大規模修繕は普通決議?特別決議?総会で確認する工事範囲と決議要件

『大規模修繕は普通決議?特別決議?総会で確認する工事範囲と決議要件』
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大規模修繕を総会へ提出するとき、「一般的な修繕なので普通決議でよいのか」「工事費が高額なので特別決議が必要なのか」と迷うことがあります。
しかし、決議区分は「大規模修繕」という名称や工事費総額だけでは決まりません。外壁補修、屋上防水、鉄部塗装などの維持修繕と、建物の形状・効用・構造・使用方法へ大きな変更を加える工事を分けて確認します。
工事実施の承認と、工事予算、修繕積立金の取崩し、借入れ、施工会社、契約金額、追加工事の委任範囲、規約変更も、必要に応じて別の議案として整理します。
2026年4月1日には改正区分所有法が施行されています。国土交通省の令和7年改正版マンション標準管理規約でも、総会の定足数や特別多数決議のモデルが見直されているため、古い記事の賛成割合だけで判断しないことが重要です。
大規模修繕だから一律に普通決議、または特別決議になるわけではありません。鉄部塗装、外壁補修、屋上等防水、給排水管の更生・更新等は、標準管理規約のコメントで普通決議により実施可能な計画修繕の例として示されています。一方、共用部分の形状または効用へ著しい変更を伴う工事は、特別多数決議を含めて確認します。
ワンリニューアルでは、仮設足場の規模、工事費総額、工期の長さだけで決議区分を判断しません。外壁、防水、配管、開口部、設備、仮設等を工事項目へ分解し、既存状態と工事後の状態を比較します。
形状、効用、構造への加工、面積・位置、外観、専有部分・専用使用部分への影響を整理し、工事・資金・契約・規約変更を分けて総会議案を組み立てます。
目次
- 大規模修繕は普通決議か特別決議か
- 2026年4月施行後の定足数・決議要件
- 計画修繕は普通決議で実施できるのか
- 工事費が高いと特別決議になるのか
- ワンリニューアル独自|工事を5区分に分ける
- 形状・効用の著しい変更をどう確認するか
- 専有部分・専用使用部分への影響を確認する
- 総会議案を一つにまとめすぎない
- 総会議案書へ記載する内容
- ワンリニューアル独自|工事変更度判定表
- 仮設足場の規模と決議区分を分ける
- 追加工事と理事会等への委任範囲
- 総会招集前の確認手順
- 専門家へ確認する内容を分ける
- ワンリニューアル独自の匿名総会議案モデル
- 大規模修繕の普通決議・特別決議に関するよくある質問
- まとめ|工事項目と議案を分けて決議要件を確認する
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- 参考資料
大規模修繕は普通決議か特別決議か
工事名称ではなく具体的な工事内容を確認します。同じ大規模修繕でも、既存性能を回復する工事と、新しい施設を設置して建物の使い方を変える工事では、確認する決議要件が異なります。
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| 確認区分 | 主な対象 | 大規模修繕での例 | 主な確認資料 |
|---|---|---|---|
| 普通決議候補 | 形状・効用の著しい変更を伴わない管理・変更 | 既存性能の維持、補修、同等更新等 | 管理規約、仕様書、工事範囲図 |
| 4分の3特別多数決議候補 | 共用部分の形状または効用へ著しい変更を伴う工事 | 大規模な増改築、用途・外形の大幅な変更等 | 新旧図面、設計資料、専門家意見 |
| 3分の2決議候補 | 瑕疵の除去に必要な一定の変更や、一定のバリアフリー化等 | 工事目的と法令・規約上の該当性を個別確認 | 調査報告、設計資料、法務確認 |
| 個別承諾等を確認 | 専有部分・専用使用部分の使用へ特別な影響を及ぼす工事 | 特定住戸の恒常的な使用条件変更等 | 影響範囲図、使用細則、承諾記録 |
表の区分だけで決議要件を確定しません。個別マンションの管理規約、単棟型・団地型・複合用途型の違い、具体的な工事内容を確認し、最終判断は専門家へ確認します。
2026年4月施行後の定足数・決議要件
2026年4月施行の改正区分所有法を確認します。令和7年改正版マンション標準管理規約では、総会の定足数と各決議のモデルが次のように整理されています。
