50~70戸マンションの大規模修繕と設備更新は同時に行う?給排水・照明・インターホンなどの判断ポイント

『50~70戸マンションの大規模修繕と設備更新は同時に行う?給排水・照明・インターホンなどの判断ポイント』
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50~70戸程度のマンションで大規模修繕を計画するとき、給排水設備や共用照明、インターホンなども同じ時期に更新すべきか迷う管理組合は少なくありません。建築工事と設備工事は、同じマンションの修繕でも確認すべき状態や施工条件が異なります。
設備更新を同時に行うか考えるときは、次の5項目を確認します。
- ① 設備の現在状態
- ② 前回更新時期・修繕履歴
- ③ 長期修繕計画上の更新時期
- ④ 大規模修繕との工事上の関連性
- ⑤ 修繕積立金・将来収支
目次
- 大規模修繕と設備更新は同時に行うべき?
- 大規模修繕と設備更新は何が違う?
- 大規模修繕と一緒に確認したい主な共用設備
- 設備更新は築年数だけで決めない
- 長期修繕計画で設備更新時期を確認する
- 大規模修繕と設備更新を同時に行うメリット
- 設備更新を別時期にした方がよい場合
- 「一緒に工事すれば安い」は本当?
- 給排水設備は大規模修繕と同時に更新する?
- インターホンや共用設備も同じタイミングで交換する?
- 設備更新を同時に行うと工期はどうなる?
- 住民生活への影響も確認する
- 設備更新費は大規模修繕費と分けて確認する
- 施工会社は同じ会社へ依頼した方がよい?
- 50~70戸マンションで設備更新の優先順位を整理する
- 今回更新しなかった設備も記録しておく
- 50~70戸マンションで大規模修繕と設備更新を検討する流れ
- 大規模修繕と設備更新に関するよくある質問
- 設備状態と将来収支を確認して実施時期を分ける
大規模修繕と設備更新は同時に行うべき?
大規模修繕と設備更新は、必ず同時に行うものではありません。設備の状態や更新時期を確認し、今回の建築工事と一緒に行う合理性があるものだけを工事候補として整理します。
外壁や防水の改修時期が来ていても、すべての共用設備が同時に更新時期を迎えるとは限りません。反対に、大規模修繕の数年後にまとまった設備更新が予定されている場合は、今回工事後の修繕積立金残高や住民負担まで確認する必要があります。
判断は「一緒に行う・行わない」の二択だけではありません。今回同時に更新する設備、今回詳しく調査する設備、別時期に計画する設備、不具合時に個別対応する設備へ分けると、工事範囲と将来計画を整理しやすくなります。
大規模修繕と設備更新は何が違う?
大規模修繕では外壁、防水、シーリング、鉄部などの建築系工事が中心になりやすい一方、設備更新では給排水、電気、通信、各種機器などを対象にします。工事範囲はマンションごとに異なりますが、更新判断の基準が同じではない点が重要です。
- 外壁下地・タイル
- 屋上・バルコニー等の防水
- シーリング
- 鉄部・外壁等の塗装
- 給水・排水設備
- ポンプ類
- 共用照明・電気設備
- インターホン・オートロック等
建築部分と設備では、劣化の現れ方、調査方法、使用を続けながら施工できるか、専門業者が必要かといった条件が異なります。大規模修繕の範囲を先に整理したい場合は、50~70戸マンションの大規模修繕はどこまで工事する?対象範囲・優先順位・予算の決め方をご確認ください。
大規模修繕と一緒に確認したい主な共用設備
大規模修繕の計画時には、建築部分だけでなく、長期修繕計画に記載されている共用設備の更新予定も確認します。代表的な設備は次のとおりです。
- 給水設備:給水管、受水槽、高置水槽、給水ポンプなど、マンションの給水方式に応じた設備
- 排水設備:共用排水管、排水ポンプ、屋外排水設備など
- ポンプ類:給排水設備等に使用され、点検や修理履歴を確認したい機器
- 共用照明・電気設備:廊下、階段、エントランス、外構等の照明や関連設備
- インターホン・オートロック:住戸親機、共用玄関機、制御機器などで構成される設備
- その他の共用設備:マンションの仕様に応じて設置されている機械・電気・通信設備
50~70戸という戸数だけで、設置設備や更新対象が決まるわけではありません。建物階数、給排水方式、過去の改修、共用設備の構成を資料と現地で確認します。法定点検等の対象設備は、大規模修繕とは別の点検・管理体系も踏まえて扱います。
