
雨天中止があれば、その日数分だけ工期が延びる?
雨天で一部の作業を中止しても、中止日数と工期延長日数が必ず1対1になるとは限りません。他工種への振替、施工区画の変更、予備日、工程の組み替え等を含めて完成予定への影響を確認します。
たとえば雨天で予定していた工事ができなかったとしても、別区画や別工程へ作業を振り替えられる場合があります。
反対に、後続工程との関係によっては、一日の中止がその後の工程へ影響する場合もあります。
そのため、
「雨が5日あった=工期が5日延びる」
というような単純計算では判断しません。
工期延長全体については、別記事「大規模修繕で工期が延びるのはなぜ?天候・追加工事・工程変更と管理組合が確認したい対応」で詳しく確認してください。
雨天で工期が延びると追加費用が発生する?
雨天による工期変更があったからといって、必ず追加費用が発生するとも、追加費用が一切発生しないとも一律には判断できません。契約条件・仮設期間・現場管理・変更内容等を確認します。
追加費用を確認するときは、雨の日数だけを見るのではなく、実際に何が変わったのかを整理します。
- 当初の契約工期
- 仮設設備の使用期間
- 現場管理期間
- 工程の組み替え内容
- 追加手配の有無
- 変更契約の有無
- 契約上の取り扱い
を確認します。
変更契約については、大規模修繕の変更契約に関する記事、追加工事については、大規模修繕で追加工事が発生したら?費用・見積変更・管理組合の承認で確認すべきポイントをご覧ください。
管理組合が確認するのは「雨の日だったか」ではなく施工記録
管理組合が天候だけから施工品質を判定する必要はありません。作業日報・工事写真・使用材料・施工条件・検査記録等を確認し、施工判断と品質管理が記録されているかを見ます。
雨の日に施工したという一つの事実だけでは、品質上問題があるかどうかは分かりません。
確認したいのは、
- 作業日報
- 工事写真
- 施工区画
- 使用材料
- 施工条件の確認内容
- 検査記録
- 必要な場合の是正記録
です。
工事写真・作業記録については、大規模修繕の工事写真は何を残す?施工記録・作業日報の確認方法、工程間検査については、大規模修繕の工程間検査に関する記事をご覧ください。
不適合や是正が必要になった場合の記録については、大規模修繕の不適合・是正に関する記事も参考にしてください。
雨の日に工事していたら確認する5問
この5問で、「雨だからダメ」「晴れだから大丈夫」という二択から離れ、実際の施工条件と記録を見ることができます。
ワンリニューアルでは「雨だったか」だけで施工品質を判断しません
大規模修繕では、塗装・防水・シーリング等それぞれに施工条件があり、作業開始時だけでなく施工後の乾燥・硬化まで含めて工程を考える必要があります。
ワンリニューアルでは、工種・使用材料・施工面・天候・施工後の条件・判断記録をつなげ、「なぜ施工したのか」「なぜ中止したのか」「いつ再開したのか」を確認できる状態にすることを重視しています。
まとめ|大規模修繕は「雨か晴れか」ではなく施工条件で判断する
マンション大規模修繕では、
雨が降った
↓
工事全部中止
でも、
雨が止んだ
↓
すぐ工事再開
でもありません。
実際には、次のように確認します。
管理組合が専門的な施工可否を自ら判定する必要はありません。
重要なのは、施工会社が、
- なぜ今日は施工したのか
- なぜ今日は施工を止めたのか
- どの条件を確認して再開したのか
を、施工条件と記録に基づいて説明できる状態にすることです。
見るべきなのは天気そのものではなく、その工事が成立する施工条件です。
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大規模修繕と雨天工事に関するよくある質問
Q.大規模修繕は雨の日でも工事しますか?
A.雨の日でも大規模修繕のすべての作業が中止になるとは限りません。工事項目、施工場所、使用材料、施工面の状態、乾燥・硬化条件等を確認し、作業ごとに実施・中止を判断します。
Q.雨の日に外壁塗装をしても大丈夫ですか?
A.外壁塗装の施工可否は、降雨だけでなく使用塗料、施工面、気温・湿度、施工後の乾燥条件等を確認して判断します。実際に使用する塗料のメーカー仕様や施工条件を確認することが重要です。
Q.雨が止んだらすぐ防水工事を再開できますか?
A.雨が止んだからといって、すぐ施工できるとは限りません。下地や施工面の乾燥状態、使用材料、施工後の硬化条件等を確認したうえで再開を判断します。
Q.雨で工事が中止になると工期は延びますか?
A.雨天中止の日数と工期延長日数が必ず同じになるわけではありません。他工程への振替、施工区画の変更、予備日等を含めて工程を再調整し、完成予定への影響を確認します。
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