大規模修繕の公募とは?入札・プロポーザル方式と施工会社選定の手順

『大規模修繕の公募とは?入札・プロポーザル方式と施工会社選定の手順』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕の施工会社を公募すると、管理会社や設計者から紹介された会社だけでなく、条件に合う施工会社から応募を受けられる可能性があります。
ただし、公募案内を掲載しただけでは施工会社を適切に比較できません。応募資格を厳しく設定しすぎると候補が限定され、緩くしすぎると、今回の建物に必要な施工体制を確認できない会社も応募できます。
見積を依頼する前に、工事範囲、材料・仕様、数量、仮設足場、住民対応、検査、是正、保証などの条件をそろえることが重要です。
公募は候補会社を集める方法です。公募後の書類審査、見積、ヒアリング、プロポーザル評価、理事会・総会決議までを一つの選定工程として設計します。
この記事では、公募・入札・プロポーザル方式の違いから、募集要項、参加資格、二段階評価、仮設足場の比較、採用・不採用理由の記録までを整理します。
公募は施工会社を広く集めるための方法であり、最終的な選定方式そのものではありません。応募会社を集めた後、参加資格、見積条件、仮設足場、施工体制、現場代理人、住民対応、検査・是正、保証等を同じ基準で比較し、選定理由を記録します。
ワンリニューアルでは、外壁全面を対象とする大規模修繕には仮設足場を原則としています。公募・プロポーザルでは、金額や会社実績だけでなく、仮設足場上で調査・施工・検査・是正をどのようにつなぐかを評価項目に含めます。
目次
- 大規模修繕の公募とは
- 公募・指名・見積合わせ・入札・プロポーザルの違い
- 公募を始める前に管理組合が決めること
- 募集要項に記載する建物・工事情報
- 応募資格をどこまで設定するか
- 応募会社へ提出してもらう書類
- 公募から契約までの手順
- 書類審査と技術・価格評価を二段階に分ける
- 現地説明会と質疑回答の条件をそろえる
- 見積条件を全社で統一する
- ワンリニューアル独自|仮設足場を公募評価へ入れる
- プロポーザル方式で評価する項目
- ワンリニューアル独自の100点評価モデル
- 最低価格だけで施工会社を選ばない理由
- ヒアリングでは会社名より担当者の実行力を確認する
- 評価結果と採用・不採用理由を記録する
- 公募しても応募が集まらない場合
- 管理会社・設計者・関連会社との関係を確認する
- ワンリニューアル独自の公募・選定台帳
- 施工会社選定モデル
- 大規模修繕の公募に関するよくある質問
- 公募・施工会社選定の確認チェックリスト
- まとめ|公募は募集ではなく選定手順全体で設計する
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大規模修繕の公募とは
公募は候補会社を集める方法
大規模修繕の公募とは、建物概要、工事概要、予定工期、応募条件、提出書類等を示し、施工会社から参加申込みを受ける方法です。
公募は候補会社を集める入口であり、公募を実施した時点で施工会社が決まるわけではありません。
公募後に書類審査・見積・ヒアリングを行う
応募会社の参加資格や提出書類を確認し、条件に合う会社へ共通の仕様書と見積要項を交付します。その後、見積、技術提案、現場代理人のヒアリング等を行います。
応募会社すべてへ見積を依頼するとは限らない
応募数が多い場合は、類似工事実績、施工体制、技術者、保険、保証、提出書類の整合性等を確認し、見積依頼先を絞ることがあります。
公募と入札は同じではない
公募は会社を募集する方法です。入札は、定めた条件に基づいて価格等の提示を受ける選定手続です。
マンション管理組合による民間発注では、公共工事の入札制度と同じ手続になるとは限りません。管理規約、選定規程、募集要項等に基づいて進めます。
公募とプロポーザル方式を組み合わせられる
公募で候補会社を集め、書類審査通過会社から見積と技術提案を受け、プロポーザル方式で施工計画や担当者を比較する方法があります。
大規模修繕の施工会社を決める全体の流れも参考にしてください。
公募・指名・見積合わせ・入札・プロポーザルの違い
施工会社の集め方と、最終的な評価方法を分けて考えます。
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| 方法 | 主な目的 | 候補会社 | 主な評価対象 | 確認点 |
|---|---|---|---|---|
| 公募 | 候補会社を集める | 条件を示して広く募集 | 参加資格・応募書類 | 最終選定方法を別に決める |