設備更新は築年数だけで決めない
設備の更新時期は、築年数や設置からの年数だけで決めるものではありません。同じ時期に設置された設備でも、使用環境、保守状況、修理の回数、部品の供給状況などによって対応は変わります。
- 使用開始からの年数と前回更新時期
- 現在確認されている劣化や不具合
- 故障、漏水、修理、部品交換等の履歴
- 交換部品や保守対応の継続状況
- 点検・調査で確認された状態
- 更新まで継続使用する場合の維持管理方法
更新目安は検討の入口になりますが、「該当年になったから交換」「まだ年数が短いから問題ない」と機械的に判断しないことが大切です。設備資料、修繕履歴、点検結果、専門会社の調査等を組み合わせます。
長期修繕計画で設備更新時期を確認する
長期修繕計画では、大規模修繕と給排水設備、ポンプ、電気・通信設備等の更新予定が、どの時期に配置されているかを確認します。複数の大きな工事が近い時期に重なっている場合は、今回の工事費だけでなく、その後の支出まで見る必要があります。
ただし、長期修繕計画に記載された年は、設備状態を問わず必ず交換する期限ではありません。計画作成時の想定と現在の状態を照合し、実施時期、調査時期、概算費用を見直します。
50~70戸マンションの現在の資金状態を確認する場合は、50~70戸マンションの修繕積立金はいくら必要?大規模修繕に向けて管理組合が確認すべき資金計画をご覧ください。工事後を含む収支の見直しは、50~70戸マンションの修繕積立金はいつ見直す?大規模修繕前に確認する収支・不足リスク・合意形成へつなげて考えます。
大規模修繕と設備更新を同時に行うメリット
同時施工に工事上の関連性がある場合は、管理組合内の検討時期を合わせ、住民への説明や工程を一体的に整理できる可能性があります。工事項目によっては、共通する仮設や共用部分の作業時期を調整できる場合もあります。
- 大規模修繕と設備更新の検討・決議時期を整理しやすい
- 工事予定や生活上の注意をまとめて周知できる場合がある
- 関連する仮設、仕上げ復旧、共用部分作業を調整できる可能性がある
- 数年内に予定される工事回数や住民対応を整理できる場合がある
これらは工事条件が重なる場合のメリットです。建築工事と設備工事で施工体制や作業範囲が分かれる場合もあるため、同時施工という理由だけで有利になるとは限りません。
設備更新を別時期にした方がよい場合
設備の状態に問題がなく、予定更新時期が先である場合や、今回の大規模修繕との関連性が少ない場合は、別時期の更新が候補になります。調査が不足している段階では、交換を決めず、今回調査して判断材料をそろえる方法もあります。
- 点検・調査上、継続使用を検討できる状態にある
- 大規模修繕と設備工事で仮設や作業場所がほとんど重ならない
- 設備仕様や更新方法の比較に追加調査が必要
- 専門工事として別の計画・施工体制を組む必要がある
- 今回工事と同時に行うと資金計画や住民負担が過度に集中する
ただし、必要性が高い設備更新を、資金だけを理由に先送りすることは避けます。安全性や生活への影響がある場合は、状態を把握したうえで、工事範囲、時期、資金対応を管理組合で検討してください。
「一緒に工事すれば安い」は本当?
大規模修繕と設備更新を一緒に行ったときの費用効果は、工事項目と施工条件によって異なります。共通する仮設や復旧工事がある場合は、一部の費用や工程を調整できる可能性があります。
一方、給排水、電気、通信等が独立した専門工事になり、別の施工班、資材、調査、住民対応が必要であれば、同じ時期に発注しても費用が下がるとは限りません。比較時には、工事範囲、仮設、専門業者、工期、仕上げ復旧、住民対応を項目別に確認します。
給排水設備は大規模修繕と同時に更新する?
給排水設備を同時に更新するかは、配管材、劣化状態、漏水や詰まり等の履歴、過去の部分補修、調査結果、長期修繕計画上の予定から判断します。大規模修繕の実施時期だけを理由に、給水管や排水管の交換を決めるものではありません。
また、「給排水設備」と一括りにせず、給水管、排水管、ポンプ、水槽など、設備の構成と対象範囲を分けて確認します。住戸内へつながる配管を含むか、共用部分のみかによっても調査方法や住民への影響が変わります。
本記事では同時施工の計画判断を扱います。給水管そのものの交換時期を検討する場合は、配管材、漏水・赤水・水圧、修理履歴、調査結果などを個別に確認してください。
インターホンや共用設備も同じタイミングで交換する?
