防水工事の保証は何年?大規模修繕で確認したい保証範囲と免責条件

『防水工事の保証は何年?大規模修繕で確認したい保証範囲と免責条件』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕の防水工事では、「○年保証」と説明されることがあります。
しかし、保証期間が長ければ必ず安心というわけではありません。どの不具合が対象なのか、どのような場合に対象外になるのか、誰が保証するのかまで確認する必要があります。
本記事では、防水工事の保証期間・保証範囲・免責条件・保証主体・保証書について、管理組合が契約前に確認したいポイントを整理します。

※防水工事の保証期間・保証範囲・免責条件は、採用する工法、仕様、施工会社、メーカー、契約内容などによって異なります。必ず個別の保証書・契約書・仕様書をご確認ください。
目次
防水工事の保証は何年?
防水工事の保証期間は一律ではなく、工法・仕様・施工会社・メーカー・契約内容などによって異なります。「○年保証」という数字だけで判断せず、保証範囲も確認します。
防水工事の保証年数は、すべての工事で同じではありません。
保証期間に影響する主な条件として、
- 採用する防水工法
- 使用する材料・仕様
- 施工会社
- メーカー
- 施工場所
- 既存防水層
- 契約内容
などがあります。
そのため、「防水工事なら必ず10年保証」と一律に考えることはできません。
見積書や提案書に「10年保証」などと記載されている場合は、年数の次に、
- 何が保証対象なのか
- どの場所が対象なのか
- どのような場合に対象外になるのか
- 誰が保証するのか
- 保証書が発行されるのか
を確認します。
保証期間が長ければ安心とは限らない
保証期間が長くても、保証範囲が狭かったり免責条件が多かったりすれば、実際の不具合が保証対象にならない場合があります。
たとえば、
A社:10年保証
ただし保証対象となる部位・不具合が限定されている
B社:保証条件を詳細に明記
対象部位・免責条件・問い合わせ先・点検条件まで確認できる
という場合、単純に「10年」と書かれているA社だけで判断することはできません。
保証を見るときは、
+
保証範囲
+
免責条件
をセットで確認します。
保証年数は施工品質を直接評価する点数ではありません。
防水工事の保証で確認したい3つの基本
防水工事の保証では、まず「保証期間」「保証範囲」「免責条件」の3項目を確認します。
何年間保証されるのか、いつから保証が始まるのかを確認します。
どの部位の、どのような不具合が保証対象になるのかを確認します。
どのような原因・条件の場合に保証対象外となるのかを確認します。
この3項目を確認したうえで、
- 誰が保証するか
- 保証書が発行されるか
- 点検・維持管理条件があるか
まで確認します。
①保証期間を確認する
保証期間は、年数だけでなく、保証開始日、対象部位ごとの差、部分補修後の扱いまで確認します。
確認したい内容は、
- 保証は何年間か
- いつから保証開始となるか
- すべての防水部位で同じ期間か
- 工法ごとに保証期間が異なるか
- 部分補修を行った場合の扱い
- 保証期間途中で補修した場合の扱い
などです。
たとえば、屋上平場と立ち上がり、別の防水仕様を採用した箇所で保証条件が異なる可能性もあります。
「10年」という一つの数字だけではなく、何に対する10年なのかを確認しましょう。
②保証範囲・対象となる不具合を確認する
保証書では、どの部位のどのような不具合が保証対象になるのかを確認します。「防水保証」という名称だけで対象範囲を判断しないことが重要です。
確認対象となる例として、
- 防水層
- 屋上平場
- 立ち上がり
- 端部
- ドレン周辺
- 設備基礎周辺
- 施工に起因する漏水
- 防水層の施工不具合
などがあります。
ただし、上記がすべての保証で対象になるという意味ではありません。
具体的な保証対象は、個別の保証書・契約書・仕様書で確認する必要があります。
特に雨漏りについても、
- 防水施工に起因するものか
- 他の部位からの浸水か
- 設備や配管が原因か
- 外力による損傷か
によって扱いが変わる可能性があります。
③免責条件・保証対象外を確認する
防水保証では、自然災害、他工事による損傷、改造などが免責となる場合があります。何が保証対象外になるかを契約前に確認します。
「免責」とは、一定の条件に該当した場合に保証責任を負わないことです。
保証対象外として定められる可能性がある例には、
- 地震
- 台風等の自然災害
- 想定外の外力
- 他工事による損傷
- 第三者による改造
- 重量物等による損傷
- 不適切な管理
- 用途変更
- 契約上定められた条件に該当する場合
などがあります。
ただし、これらが必ず免責になるとは限りません。
どの条件が対象外になるかは、保証書・契約内容ごとに異なります。
- 自然災害の場合はどうなりますか?