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| 決議モデル | 総会成立・定足数 | 採決要件 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 普通決議 | 議決権総数の過半数を有する組合員が出席 | 出席組合員の議決権の過半数 | 個別規約で異なる要件がないか |
| 4分の3特別多数決議 | 組合員総数の過半数で、議決権総数の過半数を有する組合員が出席 | 出席組合員とその議決権の各4分の3以上 | 組合員数と議決権数を分けて集計 |
| 一定の変更に関する3分の2決議 | 組合員総数の過半数で、議決権総数の過半数を有する組合員が出席 | 出席組合員とその議決権の各3分の2以上 | 変更目的と適用条件を確認 |
マンション標準管理規約は、各マンションが規約を作成・改正するときのひな型です。標準管理規約の数値をそのまま個別マンションへ適用せず、個別マンションの管理規約を確認します。
- 現在有効な管理規約を確認する
- 管理規約が法改正へ対応しているか確認する
- 総会招集日・決議日・議案内容を確認する
- 区分所有者数と議決権数を分けて集計する
- 共有住戸の議決権行使者を確認する
- 書面・代理・電磁的方法の扱いを確認する
- 団地型・複合用途型を単棟型と分ける
計画修繕は普通決議で実施できるのか
標準管理規約のコメントでは、鉄部塗装、外壁補修、屋上等防水、給排水管更生・更新、照明、共聴、消防用設備、エレベーター設備の更新等が、普通決議で実施可能な計画修繕の例として示されています。
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| 工事項目 | 維持・更新に近い工事 | 変更程度の確認が必要な工事 | 主な確認軸 |
|---|---|---|---|
| 外壁 | ひび割れ、タイル、シーリング、塗装の補修 | 大型設備、外付け構造物、大規模開口の新設 | 形状、構造、外観、用途 |
| 屋上・屋根 | 既存防水、屋根材、排水部の補修・更新 | 新しい利用施設や屋根形状の大幅変更 | 形状、重量、用途、構造 |
| 給排水管 | 既存配管の更生・同等更新 | 系統・負担区分・使用方法の大幅変更 | 工事範囲、負担、専有部影響 |
| 共用設備 | 照明、共聴、消防、エレベーター等の更新 | 大型設備の新設や用途変更を伴う工事 | 同等更新、新設、構造加工、効用 |
| 開口部 | 窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換 | 開口寸法、外観、躯体を大きく変える工事 | 寸法、性能、外観、構造加工 |
| 不要設備 | 不要となった高置水槽等の撤去 | 撤去に伴う用途・設備系統の大幅な変更 | 撤去範囲、代替設備、構造、使用 |
大規模修繕と設備更新を同時に行う判断も参照してください。
工事費が高いと特別決議になるのか
工事費の金額だけで決議区分は決まりません。決議区分の中心は、共用部分をどのように変更するかと、個別管理規約の定めです。
一方、標準管理規約のコメントでは、大規模修繕のように多額の費用を要する事項について、普通決議の成立要件を標準モデルより厳しく規約で定める方法も考えられるとされています。
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| 確認対象 | 決議区分との関係 | 総会で確認すること | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 工事費総額 | 高額という理由だけで特別決議とはならない | 予算上限、予備費、消費税 | 見積書・資金計画 |
| 修繕積立金 | 工事承認と取崩し承認を分けて確認 | 取崩額、工事後残高、今後の収支 | 管理規約・残高資料 |
| 借入れ | 管理規約上の決議要件を確認 | 金額、期間、金利、返済方法 | 借入条件・資金計画 |
| 一時金 | 負担方法と規約との整合を確認 | 対象、金額、徴収時期 | 負担案・収支資料 |
