大規模修繕で施工不良が見つかったら?不具合・瑕疵・是正の確認手順

『大規模修繕で施工不良が見つかったら?不具合・瑕疵・是正の確認手順』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕の施工中、竣工検査、引渡し後の点検では、塗膜の剥がれ、シーリングの切れ、防水端部の浮き、漏水跡など、気になる症状が見つかることがあります。ただし、症状が見えた時点では、施工方法に原因があるのか、施工前からの既存状態なのか、契約範囲外なのか、周辺工種の影響なのかは確定していません。
大切なのは、口頭で「施工不良ではないか」と伝えるだけで終わらせず、位置・症状・発見日・施工範囲・契約仕様・施工記録を分けて整理することです。施工会社等へ事実確認を求め、是正方法、対象範囲、回答期限、再検査方法まで記録しておくと、管理組合やオーナー側の判断材料がそろいます。
先に行うことは、施工不良や瑕疵の断定ではなく、事実と証拠の登録です。
ワンリニューアルでは、不具合を件数や写真だけで管理しません。建物を棟・立面・階・工種・区画に分け、同じ位置番号を図面、写真、契約仕様、施工会社の回答、是正施工、再検査、保証確認へ引き継ぎます。
目次
- 大規模修繕の施工不良とは
- 不具合・施工不良・瑕疵を分ける
- 不具合が見つかった直後に行うこと
- 施工不良が疑われやすい症状を工種別に整理する
- 原因を6区分で確認する
- 契約書・仕様書・施工記録と照合する
- ワンリニューアル独自|状態を7区分で管理する
- ワンリニューアル独自|不具合位置へ共通番号を付ける
- 写真は全景・中景・近景で残す
- 施工会社等へ確認する内容
- 是正工事の計画で確認すること
- 仮設足場を解体する前に確認する
- 是正後の再検査と完了判定
- 保証・大規模修繕工事瑕疵保険を確認する
- 施工会社と見解が一致しない場合
- 理事会・総会へ報告する内容
- ワンリニューアル独自|不具合・是正区画台帳
- 大規模修繕の施工不良に関するよくある質問
- まとめ|位置・仕様・是正・再検査を同じ番号で管理する
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大規模修繕の施工不良とは
気になる症状と施工不良は同じではない
ひび割れ、浮き、剥がれ、膨れ、変色、錆、漏水、水跡、排水不良などは、最初に「症状」として記録します。症状だけで施工不良と断定しません。施工方法、材料、下地処理、納まり、施工時期、周辺部の状態を確認してから、施工上の問題が疑われるかを整理します。
施工前からの状態と施工部分を分ける
同じ箇所に異常があっても、施工前から存在した劣化、工事対象外の既存部分、隠れた下地の状態、使用や維持管理の影響が関係する場合があります。施工前写真、事前調査記録、数量表、居住者申告を照合し、今回施工した範囲と既存状態を分けます。
契約範囲と複数工種の取り合いを確認する
外壁の水跡が、塗装だけでなくシーリング、防水、笠木、建具、配管まわりに関係することもあります。見た目に現れた工種だけへ原因を限定せず、周辺部まで確認します。また、気になる箇所が契約書・仕様書・見積内訳書に含まれていたかも別に確認します。
不具合・施工不良・瑕疵を分ける
「不具合」「施工不良」「瑕疵」は同じ段階の言葉ではありません。管理台帳では、症状、技術的な原因候補、契約上の不一致、保証対象、法的責任を分けて記録します。
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| 区分 | 記録する内容 | この時点で断定しないこと |
|---|---|---|
| 気になる症状 | ひび割れ、浮き、漏水、変色など | 原因、責任区分 |
| 不具合 | 機能や仕上がりについて確認が必要な状態 | 施工会社側の責任 |
| 仕様不一致候補 | 契約資料や承認内容との差 | 法的責任、費用負担 |
| 施工不良候補 | 施工方法、手順、材料、下地処理等の問題候補 | 最終原因 |
| 保証対象候補 | 保証書や保険資料との照合対象 | 無償対応の可否 |
| 瑕疵・契約上の問題 | 個別契約と事実関係を踏まえた専門的確認 | 請求可否、損害賠償等 |
大規模修繕の瑕疵や契約上の責任は、契約内容、工事時期、通知時期、施工範囲、保証、保険、損害状況などによって異なります。法的責任は個別条件に応じて、建築士、マンション管理士、弁護士、保険法人等への確認を検討します。
不具合が見つかった直後に行うこと
落下、漏水、通行への支障など安全上の緊急性がある場合は、記録だけを優先せず、施工会社、監理者、管理会社等へ速やかに連絡し、仮養生や立入制限を検討します。そのうえで、触る、剥がす、清掃する、補修する前の状態を残します。