- 他工事で防水層を傷つけた場合は対象ですか?
- 設備交換後に不具合が出た場合はどう扱いますか?
- 管理組合側に必要な維持管理条件はありますか?
施工会社保証とメーカー保証は何が違う?
防水工事では、施工会社による保証と、使用材料・仕様に関係するメーカー保証等が設定される場合があります。保証主体と対象範囲を分けて確認します。
主に施工に関係する内容について、施工会社が保証主体となる形で設定される場合があります。
採用する製品・指定仕様・施工条件等を前提として、メーカー側の保証等が設定される場合があります。
ただし、防水工事に必ず施工会社保証とメーカー保証の両方が付くとは限りません。
管理組合として確認したいのは、
- 誰が保証書を発行するのか
- それぞれ何を保証するのか
- 保証範囲が重なるのか
- 不具合時の連絡先はどこか
- 施工会社が窓口になるのか
です。

※防水工事の保証期間・保証範囲・免責条件は、採用する工法、仕様、施工会社、メーカー、契約内容などによって異なります。必ず個別の保証書・契約書・仕様書をご確認ください。
防水工事の保証書で確認したい5項目
防水保証書では、①誰が保証するか、②対象範囲、③免責事項、④必要な点検・維持管理、⑤保証書・関連書類の有無を確認します。
施工会社、メーカー、その他の保証主体など、誰が保証責任を持つのか確認します。
施工部位、対象となる不具合、保証対象工事、部位ごとの条件差を確認します。
自然災害、第三者損傷、他工事、管理状態、用途変更、改造等の扱いを確認します。
定期点検、清掃、報告、指定されたメンテナンス等が保証条件になっていないか確認します。
保証書、仕様書、使用材料資料、施工記録、施工写真、検査記録、引渡し資料等を確認します。
「口頭で○年保証と言われた」だけで終わらせず、保証内容は書面で確認・保管することが重要です。
保証を受けるために点検・維持管理は必要?
保証条件によっては、定期点検や維持管理が必要な場合があります。保証書で必要な点検時期・管理内容・報告条件を確認してください。
保証期間中だからといって、何もしなくてもすべての不具合が自動的に保証されるとは限りません。
保証条件として、
- 定期点検
- 定期的な清掃
- 異常発見時の報告
- 指定されたメンテナンス
- 第三者工事を行う際の事前確認
などが求められる場合があります。
確認したいのは、
- 点検時期
- 誰が点検するか
- 点検費用
- 報告方法
- 異常発見時の連絡先
- 記録を残す必要があるか
です。
保証を維持するために管理組合側が行うことがあるのか、契約前に確認しておきましょう。
防水工事の保証では、期間だけでなく、どの不具合が対象なのか、どの条件で対象外になるのか、誰が保証するのかを確認することが重要です。
「保証書の内容が分かりにくい」「施工会社ごとに保証条件が違う」「契約前に確認した方がよい項目を整理したい」という場合は、見積・仕様と合わせて確認できます。
防水工事の見積・契約前に保証を確認する
防水保証は工事完了後に初めて確認するのではなく、見積・契約前に保証期間・範囲・免責・保証主体・保証書発行条件を確認することが重要です。
契約前に確認する主な内容は、
- 保証期間
- 保証開始日
- 保証対象部位
- 対象となる不具合
- 免責条件
- 保証主体
- 保証書発行条件
- 点検条件
- 不具合時の連絡先
です。
工事完了後に保証書を受け取って初めて、
- 想定していた部位が対象外だった
- 点検条件が付いていた
- 他工事による損傷が免責だった
- 保証主体が想定と違った
と分かると、管理組合として判断しにくくなります。
施工会社を比較している段階で保証条件を確認し、契約内容に反映されているかまで確認しましょう。
保証内容が施工会社によって違う場合はどう比較する?