| 指名 | 候補を限定する | 発注者等が選定 | 実績・体制・対応力 | 候補を選んだ理由を残す |
| 見積合わせ | 金額と条件を比較する | 複数社 | 共通条件の見積 | 工事範囲・数量・仕様を統一 |
| 入札 | 定めた条件で価格等の提示を受ける | 参加資格を満たす会社 | 価格等 | 価格以外の判断方法も先に決める |
| プロポーザル | 技術・体制を評価する | 書類審査通過会社等 | 提案・担当者・実行体制 | 評価基準と配点を事前に決める |
| 総合評価 | 価格と技術を合わせて比較する | 条件を満たす会社 | 価格・技術・体制 | 採点方法と判断者を明確にする |
| 特命・随意 | 特定会社と条件を協議する | 原則として一社 | 見積・技術・契約条件 | 特命とする理由を記録する |
発注方式そのものについては、責任施工方式と設計監理方式の違いで詳しく整理しています。
公募を始める前に管理組合が決めること
公募後の評価・決定手順を先に決めます。提案を見た後で評価方法を変更すると、選定理由を説明しにくくなります。
発注方式と支援者
責任施工方式、設計監理方式等の発注方式と、管理会社、設計者、コンサルタントがどこまで選定を支援するかを決めます。
評価者と決定者
修繕委員会が資料を整理し、理事会が候補を決定し、総会が工事契約を承認するなど、各段階の権限を確認します。
工事対象・概算予算・予定工期
外壁、シーリング、防水、鉄部、設備等の対象範囲と、概算予算、工事時期を整理します。
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| 公募前の事項 | 決める内容 | 主な確認資料 | 担当候補 |
|---|---|---|---|
| 選定体制 | 評価者、決定者、事務局 | 管理規約・選定規程 | 理事会・修繕委員会 |
| 発注方式 | 責任施工・設計監理等 | 発注方式比較資料 | 管理組合 |
| 支援範囲 | 資料作成、受付、評価支援 | 管理委託契約・支援契約 | 管理会社・設計者等 |
| 工事範囲 | 対象工種・対象面・対象外 | 調査報告書・範囲図 | 設計者・施工専門家等 |
| 概算予算 | 工事費・設計監理費・予備費 | 長期修繕計画・概算書 | 管理組合 |
| 予定工期 | 着工・完了・足場使用期間 | 工程案 | 管理組合・支援者 |
| 総会時期 | 候補決定・契約承認の時期 | 年間会議予定 | 理事会 |
募集要項に記載する建物・工事情報
募集要項には、施工会社が参加可否を判断できる情報を記載します。詳細図面や居住者情報等は、秘密保持や書類交付条件を整理したうえで提示します。
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| 区分 | 記載項目 | 記載例 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 建物概要 | 所在地、構造、階数、戸数、棟数 | 鉄筋コンクリート造・複数棟等 | 施工規模を判断できるか |
| 建物規模 | 延床面積、外壁面、築年数 | 図面に基づく概要値 | 数値の基準時点を示す |
| 修繕履歴 | 過去の大規模修繕・部分補修 | 実施年、主な工事項目 | 既存保証や材料を確認 |
| 工事概要 | 足場、下地、シーリング、塗装、防水等 | 予定する工種を列記 | 対象外工事を分ける |
| 予定工期 | 着工・竣工予定 | 工期約○か月等 | 提案可能な日程か |
| 選定日程 | 申込、書類審査、見積、ヒアリング | 各提出期限 | 質疑期間を確保する |
| 応募条件 | 許可、実績、技術者、保険等 | 今回工事に必要な条件 | 特定会社だけに偏らないか |
| 提出方法 | 提出先、部数、電子データ | 郵送・持参・電子提出等 | 受付記録を残す |
| 問い合わせ | 窓口、受付期間、回答方法 | 事務局へ集約 | 全社へ同じ回答を共有する |
国土交通省は、マンション大規模修繕工事の発注を検討する管理組合向けに、実態調査や相談窓口等の情報を公開しています。公的資料の募集要項や選定フローは参考例として使用し、個別マンションでは管理規約、選定規程、工事内容、合意形成手続を確認します。
応募資格をどこまで設定するか
建設業許可・施工実績
今回の工事内容に対応する建設業許可、類似する建物規模・工種の元請実績等を確認します。
配置予定技術者・現場代理人
会社全体の実績だけでなく、実際に配置予定の技術者や現場代理人候補の担当経験を確認します。