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| 記録項目 | 残す内容 | 確認上の注意 |
|---|---|---|
| 位置 | 棟、面、階、通り、住戸位置、工種、区画番号 | 文章だけでなく図面へ印を付ける |
| 症状 | 見えた状態を客観的に記載 | 原因名や責任名を先に入れない |
| 日時・発見者 | 発見日、時刻、天候、発見者 | 漏水等は降雨との関係も残す |
| 工事段階 | 施工中、工程間検査、竣工検査、引渡し後等 | いつ確認できた状態かを明確にする |
| 写真 | 全景、中景、近景、寸法 | 同じ位置番号を付ける |
| 緊急対応 | 仮養生、立入制限、応急処置 | 本是正と混同しない |
施工不良が疑われやすい症状を工種別に整理する
症状は確認の入口です。次の表では、工種別の代表的な症状と、施工不良と判断する前に追加確認する事項を分けています。
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| 工種 | 気になる症状 | 追加確認事項 |
|---|---|---|
| 外壁塗装 | 剥がれ、膨れ、著しい色むら、塗り残し、飛散 | 下地処理、塗布量、乾燥時間、施工範囲、既存塗膜 |
| シーリング | 切れ、剥離、変形、充填不足と思われる状態 | 目地寸法、撤去範囲、プライマー、接着面、施工時期 |
| 防水 | 膨れ、しわ、端部の浮き、排水不良 | 下地含水、端末処理、立上り、ドレン、設備との取り合い |
| タイル・下地補修 | 浮き、割れ、欠け、目地異常、補修跡 | 調査範囲、補修数量、固定方法、周辺浮き、施工前状態 |
| 鉄部・金物 | 錆、塗り残し、変形、作動不良、干渉 | ケレン、下塗り、固定部、可動部、交換範囲 |
| 屋根・雨樋・笠木 | 浮き、継ぎ目異常、排水不良、漏水跡 | 固定、ジョイント、勾配、防水・外壁との取り合い |
原因を6区分で確認する
一つの症状に複数の原因候補が重なることがあります。早い段階で一つへ限定せず、次の6区分で整理します。
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| 原因区分 | 確認例 | 主な資料 |
|---|---|---|
| 契約仕様・承認内容との不一致 | 工法、材料、色、施工範囲の差 | 契約書、仕様書、承認見本、変更記録 |
| 施工方法・工程・下地処理の問題候補 | 手順、乾燥、処理範囲、納まり | 施工計画書、施工写真、検査記録 |
| 既存下地・隠れた劣化 | 施工前からの亀裂、含水、内部劣化 | 事前調査、施工前写真、追加調査 |
| 材料・製品・設備側の問題候補 | 製品不良、ロット、適合性 | 材料承認書、ロット記録、メーカー資料 |
| 使用・維持管理・第三者損傷 | 物品衝突、清掃、設備使用、改修後の工事 | 管理記録、居住者申告、現地確認 |
| 原因未確定 | 複数工種が関係し追加調査が必要 | 調査計画、関係者見解、経過観察記録 |
契約書・仕様書・施工記録と照合する
契約仕様と施工記録を照合します。完成後の見た目だけでは、下地処理や材料使用など、仕上げ後に見えなくなった工程を確認できません。資料が不足している場合は、不足している事実自体を台帳へ残します。
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| 資料群 | 主な資料 | 照合する内容 |
|---|---|---|
| 契約資料 | 工事請負契約書、見積内訳書、質疑回答書 | 工事範囲、数量、責任分担、変更手続き |
| 設計・仕様資料 | 設計図、仕様書、承認見本、材料承認書 | 工法、材料、色、性能、納まり |
| 施工資料 | 施工計画書、メーカー施工要領、施工前・施工中写真 | 手順、下地処理、使用材料、施工条件 |
| 検査・是正資料 | 工程間検査、自主検査、是正指示、完成写真 | 指摘、対応、再確認、未完了事項 |
| 保証・保険資料 | 保証書、保険付保証明書、保険商品資料 | 対象工種、期間、免責、通知方法 |
資料間で内容が異なるときは、どの資料が契約上優先されるかを確認します。追加変更工事と施工不良候補も分け、費用負担を先に断定しないことが重要です。追加工事の承認方法は、追加工事・実数清算・数量変更の承認方法で詳しく整理しています。
ワンリニューアル独自|状態を7区分で管理する
発見直後から台帳の状態欄へ「施工不良」「瑕疵」と確定表示すると、事実確認と責任判断が混在します。ワンリニューアルでは、進行状況を次の7区分に分けます。