保証内容が異なる場合は、年数だけでなく、保証対象、免責条件、保証主体、点検条件、書面の有無を同じ表に並べて比較します。
比較するときは、「10年」「5年」という年数だけを横並びにしません。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 比較項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 保証期間 | 10年 | 10年 | 5年 |
| 保証対象 | 防水施工に起因する所定の不具合 | 詳細記載なし | 対象となる不具合を個別記載 |
| 対象部位 | 平場・立ち上がり等を記載 | 屋上防水一式と記載 | 部位別に記載 |
| 免責条件 | 書面に記載 | 要確認 | 書面に詳細記載 |
| 保証主体 | 施工会社 | 施工会社 | 施工会社+メーカー等の記載あり |
| 点検条件 | 定期点検条件あり | 記載なし | 点検・維持管理条件を記載 |
| 保証書 | 発行条件記載 | 口頭説明のみ | 書面発行予定 |
| 不具合時窓口 | 施工会社 | 要確認 | 窓口を明記 |
※上記は比較方法を説明するための例です。実際の保証条件を示すものではありません。
このように並べると、「10年と5年」という年数だけでは分からなかった条件差を確認できます。
管理組合として重要なのは、保証年数の長さではなく、必要なときにどの条件で保証を受けられるのかを把握することです。
防水工事の保証に関するよくある質問
Q.防水工事の保証は何年ですか?
A.保証期間は工法・仕様・施工会社・メーカー・契約内容などによって異なります。個別の保証書や契約内容を確認してください。
Q.10年保証なら安心ですか?
A.保証期間だけでは判断できません。保証対象、免責事項、保証主体、点検条件なども合わせて確認する必要があります。
Q.防水工事では雨漏りも保証されますか?
A.施工に起因する漏水などが対象となる場合がありますが、対象範囲は保証書によって異なります。具体的な対象条件を確認してください。
Q.防水保証の免責とは何ですか?
A.一定の条件に該当した場合、保証対象外となる条件です。自然災害や他工事による損傷などが定められる場合があります。
Q.施工会社保証とメーカー保証は同じですか?
A.同じとは限りません。保証主体や対象となる内容が異なる場合があるため、それぞれの保証条件を確認します。
Q.防水保証には点検が必要ですか?
A.保証条件として定期点検や維持管理が定められている場合があります。保証書の条件を確認してください。
Q.保証書はいつ確認すればよいですか?
A.工事完了後だけでなく、見積・契約前に保証期間・範囲・免責・発行主体などを確認しておくことが重要です。
まとめ|「何年保証」より「何を保証するか」を確認する
防水工事の保証で重要なのは、「何年保証されるか」だけではなく、誰が・どの部位の・どの不具合を・どの条件で保証するのかを確認することです。
今回のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 保証期間は一律ではない
- 保証年数だけで判断しない
- 保証範囲を確認する
- 対象部位を確認する
- 保証対象となる不具合を確認する
- 免責条件を確認する
- 保証主体を確認する
- 施工会社保証とメーカー保証を分けて考える
- 点検・維持管理条件を確認する
- 保証書を確認する
- 関連資料を保管する
- 契約前に内容を確認する
「10年保証」という表記は、一つの比較材料にはなります。
しかし、それだけで施工会社や保証内容を判断することはできません。
保証期間・対象範囲・免責事項・保証主体・点検条件・書面の有無まで確認し、工事後の認識違いを防ぐことが重要です。
防水工事の保証は、年数だけでは比較できません。
保証期間・対象範囲・免責事項・保証主体・点検条件などを契約前に整理し、工事後に「保証されると思っていた」という認識違いを防ぐことが重要です。
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