財務状況・保険・保証
工事期間中の履行体制、保険加入、保証、アフター点検の窓口を確認します。
施工体制・協力会社
足場、下地補修、シーリング、防水、塗装等を誰が施工し、元請会社がどのように管理するかを確認します。
関係会社・利益相反の申告
管理会社、設計者、理事等との資本関係、人的関係、継続的な取引関係がある場合の申告方法を決めます。
応募資格は、特定の会社だけが満たせる条件になっていないか確認します。一方で、応募数を増やすために、工事を実行するための許可、技術者、施工体制、保険等を確認しない構成にも適しません。
応募会社へ提出してもらう書類
書類の量ではなく、内容の整合性と実際の施工体制を確認します。
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| 提出書類 | 主な確認内容 | 審査時の着眼点 | 次段階への使用 |
|---|---|---|---|
| 参加申込書 | 会社名、担当者、参加意思 | 提出期限・記載漏れ | 受付台帳 |
| 会社概要 | 所在地、組織、事業内容 | 施工部門・支店体制 | 会社情報の確認 |
| 建設業許可 | 許可業種・有効期間 | 今回工種との対応 | 参加資格審査 |
| 財務資料 | 経営状況等 | 評価方法を事前に決定 | 書類審査 |
| 類似工事実績 | 規模、工種、元請・下請区分 | 今回工事との類似性 | ヒアリング質問 |
| 配置予定技術者 | 資格、担当実績、所属 | 実際に配置可能か | 契約条件 |
| 現場代理人候補 | 経歴、担当物件、常駐体制 | 本人がヒアリングへ出席するか | 担当者評価 |
| 施工体制表 | 専門工事会社・管理体制 | 責任区分と再委託 | 技術提案評価 |
| 保険・保証資料 | 加入内容、保証、点検 | 適用条件・窓口 | 契約条件 |
| 関係性申告 | 資本・人的・取引関係 | 開示内容の整合 | 選定記録 |
公募から契約までの手順
公募から契約までの途中で条件を変更した場合は、変更内容、対象会社、再見積の有無を記録します。
書類審査と技術・価格評価を二段階に分ける
第1段階は参加資格を確認する審査であり、第2段階は今回の建物で工事を実行する提案を比較する審査です。
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| 書類審査項目 | 確認内容 | 判定 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 応募条件 | 募集要項の条件を満たすか | 適合・要確認等 | 不足資料の扱い |
| 類似実績 | 規模・工種・居住中工事 | 比較可能性を確認 | 元請・専門工事を分ける |
| 現場代理人 | 担当経験・配置予定 | ヒアリング対象 | 交代条件 |
| 施工体制 | 協力会社・管理体制 | 要件との整合 | 未定会社の扱い |
| 保証・点検 | 保証範囲・アフター体制 | 条件を確認 | 保証書案 |
| 提出書類 | 資料間の数値・内容 | 整合・不一致 | 書面で補足確認 |
現地説明会と質疑回答の条件をそろえる
全候補会社へ同じ資料と条件を提示します。会社ごとに異なる説明を行うと、見積範囲や提案条件が変わります。
現地説明前に交付する資料
工事仕様書、数量表、図面、劣化位置図、仮設条件、住民・近隣条件、見積要項をそろえます。
質疑は窓口へ集約する
候補会社からの質問は指定窓口で受け付け、質問と回答を整理して対象会社へ共有します。会社名や独自提案を開示しないよう配慮します。
現地で判明した条件を記録する
道路、隣地、駐車場、出入口、資材搬入、設備、室外機等の条件を記録し、見積要項へ反映します。
見積条件を全社で統一する
見積条件を統一してから金額を比較します。条件がそろっていない段階では、総額だけの順位を作らないようにします。
数量を3区分に分ける
工事項目を、数量・仕様を確定して見積する項目、想定数量で見積する項目、足場設置後の調査で実数清算する項目へ分けます。
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| 比較項目 | 共通条件 | 見積書の確認 | 差がある場合の対応 |
|---|---|---|---|
| 工事範囲 | 対象面・工種・対象外を共通化 | 範囲図との整合 | 除外項目を一覧化 |
| 材料・仕様 | 製品・性能・工程を設定 | 代替提案を分けて記載 | 基本案と提案案を分ける |