原因未確定の事項を完了扱いにしません。追加調査が必要な区画、施工会社と見解が一致していない区画、経過観察が必要な区画は、未解決内容と次回確認日を残します。
ワンリニューアル独自|不具合位置へ共通番号を付ける
「東面にひび割れ」「屋上に膨れ」といった文章だけでは、写真、図面、是正指示、施工会社回答が別々になりやすくなります。不具合位置へ共通番号を付け、同じ区画を一つの履歴として追える状態にします。
管理番号例
北棟-東面-5階-シーリング-E5-S012
A棟-屋上-立上り-防水-RF-W008
番号は、棟、立面・平面・屋上区分、階・通り、工種、個別連番で構成します。写真番号、是正指示番号、再検査番号にも同じ区画番号を含めると、理事会報告や完成図書への引継ぎが容易になります。
不具合位置・契約資料・是正履歴の整理をご検討中の方へ
施工中の仕上がり、竣工検査の指摘、足場解体前の未確認区画、保証確認に必要な資料を、現在ある図面・写真・契約資料から整理します。症状だけで原因や責任を断定せず、施工会社への照会項目、是正方法、期限、再検査方法を区画ごとに確認します。
写真は全景・中景・近景で残す
写真だけを保存せず、図面と位置番号へ対応させます。是正前後を同じ位置で比較するため、撮影方向と距離をできるだけそろえます。
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| 写真区分 | 目的 | 記録すること |
|---|---|---|
| 全景 | 建物内の位置を示す | 棟、面、階、周辺の目印 |
| 中景 | 周辺部との関係を示す | 目地、開口部、端部、設備、隣接工種 |
| 近景 | 症状を示す | ひび割れ幅、剥離、膨れ、変色等 |
| 寸法写真 | 大きさを示す | スケール、測定位置、測定方法 |
| 工程写真 | 見えなくなる工程を残す | 施工前、是正前、施工中、是正後 |
施工会社等へ確認する内容
施工会社の回答・是正方法・期限を記録します。窓口は契約形態によって異なり、施工会社、監理者、管理会社、管理組合の役割を整理しておく必要があります。発注方式の違いは、責任施工方式と設計監理方式の違いも参照してください。
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| 照会項目 | 確認内容 | 記録方法 |
|---|---|---|
| 現地確認 | 日時、参加者、確認範囲 | 議事録、立会記録 |
| 原因見解 | 想定原因、未確認事項、追加調査 | 報告書、メール |
| 契約仕様との関係 | 対象範囲、材料、工法、変更記録 | 該当資料番号を付記 |
| 同様箇所 | 他区画への水平展開調査 | 調査対象図面 |
| 是正内容 | 方法、範囲、材料、施工日 | 是正計画書 |
| 期限 | 回答期限、是正期限、再検査日 | 台帳と工程表 |
| 保証への影響 | 保証継続、対象外条件、必要手続き | 保証書・回答書 |
口頭回答だけで完了させず、議事録、メール、報告書等へ残します。施工会社と監理者の説明が異なる場合は、区画番号ごとに両者の見解を分けて記録します。
是正工事の計画で確認すること
補修方法は、症状の表面を隠すだけではなく、確認された原因、対象部位、既存仕様、施工条件に対応しているかを見ます。原因が未確定であれば、試験施工や追加調査を先に行うこともあります。
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| 確認項目 | 確認内容 | 完了前に残す資料 |
|---|---|---|
| 是正範囲 | 症状箇所だけか、周辺部まで含むか | 範囲図、数量 |
| 撤去・下地確認 | 既存仕上げの撤去範囲、下地確認時期 | 撤去後写真、立会記録 |
| 材料・工法 | 承認材料、施工要領、色・仕上がり | 材料資料、施工計画 |
| 見えなくなる工程 | 下地処理、プライマー、固定、端末処理 | 施工中写真、工程間検査 |
| 周辺への影響 | 隣接仕上げ、設備、住民動線 | 養生計画、周辺確認写真 |
| 保証条件 | 是正後の保証範囲、開始日、通知方法 | 保証回答、更新書類 |
仮設足場を解体する前に確認する
全面的な外壁修繕では、仮設足場を施工だけの設備として扱いません。外壁全面へ継続して接近し、不具合確認、是正施工、再検査、写真記録を同じ条件で反復するための作業基盤として使用します。
一方で、仮設足場を使用しても、すべての不具合が発見できるわけではありません。建物形状や工事範囲によっては、ゴンドラ、高所作業車、ロープアクセス等を組み合わせる選択肢もあります。確認可能範囲と未確認範囲を明示することが重要です。
