大規模修繕を2期に分けて工事できる?足場費用・工事範囲・予算による判断方法

大規模修繕は、建物の劣化状況や工事内容によって、2期に分けて実施できる場合があります。ただし、すべての工事を自由に分割できるわけではありません。安全性や防水性能に関わる工事の優先順位を確認し、足場の再設置費用や第2期の資金計画まで考慮して判断することが重要です。
マンションやアパートの大規模修繕では、見積金額が当初の予算を上回り、「必要な工事をすべて一度に実施するのは難しい」と感じることがあります。
そのような場合、工事を一度に実施するのではなく、第1期と第2期に分けて施工する方法を検討する管理組合や一棟オーナーもいるでしょう。
例えば、雨漏りや外壁の危険な劣化には早期対応が必要な一方、緊急性が低い共用部分の美観改善などは、建物の状態によって施工時期を調整できる可能性があります。
しかし、工事を2期に分ければ、必ず費用が安くなるわけではありません。足場や仮設設備を再度設置する必要があれば、工事全体の総額が増える場合もあります。
本記事では、大規模修繕を2期に分ける場合の判断基準、足場費用の考え方、第1期・第2期の工事範囲の決め方、予算計画と見積比較のポイントを具体的に解説します。
- 大規模修繕を2期に分けられる条件
- 足場費用と工事総額の比較方法
- 第1期に優先したい工事の考え方
- 第2期に回す工事と維持管理の注意点
- 予算不足時の判断方法と確認項目

目次
大規模修繕は2期に分けて工事できる?
大規模修繕は、建物の劣化状況や工事内容によって、2期に分けて実施できる場合があります。ただし、雨漏りや落下危険など緊急性の高い部分は先送りせず、建物診断をもとに工事範囲と時期を決めることが重要です。
2期分割工事とは何か
大規模修繕の2期分割とは、今回必要と考えられる修繕工事について、施工内容や実施時期を分け、第1期と第2期に分けて進める方法です。
例えば、建物診断によって緊急性の異なる工事が確認された場合、早期対応が必要な部分を第1期に実施し、施工時期を調整できる部分を第2期に計画することがあります。
この方法は、必要な修繕を一部先行しながら、残りの工事の資金確保や発注準備を進められる可能性がある点が特徴です。
ただし、2期分割は工事総額を安くするための方法とは限りません。工事を分けることで支出時期を調整できても、仮設設備や現場管理の費用が別々に発生する場合があります。
また、同じ建物を東西・南北などの施工区域に分け、連続した工程で工事する方法と、年度や施工時期を分けて発注する2期分割とは異なります。
2期分割:必要な工事の一部を先に実施し、残りを後日施工する方法です。
工事全体の延期:予定していた大規模修繕全体の実施時期を見直す方法です。
工事全体の延期を検討している場合は、大規模修繕を1年延期する場合の判断基準をご確認ください。
2期分割を検討しやすいケース
2期分割を検討する際は、予算だけでなく、工事ごとの緊急性に違いがあるかが重要な判断材料になります。
例えば、次のような条件が考えられます。
- 優先順位を分けられる:早期に実施する工事と、診断結果に基づき時期を調整できる工事がある。
- 緊急性の低い改修が含まれる:建物性能への影響が小さい美観改善などについて実施時期を検討できる。
- 第2期の資金確保に見通しがある:必要な予算と予定時期を具体的に整理できる。
- 施工条件を分けられる:第1期と第2期の工事範囲、足場、工程を合理的に計画できる。
一方、外壁や防水などの劣化が広範囲に進行している場合は、安易に工事を分けると、未施工部分への対応が遅れる可能性があります。
また、同じ足場を利用する複数の工事を別の時期に分けると、仮設費用が増える場合もあります。
管理組合と一棟オーナーでは判断方法が異なる
分譲マンションの管理組合では、工事範囲や予算の変更について、管理規約や既存決議、契約状況に応じて必要な承認手続きを確認します。
特に第2期の実施時期が翌年度以降になる場合は、将来の理事会や修繕委員会へ工事計画を引き継げるよう、決定内容と未施工部分を明確にしておくことが重要です。
一方、賃貸マンション・アパートの一棟オーナーでは、修繕資金だけでなく、賃貸経営上の資金繰り、入居者対応、他の設備更新予定なども考慮します。
いずれの場合も、予算の都合だけで必要な工事を先送りしないことが重要です。
大規模修繕全体の進め方を確認したい場合は、マンション大規模修繕工事の内容・費用・進め方も参考になります。
2期に分けると足場費用は高くなる?