| 施工会社・契約 | 工事内容の承認と分けて採決できる | 会社、契約額、工期、保証 | 選定資料・契約案 |
ワンリニューアル独自|工事を5区分に分ける
ひび割れ補修、塗装、防水更新など、既存の機能を回復する工事です。
配管、照明、消防設備、建具等を更新する工事です。同等更新か仕様変更かを確認します。
断熱、防犯、バリアフリー等の性能を高める工事です。加工の程度や使用への影響を確認します。
既存になかった設備を新設する工事です。位置、用途、構造加工、費用負担を整理します。
増改築、外形変更、共用部分の用途変更等です。特別多数決議を含めて専門家へ確認します。
「修繕」「更新」「改良」「新設」という名称だけで決議区分を固定しません。既存状態と工事後の状態を比較します。
形状・効用の著しい変更をどう確認するか
共用部分の形状・効用の変更程度を確認します。管理組合だけで法律用語へ当てはめず、工事内容を新旧比較表へ整理してから専門家へ確認します。
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| 確認軸 | 既存状態 | 工事後 | 追加確認 | 主な確認先 |
|---|---|---|---|---|
| 形状 | 現在の外形・配置 | どこがどの程度変わるか | 変更面積・規模 | 建築士等 |
| 効用 | 現在の機能・用途 | 機能・利用方法がどう変わるか | 新設・廃止・利用者 | 管理士・弁護士等 |
| 構造 | 現在の躯体・下地 | 加工、撤去、増設の有無 | 加工の程度・構造影響 | 建築士・構造設計者 |
| 面積・位置 | 現在の範囲・設置位置 | 拡大、縮小、移設、新設 | 共用部分への影響 | 設計者・管理士等 |
| 外観 | 現在の色・形・設備 | 外観がどの程度変わるか | 規約・景観・意匠 | 設計者・行政等 |
| 使用方法 | 現在の利用者・時間・方法 | 利用条件がどう変わるか | 使用細則・利用制限 | 管理士・弁護士等 |
| 費用負担 | 現在の負担区分 | 新たな負担や区分変更 | 規約・積立金・使用料 | 管理士・会計担当等 |
| 専有・専用使用部分 | 現在の影響・使用状況 | 恒常的な立入り・制限等 | 特別な影響・個別承諾 | 弁護士・管理士等 |
この表は決議要件を自動判定するものではありません。専門家へ相談する前に、工事内容を整理するための資料です。
専有部分・専用使用部分への影響を確認する
専有部分・専用使用部分への影響を確認します。工事中だけの騒音、足場、窓開閉制限と、工事後も続く使用条件の変更を分けます。
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| 対象 | 一時的な工事影響 | 工事後も続く影響 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| バルコニー | 施工期間中の片付け・使用制限 | 専用使用範囲の縮小、設備の恒久設置 | 規約、使用細則、個別承諾 |
| 専用庭 | 足場・資材置場としての一時使用 | 面積・利用方法の恒常的変更 | 影響範囲、復旧、承諾 |
| 専有部分 | 調査・配管工事のための一時立入り | 設備・配管等の恒久設置 | 管理区分、責任区分、承諾 |
| 窓・開口部 | 養生や開閉制限 | 寸法、位置、採光・通風の大幅変更 | 新旧図面、建築士・法務確認 |
| 駐車区画 | 工事期間中の一時移動 | 区画廃止・配置・利用条件の変更 | 使用契約、規約、対象者確認 |
共用部分・専用使用部分と工事範囲の考え方も参照してください。
総会議案を一つにまとめすぎない
工事・資金・契約・規約変更を分けて整理します。一つの「大規模修繕工事実施の件」へ全項目をまとめると、何を承認し、理事会等へどこまで委任したのかが分かりにくくなります。
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| 議案 | 主な内容 | 確認事項 | 議案資料 |
|---|---|---|---|
| 工事実施 | 目的、範囲、仕様、工期 | 工事項目ごとの決議区分 | 調査報告・工事範囲図 |
| 工事予算 | 総事業費、予備費、税 | 予算上限と対象費用 | 見積比較・資金計画 |