| 確定数量 | 図面等で数量を指定 | 数量・単価・金額 | 算出根拠を確認 |
| 想定数量 | 各社共通の想定値 | 増減単価を記載 | 清算方法を統一 |
| 実数清算 | 調査・承認方法を設定 | 単価と記録方法 | 位置図・写真で確認 |
| 仮設足場 | 面積・種類・期間・防護 | 一式の内訳 | 不足範囲を補正 |
| 住民対応 | 説明会、案内、戸別調整 | 担当者・回数 | 対象外業務を加算 |
| 検査・是正 | 検査者・回数・記録 | 足場使用期間との整合 | 是正後確認を追加 |
| 保証・点検 | 対象・期間・窓口 | 保証書案 | 条件差を評価へ反映 |
相見積もりで工事範囲・数量・仕様を比較する方法も参照してください。
ワンリニューアル独自|仮設足場を公募評価へ入れる
ワンリニューアルでは、外壁全面を対象とする大規模修繕に仮設足場を原則としています。
仮設足場を単なる費用項目ではなく、外壁調査、補修数量、施工、検査、是正を同じ建物座標でつなぐ作業基盤として評価します。
足場面積と対象面の根拠
建物外周、高さ、セットバック、塔屋、バルコニー等から、足場面積と対象範囲の算出根拠を確認します。
作業床・昇降設備・防護養生
複数工種が使用する作業床、昇降設備、メッシュシート、出入口養生、落下防護等を確認します。
住民動線・道路・隣地条件
玄関、避難経路、駐車場、駐輪場、道路、隣地、資材搬入経路との取り合いを確認します。
足場使用期間と解体条件
下地補修、シーリング、塗装、検査、是正が完了するまでの使用期間と、足場解体前の確認条件を評価します。
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| 足場評価項目 | 提案書で確認する内容 | 本体工事との関係 | 評価時の着眼点 |
|---|---|---|---|
| 対象面・面積 | 建物面、高さ、面積の根拠 | 外壁・シーリング等の範囲 | 未設置面・別仮設の有無 |
| 足場の種類 | 枠組、くさび式、部分仮設等 | 建物形状・工種への対応 | 適用範囲が明確か |
| 作業床 | 幅、連続性、配置 | 調査・施工・検査 | 複数工種が使用できるか |
| 昇降設備 | 階段、昇降口、位置 | 作業員・材料・検査動線 | 作業面へ接近しやすいか |
| 防護養生 | メッシュ、朝顔、出入口等 | 居住者・近隣条件 | 範囲と期間が明確か |
| 住民動線 | 玄関、避難経路、駐車場 | 日常生活・緊急時 | 工程変更時の対応 |
| 使用期間 | 設置、存置、解体日程 | 全工種・検査・是正 | 検査前に解体しない計画か |
| 解体条件 | 未施工・未検査・是正確認 | 引渡し・保証資料 | 最終確認の責任者 |
ドローン、ブランコ工法、ロープアクセス等を外壁全面の調査・施工・検査の代替として提案する場合は、適用範囲、進入回数、検査方法、確認できない箇所、記録方法を明示してもらいます。
足場計画と施工・検査・是正の工程を照合する方法、大規模修繕の足場費用・面積・内訳の確認方法も参考にしてください。
公募要項と仮設足場の評価条件を整理します
建物概要、図面、調査報告書、工事範囲表、仕様書、数量表、概算予算、公募案がある場合は、応募会社へ提示する共通条件を整理できます。
仮設足場の面積、作業床、住民動線、使用期間、検査・是正条件を公募評価へ反映し、会社ごとの見積条件をそろえます。
プロポーザル方式で評価する項目
プロポーザル方式では、見積金額だけでなく、今回の建物に対する理解、施工体制、担当者、品質管理等を評価します。
ワンリニューアル独自の100点評価モデル
以下は公的な標準配点ではなく、管理組合が評価軸を検討するための配点例です。建物条件や重視事項に応じて変更します。
※👉横にスクロールできます
| 評価項目 | 配点例 | 主な確認内容 | 確認資料 |
|---|---|---|---|
| 仮設足場・施工計画 | 20点 | 作業床、動線、養生、使用期間 | 仮設計画・工程表 |
| 品質管理・検査・是正 | 15点 | 検査時期、記録、再確認 | 品質計画・検査計画 |
| 現場代理人・施工体制 | 15点 | 経験、説明力、配置体制 | 経歴書・施工体制表 |
| 工程・住民対応 | 15点 | 生活影響、案内、変更対応 | 工程表・住民対応案 |
| 数量・追加工事管理 | 10点 | 実数清算、承認、減額 | 数量管理様式 |
| 保証・アフター点検 | 10点 | 保証範囲、点検、窓口 | 保証書案・点検案 |
| 見積金額・総事業費 | 15点 | 条件統一後の価格 | 見積書・比較表 |