足場解体前に未確認・未是正区画を整理します。高所写真、周辺区画への影響、足場撤去時の損傷可能性、解体後の確認方法も記録します。詳しい確認項目は、大規模修繕の足場解体前に確認する項目をご覧ください。
是正後の再検査と完了判定
是正後に再検査を行います。「見た目が直った」「施工会社から完了報告が届いた」という理由だけで完了にせず、対象位置、指示範囲、材料・工法、施工中記録、周辺部、保証条件を確認します。
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| 再検査項目 | 確認内容 | 未完了とする例 |
|---|---|---|
| 位置一致 | 指摘位置と是正位置が同じか | 写真と図面の位置が対応しない |
| 範囲 | 指示した範囲が施工されているか | 一部区画が未施工 |
| 材料・工法 | 説明内容と施工内容が一致するか | 材料記録や工程写真が不足 |
| 周辺部 | 新たな傷、汚れ、干渉がないか | 隣接工種への影響が未確認 |
| 再検査結果 | 合格、再是正、経過観察を区分 | 判定者・判定日が不明 |
| 保証・次回点検 | 条件、通知先、次回確認日 | 保証対象・対象外・未確認が混在 |
大規模修繕の竣工検査から足場解体、引渡しまでの全体手順は、大規模修繕の竣工検査・足場解体前・引渡しの確認手順で確認できます。
保証・大規模修繕工事瑕疵保険を確認する
保証対象・対象外・未確認を分けます。施工保証、材料・メーカー保証、保険は、対象工種、開始日、期間、免責、通知方法、調査費用や是正費用の扱いが異なります。
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| 確認項目 | 確認資料 | 注意点 |
|---|---|---|
| 施工保証 | 工事保証書、契約書 | 対象工種、開始日、免責を確認 |
| 材料・メーカー保証 | 材料保証書、メーカー資料 | 施工条件や維持管理条件を確認 |
| 既存・対象外部分 | 工事範囲図、見積内訳 | 今回施工部分と分ける |
| 通知方法 | 保証書、連絡先一覧 | 期限、窓口、必要書類を確認 |
| 瑕疵保険 | 保険付保証明書、商品資料 | 加入有無、対象部位、期間、免責を確認 |
| 対応不能時 | 保険法人資料、契約資料 | 施工会社が対応できない場合の手続きを確認 |
国土交通省でも共同住宅の大規模修繕工事を対象とする瑕疵保険が案内されていますが、対象工事、保険期間、免責、保険金額等は商品ごとに異なります。加入している保険法人と保険商品の個別資料を確認します。
工事保証の種類は大規模修繕の工事保証・メーカー保証・免責事項、期間の確認は大規模修繕の工種別保証期間と確認ポイントをご覧ください。
施工会社と見解が一致しない場合
争点を建物全体で一括りにせず、区画番号ごとに分けます。「確認できた事実」「施工会社の見解」「監理者の見解」「未確認資料」「管理組合側の質問」を別欄にすると、技術的な確認と責任協議が混ざりにくくなります。
- 契約資料と施工記録を区画ごとに整理する
- 原因が未確定であることを明示する
- 同様箇所の追加調査範囲を確認する
- 監理者・管理会社の見解を文書で残す
- 必要に応じて第三者調査や専門家相談を検討する
- 落下・漏水等の緊急対応と責任協議を分ける
契約上の責任、請求期限、損害賠償等は、契約時期や契約内容によって判断が異なります。本記事は法律相談ではありません。専門家へ相談する場合も、区画台帳、図面、写真、契約資料、施工記録、関係者の回答をそろえておくと事実関係を説明しやすくなります。
理事会・総会へ報告する内容
原因未確定の事項を施工不良確定件数として報告しません。発見数と確定数、対応中、再検査待ち、経過観察を分けます。
ワンリニューアル独自|不具合・是正区画台帳
施工不良・不具合を件数だけで管理しません。建物の位置、症状、契約仕様、施工記録、原因確認、施工会社回答、是正方法、再検査、保証、次回点検を、同じ区画番号で一つの不具合・是正区画台帳へ残します。
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| 台帳分類 | 主な項目 |
|---|---|
| 位置情報 | 案件番号、建物・棟、立面・平面、階・通り、工種、区画番号 |
| 発見情報 | 発見日、発見者、発見段階、症状、緊急性、仮養生 |
| 照合情報 | 施工対象範囲、既存状態、契約仕様、承認材料、施工記録 |
| 状態・見解 | 状態7区分、原因確認状況、施工会社見解、監理者見解 |