| 積立金取崩し | 取崩額、工事後残高 | 規約と将来収支 | 残高資料・長期修繕計画 |
| 借入れ・一時金 | 金額、返済、徴収方法 | 決議要件、負担方法 | 条件書・収支計画 |
| 施工会社・契約 | 会社、契約金額、工期、保証 | 選定経緯、契約条件 | 選定資料・契約案 |
| 追加工事 | 実数清算、予備費、上限 | 委任範囲、再付議条件 | 単価表・承認フロー |
| 規約・使用条件 | 管理区分、負担、使用方法 | 規約変更等の決議要件 | 新旧対照表・細則案 |
| 個別影響 | 専有部・専用使用部への影響 | 個別承諾等の要否 | 影響範囲図・説明記録 |
責任施工方式と設計監理方式の違いも参照してください。
総会議案書へ記載する内容
議案書には、工事の必要性だけでなく、既存状態と工事後の違い、資金、契約、変更時の承認方法を記載します。
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| 区分 | 記載する内容 | 不足しやすい内容 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 工事の必要性 | 劣化、不具合、長期修繕計画、実施時期 | 今回見送る場合の対応 | 調査報告・修繕履歴 |
| 工事内容 | 対象部位、仕様、既存状態、工事後 | 対象外、形状・機能の変更 | 新旧図面・範囲表 |
| 費用・資金 | 契約予定額、予備費、取崩し、借入れ | 実数清算、工事後残高 | 見積・資金計画 |
| 発注・契約 | 発注方式、施工会社、工期、保証 | 選定経緯、変更承認 | 選定表・契約案 |
| 決議事項 | 承認を求める内容、決議要件、採決方法 | 理事会等への委任上限 | 規約・専門家確認 |
ワンリニューアル独自|工事変更度判定表
ワンリニューアルでは、「大規模修繕一式」を一つの決議区分へ当てはめません。工事項目ごとに既存状態と工事後を比較し、AからDの確認区分へ整理します。
既存性能の維持・回復や同等更新を中心とする工事です。
性能向上、設備更新、使用条件変更等を含み、変更程度を確認する工事です。
共用部分の形状・効用へ大きな変更を加える可能性がある工事です。
専有部分・専用使用部分への特別な影響や、負担・使用方法の変更等を伴う工事です。
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| 管理番号・工事項目 | 現在と工事後 | 変更内容 | 影響・資金 | 確認区分・根拠 | 議案への反映 |
|---|---|---|---|---|---|
| 議案03-外壁補修 | 既存外壁のひび割れ、タイル、塗装を補修 | 既存性能の維持・回復 大きな形状変更なし | 共用部分工事 修繕積立金を使用 | A候補 規約・仕様書を確認 | 工事実施、予算、積立金取崩し |
| 議案05-サッシ一斉交換 | 既存開口部を性能向上型へ更新 | 寸法、外観、躯体加工の程度を確認 | 専用使用部分への立入り・使用制限 | B候補 新旧図面・規約を確認 | 工事範囲、資金、使用条件 |
| 議案07-外付け設備新設 | 既存になかった設備を外壁側へ設置 | 外観、形状、効用、構造加工を確認 | 共用部使用、特定住戸への影響 | C・D候補 建築士・法務確認 | 工事、規約、個別承諾等を分離 |
| 議案09-給排水管更新 | 既存系統を更新し、一部専有部へ立入り | 同等更新か系統・負担変更かを確認 | 実数清算、専有部工事範囲 | AまたはB候補 配管区分・規約確認 | 工事、資金、立入り、追加承認 |
上表は判定方法を示す架空の記入例です。実際の決議区分は、個別マンションの管理規約、工事図面、仕様、影響範囲、専門家の確認を基に判断します。
工事項目と総会議案を分けて整理します
管理規約、使用細則、長期修繕計画、劣化調査報告書、工事仕様書、既存図・改修図、見積書、資金計画、総会議案案から、工事項目ごとの変更程度を整理します。
技術的な変更内容は建築士等へ、総会手続・決議要件はマンション管理士・弁護士等へ確認するための資料へまとめます。
仮設足場の規模と決議区分を分ける
仮設足場の規模だけで特別決議になるわけではありません。仮設足場は、本体工事の調査、施工、検査、是正に使用し、工事完了後に撤去する作業基盤です。