インターホン、オートロック、共用照明なども、大規模修繕の時期だけで交換を決めません。現在の使用状態、不具合履歴、保守対応、部品供給、機器同士の接続、長期修繕計画上の更新予定を確認します。
インターホンは住戸内機器を含むシステムとして構成される場合があり、共用照明は器具交換だけでなく配線や制御の確認が必要になる場合があります。どこまでを更新対象とするのか、住戸内作業や一時停止があるのかを、設備ごとに整理してください。
設備更新を同時に行うと工期はどうなる?
設備工事を追加しても、大規模修繕の全工程が同じ割合で長くなるとは限りません。建築工事と並行できる作業もあれば、足場、共用部、仕上げ復旧、検査の順序を調整しなければならない作業もあります。
工程表では、設備工事の開始・完了時期だけでなく、停水等の使用制限、住戸内作業、共用部分の通行制限、施工会社間の調整、検査・引渡しの関係を確認します。大規模修繕全体の工程は、50~70戸マンションの大規模修繕工期はどれくらい?工程・建物条件・住民生活への影響から期間を整理も参考にしてください。
住民生活への影響も確認する
設備更新では、工事項目によって停水、共用設備の停止、住戸内作業、通行制限、騒音などが発生する場合があります。すべての設備工事で同じ制限が生じるわけではないため、設備別・日程別に確認します。
大規模修繕と同時に行う場合は、足場やバルコニー工事など建築工事側の生活制限と、設備工事側の使用制限を一つの予定として整理します。住民が「いつ、何が使えず、何を準備するのか」を理解できる伝え方が必要です。
工事中の洗濯、窓、騒音、バルコニー利用等は、50~70戸マンションの大規模修繕中はどう生活する?洗濯・窓・騒音・バルコニー利用の注意点で詳しく整理しています。
設備更新費は大規模修繕費と分けて確認する
予算を検討するときは、大規模修繕費と設備更新費を一つの総額だけで見ないことが重要です。建築系修繕費、設備更新費、予備費、工事後の修繕積立金残高、今後予定される工事を分けて整理します。
設備工事を今回含める場合は、どの設備にいくら必要か、見積対象外や未確定項目は何かを確認します。別時期にする場合も、その費用が消えるわけではないため、予定時期と概算額を将来収支へ残します。
50~70戸マンションの工事費全体は、50~70戸マンションの大規模修繕費用はどう考える?戸数・延べ面積・工事項目・修繕積立金から予算を整理をご確認ください。
施工会社は同じ会社へ依頼した方がよい?
建築工事と設備工事を同じ会社へまとめる方法と、設備工事を専門会社へ別途発注する方法の両方が考えられます。どちらが適するかは、設備の専門性、施工体制、管理組合の発注方式、工程管理、責任分担によって変わります。
同じ会社が取りまとめる場合は、実際に設備工事を担当する専門業者、現場の指示系統、見積内訳、保証と問い合わせ窓口を確認します。別途発注する場合は、建築工事との工程調整、共用部分の使用、仕上げ復旧、責任範囲を明確にします。
施工会社を比較する基本は、50~70戸マンションの大規模修繕で施工会社をどう選ぶ?管理組合が比較すべき実績・見積・現場体制も参考にしてください。
50~70戸マンションで設備更新の優先順位を整理する
設備ごとの判断を同時施工の可否だけで終わらせず、次の4分類に整理します。どの設備をどこへ分類するかは、劣化状態、更新履歴、故障リスク、大規模修繕との関連性、住民生活、資金計画をもとに決めます。
更新の必要性が確認され、大規模修繕と工程・仮設・復旧等を調整する合理性がある設備。
現時点では判断材料が不足しており、調査や方式比較、概算費用の整理を先に行う設備。
更新予定を将来へ置き、実施時期、必要資金、次回確認時期を長期修繕計画へ残す設備。
点検や日常管理を続け、不具合等が確認されたときの連絡先と対応方法を整理する設備。
Aを増やすことが目的ではありません。必要性が高い設備を見落とさず、今回実施しない設備も、次に誰がいつ確認するかまで決めることが重要です。
建物状態、設備状態、更新履歴、工事時期、修繕積立金を並べることで、今回同時に実施する設備と、調査・別時期・個別対応とする設備を整理しやすくなります。まとめて更新することを目的にせず、マンションごとの優先順位を確認しましょう。