大規模修繕を2期に分ける場合、両方の工事で足場が必要なら、足場の設置・解体・運搬などの費用がそれぞれ発生する可能性があります。分割施工の費用を判断するときは、各期の支出額だけでなく、工事全体の総額を比較する必要があります。
足場を再設置すると費用が増える理由
大規模修繕では、外壁補修や塗装、シーリングなどの工事を実施する際に、足場などの仮設設備が必要になることがあります。
足場に関連する費用には、足場本体の使用や設置だけでなく、次の内容が含まれる場合があります。
- 足場の組立て・解体作業
- 足場資材の運搬・搬入・搬出
- 養生シートなどの仮設設備
- 落下物防止などの安全対策
- 仮設設備の維持管理・点検
- 必要に応じた仮設計画や工程調整
第1期と第2期の両方で足場が必要な場合、これらの費用がそれぞれ計上される可能性があります。
例えば、第1期で外壁の一部を補修し、足場を解体した後、第2期で同じ建物の外壁塗装を実施する場合、再び足場を設置する必要が生じることがあります。
ただし、足場費用が必ず2倍になるわけではありません。各期の施工面積、足場の規模、工事場所、使用期間などによって必要な費用は変わります。
足場が2回必要になる場合でも、両方の足場が同じ規模・条件とは限りません。費用の増減を判断するには、施工会社が計画した各期の仮設内容と見積を確認する必要があります。
必要な安全対策や作業設備を省略して費用を抑えることは、適切な方法ではありません。
一括施工と2期分割は総額で比較する
大規模修繕の分割を判断する際は、第1期の見積金額だけでなく、第2期まで含めた工事全体の費用を比較します。
一括施工と2期分割施工では、主に次のような違いがあります。
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比較するときは、一括施工と2期分割施工で、対象とする工事範囲・材料仕様・施工条件を可能な限りそろえることが重要です。
例えば、一括施工案には防水工事が含まれているのに、2期分割案では防水工事の一部が見積対象外になっていれば、単純な総額比較はできません。
また、第2期の工事金額は将来の施工時期や劣化状況によって変わる可能性があります。現時点の見積が概算なのか、どの条件まで施工会社が提示できるのかも確認しましょう。
見積書の基本的な確認方法は、大規模修繕の見積書の内訳・比較ポイントで解説しています。
一般的な工事費用については、大規模修繕の費用相場と見積総額の考え方も参考になります。
足場を2回設置する可能性がある場合は、第1期の予算だけで判断せず、第2期まで含めた総工事費と必要な仮設設備を比較しましょう。
一括施工と2期分割のどちらが合理的かは、実際の工事範囲と施工条件によって異なります。

第1期と第2期の工事範囲はどう決める?