外壁全面を対象とする大規模修繕では、ワンリニューアルは仮設足場を原則とします。外壁全面へ連続した作業床を確保し、近接調査、補修数量確認、複数工種の施工、工程間検査、是正、写真記録、足場解体前確認を同じ位置で反復するためです。
仮設足場を採用する技術方針と、区分所有法・管理規約上の決議区分は分けて説明します。
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| 足場に関する議案項目 | 主な確認内容 | 総会資料への反映 |
|---|---|---|
| 設置範囲・期間 | 建物面、工区、組立・解体時期 | 仮設計画・工程表 |
| 敷地・施設使用 | 駐車場、通路、道路、隣地 | 使用範囲・調整条件 |
| 住戸への影響 | バルコニー、窓、防犯、避難 | 対象・期間・住民案内 |
| 費用・延長 | 足場費、延長条件、追加費用 | 予算・変更承認 |
| 解体条件 | 検査、是正、未施工箇所 | 足場解体前判定 |
追加工事と理事会等への委任範囲
足場設置後の実測や下地開放後に数量・工法が変わる場合があります。総会前に、理事会等へ委任する範囲と、総会へ再付議する条件を整理します。
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| 確認項目 | 総会で定める内容 | 委任範囲の例 | 再確認する条件 |
|---|---|---|---|
| 実数清算 | 対象工種、単価、測定方法 | 承認済み単価による数量増減 | 工種・算定方法が変わる |
| 予備費 | 金額、使用目的、報告方法 | 定めた目的・上限内の使用 | 上限超過・目的外使用 |
| 工法変更 | 変更承認の手順 | 性能・範囲を変えない調整 | 形状・効用・構造への変更が拡大 |
| 契約金額 | 契約額と委任上限 | 上限内の変更契約 | 借入れ・一時金が新たに必要 |
| 工期・足場 | 工期、延長費、住民影響 | 定めた条件内の工程調整 | 長期延長や使用条件の大幅変更 |
追加工事・実数清算・予備費の承認ルールも参照してください。
総会招集前の確認手順
大規模修繕を進める管理組合・理事会・修繕委員会の役割、大規模修繕の準備から工事・引渡しまでの全工程も確認してください。
専門家へ確認する内容を分ける
決議区分を一社の判断だけで確定した形にせず、技術、規約、法務、施工条件を担当ごとに確認します。
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| 確認先 | 主な確認内容 | 提出する資料 | 残す記録 |
|---|---|---|---|
| マンション管理士等 | 管理規約、総会手続、定足数、議案構成 | 現行規約、議案案、議決権表 | 確認記録・修正履歴 |
| 弁護士 | 決議要件、特別な影響、個別承諾、法的責任 | 工事範囲図、規約、影響資料 | 意見書・相談記録 |
| 建築士・設計者 | 形状・効用、構造加工、工事前後の技術的差 | 既存図、改修図、仕様書 | 新旧比較図・技術説明 |
| 施工会社・足場会社 | 施工範囲、仮設、工程、使用制限、追加条件 | 見積、工程、仮設計画 | 施工条件表・質疑回答 |
| 管理会社 | 規約保管、組合員・議決権、招集実務、議事録 | 組合員名簿、規約、総会資料 | 招集・集計・保管記録 |
国土交通省ガイドライン・法律・実務資料の使い分けも参照してください。
ワンリニューアル独自の匿名総会議案モデル
以下は、総会議案の分け方を示す架空のモデルです。実在する管理組合の決議内容や法的判断を示すものではありません。
外壁補修、屋上防水、鉄部塗装、給排水管更新、サッシ性能向上、外付け設備新設を一つの修繕計画として検討していました。
外壁補修、屋上防水、鉄部塗装は既存性能の維持・回復としてA候補、給排水管更新は専有部分への工事範囲と負担区分を確認するA・B候補、サッシ性能向上は寸法・外観・躯体加工を確認するB候補としました。
外付け設備新設は、建物外観、構造加工、利用方法、特定住戸への影響を確認する必要があるため、C・D候補として建築士、マンション管理士、弁護士等へ確認する項目に分けました。