| 合計 | 100点 | 技術・体制・価格を総合確認 | 総合評価表 |
評価表は公募前に決め、提案内容を確認した後で特定会社に有利になるよう変更しないようにします。
最低価格だけで施工会社を選ばない理由
対象外工事が多い場合がある
見積総額が低くても、配管カバー、設備移動、下地補修、住民対応等が対象外になっている場合があります。
仮設条件が異なる場合がある
足場対象面、防護養生、昇降設備、存置期間、検査期間が異なれば、同条件の価格比較ではありません。
想定数量が少ない場合がある
下地補修やタイル補修の想定数量が少ないと、契約後の実数清算で総額が変わることがあります。
施工体制・住民対応・検査が異なる
現場代理人の配置、住民案内、施工中検査、是正後確認、アフター点検等の範囲を確認します。
追加工事の扱いが異なる
追加数量の確認者、単価、承認方法、減額項目の扱いを契約前に決めます。
価格は重要な評価項目です。ただし、同じ工事範囲、仕様、数量、仮設、住民対応、検査、保証へそろえた後に比較します。
ヒアリングでは会社名より担当者の実行力を確認する
現場代理人候補をヒアリングします。会社の営業担当者だけでなく、工事中に管理組合や居住者と接する担当者が提案内容を説明できるか確認します。
- 配置予定の現場代理人候補が出席している
- 提出した仮設計画・工程表を本人が説明できる
- 住民から想定される質問へ回答できる
- 追加数量の確認・承認手順を説明できる
- 施工中検査と是正後確認を説明できる
- 事故・漏水・工程遅延時の連絡経路を説明できる
- 過去案件で担当した具体的な範囲を説明できる
- 工事中に交代する場合の条件が示されている
施工会社ヒアリングの質問項目と評価表も参照してください。
評価結果と採用・不採用理由を記録する
採用・不採用理由を記録します。感想ではなく、公募前に定めた評価項目と提出資料に基づいて整理します。
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評価者、質疑回答、再見積、条件変更、関係会社の確認、理事会決議、総会決議を一連の記録として保存します。
公募しても応募が集まらない場合
応募数が少ないことだけで、公募の手続に問題があったとは判断できません。工事規模、時期、提出負担、市場状況等を確認します。
管理会社・設計者・関連会社との関係を確認する
管理会社や設計コンサルタントから推薦された施工会社も、公募やプロポーザルへ参加できます。推薦されたことだけで候補から除外する必要はありません。
候補会社との資本関係、人的関係、継続的取引関係、紹介関係がある場合は、管理組合が選定判断に必要な範囲を確認します。
管理業者管理者方式等では、採用している管理方式、工事発注に関する承認手続、関係会社への発注、区分所有者への情報開示を確認します。すべてのマンションへ同じ手続が一律に適用されるものではありません。
管理会社経由の見積・紹介料・発注経路の確認方法、大規模修繕の談合と業者選定で確認する事項も参考にしてください。
ワンリニューアル独自の公募・選定台帳
候補会社の受付から契約までを一つの台帳で管理します。評価点だけでなく、候補会社の出所、対象外項目、条件変更、採用・不採用理由を残します。
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候補会社ごとに同じ台帳を1枚作成し、最終的な比較は総合評価表で横並びにします。1つの表へ多数の候補会社と20項目を詰め込まず、候補会社別の台帳と比較表を分けることで、スマートフォンでも内容を確認しやすくなります。
施工会社選定モデル
以下は実案件の応募会社数、金額、選定結果を示すものではなく、公募後の比較方法を説明するモデルです。
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| 比較段階 | 候補会社A | 候補会社B | 候補会社C | 管理組合の確認 |
|---|---|---|---|---|
| 書類審査 | 条件を満たす | 追加資料を確認 | 条件を満たす | 同じ基準で判定 |
| 仮設足場 | 全対象面・検査期間を含む | 一部別仮設 | 足場期間が短い | 適用範囲と期間を補正 |
| 想定数量 | 共通数量で見積 | 一部独自数量 | 共通数量で見積 | 共通数量へそろえる |
| 住民対応 | 説明会・戸別調整を含む | 一部別途 | 管理会社対応を想定 | 担当者と費用を確認 |
| 現場代理人 | 候補者本人が説明 | 営業担当が説明 | 候補者本人が説明 | 配置予定者を再確認 |