今回更新しなかった設備も記録しておく
今回の大規模修繕で更新しなかった設備も、「対象外」と記載して終わりにしません。設備名、現在の状態、前回の更新・修理時期、調査結果、継続使用の前提、次回確認予定、将来の更新予定を記録します。
記録が残っていれば、次期理事会が判断の経緯を確認でき、長期修繕計画の見直しにも反映できます。今回更新した設備については最終仕様、施工範囲、保証等を、更新しなかった設備については今後の確認事項を、同じ修繕履歴の中で整理してください。
50~70戸マンションで大規模修繕と設備更新を検討する流れ
大規模修繕と設備更新は、工事をまとめるかどうかから考えるのではなく、長期修繕計画と現在の状態を確認するところから始めます。
- 長期修繕計画を確認:大規模修繕と各設備の予定時期・概算費用を確認する
- 修繕履歴を整理:前回更新、故障、修理、部品交換等の記録を確認する
- 建物・設備状態を確認:診断、点検、調査から現在の状態を把握する
- 工事上の関連性を確認:仮設、施工場所、復旧、専門業者、工程の重なりを見る
- 4分類へ整理:今回実施、今回調査、別時期更新、個別対応に分ける
- 費用・資金を確認:設備別費用、予備費、工事後残高、将来支出を確認する
- 工程・住民影響を確認:停水、設備停止、住戸内作業、通行制限等を整理する
- 管理組合で判断:工事範囲、発注方法、予算、説明内容を決定する
- 計画と履歴へ反映:今回実施した内容と将来へ残した設備を引き継ぐ
大規模修繕全体の準備と進め方から確認したい場合は、50~70戸マンションの大規模修繕とは?管理組合が最初に確認すべき費用・工事内容・進め方をご覧ください。建築部分の状態確認は、大規模修繕の建物診断とは?管理組合が工事前に確認すべき劣化状況と判断ポイントで整理しています。
大規模修繕と設備更新に関するよくある質問
必ず一緒に交換するものではありません。設備の状態、更新履歴、予定時期、今回工事との関連性、資金、住民生活への影響を確認して判断します。
配管材、劣化、漏水・修理履歴、過去の補修、調査結果、長期修繕計画上の予定によって判断します。大規模修繕の時期だけでは決められません。
仮設や復旧等の条件が重なる場合は調整できる可能性がありますが、独立した専門工事では費用が下がるとは限りません。同じ工事範囲と条件で比較します。
築年数だけでなく、使用年数、劣化状態、故障・修理履歴、部品供給、保守状況、点検・調査結果等を確認します。
現在の使用状態、不具合履歴、保守、部品供給、システム構成、将来の更新予定から判断します。大規模修繕と同時にする場合は住戸内作業等も確認します。
長期修繕計画、予算、管理規約、工事内容、資金の区分等によって確認が必要です。管理会社や会計担当等と資料を照合し、必要な承認手続きを整理してください。
施工会社が専門業者を含めて取りまとめる場合と、管理組合が別途専門会社へ発注する場合があります。施工体制、責任範囲、見積、工程管理、保証を確認します。
設備名、現在状態、前回更新・修理時期、調査結果、継続使用の前提、次回確認時期、将来の更新予定を修繕履歴として残します。
設備状態と将来収支を確認して実施時期を分ける
50~70戸マンションで大規模修繕と設備更新を検討するときは、「一緒に行えば効率的」という考えだけで工事をまとめません。設備ごとの現在状態、更新履歴、長期修繕計画上の時期、大規模修繕との関連性、住民生活への影響を確認します。
そのうえで、今回同時に更新するもの、今回調査するもの、別時期に更新するもの、不具合時に個別対応するものへ分類します。今回実施しない設備も予定と判断根拠を記録し、工事後の修繕積立金と将来収支へ反映することが重要です。
大規模修繕全体の工事内容や費用、進め方は、大規模修繕工事とは?工事内容・費用・成功のポイントを徹底解説もあわせてご確認ください。
設備更新を一律にまとめるのではなく、状態、履歴、更新時期、工事上の関連性、資金、住民への影響を確認し、今回実施するものと将来へ計画的に残すものを分けましょう。
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