総会議案は、工事実施、工事予算、修繕積立金取崩し、施工会社・契約、追加工事の委任、規約・使用条件の変更へ分解しました。各議案へ決議要件、根拠資料、採決結果を記録し、議事録と契約書にも同じ議案番号を使用します。
大規模修繕の普通決議・特別決議に関するよくある質問
大規模修繕は普通決議でよいですか
大規模修繕だから一律に普通決議になるわけではありません。工事項目ごとの変更内容と個別マンションの管理規約を確認します。
工事費が高額なら特別決議ですか
工事費の金額だけでは決まりません。ただし、大規模修繕に独自の決議要件を規約で定めている場合があるため確認します。
外壁補修や屋上防水は普通決議ですか
標準管理規約のコメントでは、普通決議で実施可能な計画修繕の例として示されています。大きな形状変更や設備新設等が含まれる場合は個別確認が必要です。
設備更新も普通決議ですか
既存設備の同等更新と、新しい大型設備の設置や使用方法・負担区分を大きく変える工事を分けて確認します。
仮設足場が建物全体を覆うと特別決議ですか
足場の規模だけでは決まりません。本体工事で共用部分の形状・効用・構造・使用方法をどのように変更するかを確認します。
普通決議の賛成数はどう確認しますか
現行管理規約の定足数と採決要件を確認し、組合員数と議決権数を区別します。書面や代理人による議決権行使も規約に従って集計します。
4分の3の賛成があれば特別決議は成立しますか
賛成割合だけでなく、総会の定足数、組合員数、議決権数、議案内容、個別規約を確認します。
バルコニーや専用庭へ影響する場合はどうしますか
工事中の一時的な制限と、工事後も継続する特別な影響を分け、個別承諾等の要否を専門家へ確認します。
追加工事は理事会だけで承認できますか
総会で委任した対象、単価、金額上限、予備費の条件によります。工事目的や変更程度が変わる場合は再付議を検討します。
管理規約が法改正へ対応していない場合はどうしますか
総会招集時期、現行規約、改正区分所有法との関係をマンション管理士・弁護士等へ確認し、規約改正の手続を整理します。
確認申請と管理組合総会の決議は同じですか
異なります。確認申請は建築基準法上の手続、総会決議は区分所有法・管理規約上の意思決定として分けて確認します。
大規模修繕で確認申請が必要になるケース、大規模修繕と大規模模様替えの違いも参照してください。
まとめ|工事項目と議案を分けて決議要件を確認する
大規模修繕だから一律に普通決議になるわけではありません。
工事名称ではなく具体的な工事内容を確認します。
既存状態と工事後の状態を比較します。
共用部分の形状・効用の変更程度を確認します。
工事費の金額だけで決議区分は決まりません。
仮設足場の規模だけで特別決議になるわけではありません。
専有部分・専用使用部分への影響を確認します。
2026年4月施行の改正区分所有法を確認します。
個別マンションの管理規約を確認します。
工事・資金・契約・規約変更を分けて整理します。
追加工事の委任範囲と再付議条件を事前に決めます。
最終判断は専門家へ確認します。
「大規模修繕一式」を一つの決議区分へ当てはめません。外壁、防水、配管、開口部、設備、仮設等を工事項目へ分け、既存状態と工事後の形状・効用・構造・使用方法を比較します。さらに、工事実施、予算、修繕積立金取崩し、施工会社、追加工事、規約変更、個別承諾を別々に整理して総会議案を作成します。
大規模修繕の工事範囲と総会議案を整理します
現在ある管理規約、使用細則、図面、工事仕様書、見積書、資金計画、総会議案案から、工事項目ごとの既存状態と工事後を整理します。
決議区分をワンリニューアルだけで確定せず、技術的な変更内容は建築士等へ、総会手続・決議要件はマンション管理士・弁護士等へ確認できる資料へまとめます。
仮設足場の技術計画と決議区分を分け、工事、資金、契約、追加工事、規約変更、個別承諾の議案構成を確認します。
関連記事
参考資料
- 国土交通省「マンション標準管理規約」
- 国土交通省「令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型・コメント含む)」
- 国土交通省「マンション標準管理規約を改正します」
- 個別マンションの現行管理規約、使用細則、総会運営規程
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