| 検査・是正 | 施工中・完了・是正後 | 自主検査中心 | 完了検査を記載 | 同じ検査条件へ補正 |
| 最終判断 | 総合評価へ反映 | 対象外業務を補正 | 工程を再確認 | 価格だけでなく実行体制を評価 |
大規模修繕の公募に関するよくある質問
施工会社は何社募集すればよいですか
建物規模、工事内容、募集方法、管理組合の評価体制によって異なります。会社数だけでなく、条件に合う比較可能な提案を得られるかを確認します。
公募すれば相見積もりになりますか
公募は候補会社を集める方法です。公募後に共通の仕様書、数量表、見積要項を提示して見積を取得します。
入札では最低価格の会社を選ぶ必要がありますか
マンション管理組合の民間発注では、募集要項や評価規程に基づいて判断します。価格以外を評価する場合は、その基準を事前に定めます。
プロポーザル方式では何を評価しますか
仮設計画、工程、品質管理、現場代理人、住民対応、数量管理、検査・是正、保証、価格等を評価します。
管理会社が推薦した会社も参加できますか
参加できます。推薦理由、取引関係、選定基準を確認し、他候補と同じ条件で評価します。
設計コンサルタントが候補会社を選んでもよいですか
支援業務の範囲に応じて候補情報を整理する場合があります。最終的な評価者、決定者、関係会社の確認方法を管理組合で決めます。
公募に応募がなかった場合はどうしますか
応募資格、募集期間、工期、提出資料、工事規模を確認し、条件修正、再公募、指名併用等を検討します。
応募会社を途中で除外できますか
募集要項や評価基準に定めた条件に基づいて判断します。除外理由と確認資料を記録します。
現場代理人のヒアリングは必要ですか
会社の提案を現場で実行する担当者を確認する方法として有効です。配置予定者、担当実績、交代条件を確認します。
評価結果を住民へ公開しますか
管理規約、選定規程、総会資料の方針に基づいて判断します。選定理由を説明できる評価記録を作成します。
不採用会社へ理由を伝えますか
募集要項に通知方法を記載します。通知する範囲は管理組合の方針、選定手続、守秘情報等を踏まえて決めます。
公募・施工会社選定の確認チェックリスト
- 管理組合内の評価者・決定者を決めた
- 発注方式と支援者の役割を確認した
- 工事範囲・仕様・数量を整理した
- 仮設足場の対象面・面積・期間を整理した
- 募集要項と応募資格を作成した
- 候補会社へ同じ資料を交付した
- 質疑回答を同じ条件で共有した
- 確定数量・想定数量・実数清算を分けた
- 対象外・別途工事を一覧化した
- 参加資格と技術評価を二段階に分けた
- 現場代理人候補をヒアリングした
- 検査・是正・足場解体条件を確認した
- 評価配点を公募前に決めた
- 再見積と条件変更を記録した
- 採用・不採用理由を評価基準に基づいて記録した
- 評価結果を理事会・総会資料へ反映した
- 契約後の担当者変更条件を確認した
- 提案内容を施工計画・契約書へ反映した
まとめ|公募は募集ではなく選定手順全体で設計する
公募は候補会社を集める方法です。
公募後の評価・決定手順を先に決めます。
管理組合の選定体制、発注方式、支援者の業務範囲を整理します。
工事範囲、仕様、数量、仮設足場条件を公募前に整理します。
募集要項と参加資格を作成し、書類審査で見積依頼先を絞ります。
全候補会社へ同じ資料と条件を提示します。
見積条件を統一してから金額を比較します。
金額だけでなく施工体制を確認します。
現場代理人候補をヒアリングします。
仮設足場を調査・施工・検査の作業基盤として評価します。
想定数量と実数清算項目を分けます。
採用・不採用理由を記録し、評価結果を理事会・総会資料へ反映します。
個別マンションの規約・選定手順を確認し、契約後も提案内容を施工計画へ引き継ぎます。
ワンリニューアルでは、公募を会社数を増やす作業とは考えません。工事範囲、数量、仮設足場、現場代理人、住民対応、検査・是正を同じ条件で比較し、工事を実行できる会社を選ぶための選定工程として設計します。
大規模修繕の公募・評価・総会説明資料を整理します
現在ある建物概要、図面、調査報告書、仕様書、数量表、長期修繕計画、公募案から、募集要項と共通見積条件を整理できます。
公募方式だけで選定結果を決めず、仮設足場、本体工事、現場代理人、住民対応、検査・是正、価格を評価表へ反映します。
最終的な発注判断は、管理規約、選定手続、理事会・総会決議等に基づいて行います。
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