| 是正管理 | 回答期限、是正方法、是正範囲、予定日、完了日 |
| 写真・検査 | 是正前、施工中、是正後、再検査日、再検査結果、再是正 |
| 保証・引継ぎ | 保証対象、保険確認、完了判定、経過観察、次回確認日、報告日 |
台帳記入例
以下は管理方法を示すための想定例であり、実在案件の施工不良や責任を示すものではありません。
足場解体前の確認で、北棟東面5階のシーリング表面に切れのような症状が確認されたとします。区画番号を「北棟-東面-5階-シーリング-E5-S012」とし、全景・中景・近景を登録します。施工前写真、撤去打替え範囲、材料承認書、施工中写真を照合し、施工会社へ現地確認と原因見解を照会します。
回答後、同一区画番号へ是正方法、対象範囲、施工予定日、是正前・施工中・是正後写真、再検査結果を追加します。原因が確定していない場合は、完了ではなく「原因未確定」または「経過観察」とし、次回確認日を登録します。
是正履歴を完成図書と次回修繕へ引き継ぐ方法は、完成図書・施工写真・保証書を修繕履歴へ残す方法で整理しています。
大規模修繕の施工不良に関するよくある質問
仕上がりが悪ければ施工不良ですか
仕上がりが気になるという事実は記録しますが、その時点で施工不良とは断定しません。承認見本、仕様書、施工要領、施工前状態、周辺部を照合します。
施工不良と経年劣化はどう分けますか
施工前写真、事前調査、工事範囲、発生時期、施工記録を確認します。既存状態と施工部分が重なる場合は、追加調査や専門家確認を検討します。
不具合を見つけたら誰へ連絡しますか
契約上の窓口を確認し、施工会社、監理者、管理会社等へ連絡します。緊急性がある場合は応急対応を優先し、同時に管理組合内の報告経路も整えます。
施工会社へどの資料を送ればよいですか
区画番号、位置図、全景・中景・近景、発見日時、症状、該当する契約仕様、施工記録、確認したい事項をまとめます。
足場を解体した後でも確認できますか
地上、屋上、バルコニー等から確認できる範囲もありますが、高所へ同じ条件で接近できない場合があります。解体前に未確認区画と不足写真を整理し、解体後の確認方法を決めます。
是正工事は無償で行われますか
費用負担は、原因、契約範囲、変更指示、保証条件等によって異なります。施工不良候補と追加変更工事を分け、契約資料と関係者の回答を確認します。
保証期間内なら補修されますか
保証期間内でも、対象工種、免責、通知方法、維持管理条件等の確認が必要です。保証書と個別契約を確認します。
大規模修繕工事瑕疵保険とは何ですか
共同住宅の大規模修繕工事を対象とする保険で、対象部位や期間等は商品ごとに異なります。加入の有無と保険付保証明書、保険法人の手続きを確認します。
施工会社と見解が違う場合はどうしますか
事実と意見を分け、区画番号ごとに契約資料、施工記録、未確認事項を整理します。必要に応じて監理者、第三者調査、専門家への確認を検討します。
是正後は誰が再検査しますか
契約形態や監理体制によって異なります。施工会社の自主検査だけでなく、監理者、発注者側の立会いなど、事前に決めた再検査方法で確認します。
理事会・総会には何を報告しますか
発見区画数、状態区分、緊急対応、原因確認、施工会社回答、是正予定、再検査、保証・保険、未解決事項、次回報告時期を整理します。
まとめ|位置・仕様・是正・再検査を同じ番号で管理する
大規模修繕で施工不良や不具合が疑われる場合は、次の順序で整理します。
- 症状だけで施工不良と断定しない
- 発見位置へ共通番号を付ける
- 発見時の状態を全景・中景・近景で残す
- 施工前からの状態と今回の施工部分を分ける
- 契約書・仕様書・施工記録を照合する
- 施工会社等へ書面で照会する
- 回答、是正方法、対象範囲、期限を記録する
- 是正前後を同じ位置で比較する
- 同じ区画番号で再検査する
- 足場解体前に未確認・未是正区画を整理する
- 保証・保険の対象と条件を確認する
- 未解決事項を完了扱いにせず、次回点検へ引き継ぐ
重要なのは、早い段階で責任を断定することではありません。
位置、症状、契約仕様、施工記録、是正指示、施工会社回答、再検査、保証を共通番号でつなぎ、不具合・是正履歴を次回点検へ引き継ぐことです。
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全面的な外壁修繕では、仮設足場を確認・是正・再検査・写真記録の作業基盤として検討します。保証・保険は個別条件を確認し、法的判断が必要な事項は専門家への確認を前提とします。
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