2期分割の工事範囲は、建物診断で確認した劣化状況、漏水や落下の危険性、設備の機能低下などをもとに決めます。見た目の改善よりも安全性・防水性能・建物機能の維持を優先し、先送りする部分についても再点検や補修の計画を立てることが重要です。
第1期で優先して検討する工事
2期分割を検討する場合、まず確認したいのは、現在の建物に早期対応が必要な劣化があるかという点です。
建物診断などの結果をもとに、優先度が高い工事と、施工時期を調整できる可能性がある工事を整理します。
第1期で優先して検討する工事の例は、次のとおりです。
① 雨漏りが発生している防水部分
屋上やバルコニーなどで雨漏りが発生している場合は、漏水原因や被害範囲を調査し、必要な補修を検討します。
雨漏りがあるからといって、必ず防水工事全体を第1期に実施するとは限りません。実際の原因と建物への影響を確認して判断します。
② 漏水につながる外壁の劣化
外壁のひび割れやシーリングの劣化などが漏水につながっている場合は、必要な補修を優先することがあります。
ただし、ひび割れの状態によって緊急性は異なるため、見た目だけで工事範囲を決めないことが重要です。
③ 外壁材や付属物の落下危険
外壁タイルやモルタル、建物の付属物などに落下のおそれがある場合は、安全確保を優先する必要があります。
立入制限や必要な安全措置を検討し、専門家の確認を踏まえて補修方法を決めます。
④ 手すりや共用設備の著しい劣化
手すりの著しい腐食やぐらつき、共用設備の安全性に関わる不具合などについても、状態を確認して対応の優先順位を決めます。
工事項目の名称だけで判断するのではなく、実際にどの程度の危険性や機能低下があるかが重要です。
「防水工事は必ず第1期」「外壁塗装は必ず第2期」といった決め方は適切ではありません。
例えば、外壁塗装でも下地の保護や防水性能への影響がある場合は、早期施工を検討する必要があります。建物の状態と必要な工事性能を踏まえて判断しましょう。
第2期に回せる可能性がある工事
第2期に回す工事は、単に費用を減らしたい項目から選ぶのではなく、建物診断などで施工時期の調整が可能と判断できる範囲から検討します。
例えば、次のような工事が検討対象になる場合があります。
- 安全性や建物機能への影響が小さい美観改善
- 劣化が軽微で、経過観察が可能な一部共用部分の改修
- 機能面を確認したうえで時期を調整できる設備更新
- 専門家の確認により施工時期を見直せる部分
ただし、これらは一般的な例であり、すべての建物で第2期へ回してよいという意味ではありません。
工事を先送りする場合は、次回点検の時期、劣化状況の確認方法、必要な部分補修、劣化が進行した場合の対応まで整理することが重要です。
また、第1期の施工済み部分と、第2期まで未施工となる部分では、維持管理の条件が異なる場合があります。
第1期で施工した部分については工事記録を保存し、未施工部分については点検や管理を継続する必要があります。
足場を共用できる工事はまとめて検討する
工事範囲を決める際には、劣化状況だけでなく、施工工程や足場などの仮設設備を共用できるかも確認します。
例えば、外壁補修・シーリング・外壁塗装などは、同じ足場を利用して施工できる場合があります。
これらを別の時期に分けると、足場の再設置や居住者への案内、現場管理などが再び必要になる可能性があります。
一方、工事場所や施工方法が異なる場合は、同じ足場を共用できるとは限りません。
そのため、工事の緊急性に加え、施工部位・工法・必要な足場・工程のつながりを確認して、各期の工事範囲を決めます。
建物診断結果を工事範囲へ反映する
第1期と第2期の工事範囲を判断するには、建物診断の結果を具体的な工事計画に反映することが重要です。
例えば、劣化箇所の位置や範囲を図面・写真・数量表で整理し、どの部分を第1期に施工するか、どの部分を第2期まで経過観察するかを明確にします。
工事範囲を分ける根拠が明確であれば、管理組合内で説明しやすくなり、施工会社への見積依頼でも条件をそろえやすくなります。
診断報告書の活用方法については、大規模修繕前の建物診断と劣化状況の確認ポイントをご覧ください。

予算不足の場合、2期分割は有効な方法?
修繕予算が不足している場合、2期分割によって支出時期を調整できる可能性があります。しかし、分割による追加費用や第2期までの劣化進行を考慮する必要があるため、修繕積立金や資金調達の見通しと合わせて判断することが重要です。
工事予算と修繕積立金の残高を確認する
大規模修繕の予算が不足している場合は、まず一括施工に必要な資金と、現在確保できる資金を整理します。
分譲マンションの管理組合では、主に次の項目を確認します。
- 現在の修繕積立金残高
- 第1期工事に必要な資金
- 第2期工事の予定時期と概算費用
- 第2期までの修繕積立金の見込み
- 他に予定されている修繕・設備更新
- 将来も資金不足が継続する可能性
第1期の工事費用を確保できても、その後の修繕積立金が不足し、第2期の実施が難しくなる可能性があります。
そのため、第1期の発注を決める前に、第2期を実施するための資金確保に具体的な見通しがあるか確認する必要があります。
一棟オーナーの場合は、修繕資金に加えて、賃貸経営の資金繰り、入居状況、他の建物設備の更新予定なども判断材料になります。
2期分割で費用負担が軽くなるとは限らない
2期分割の特徴は、工事費用の支出時期を分けられる可能性があることです。
しかし、それは必ずしも工事全体の費用削減を意味しません。
例えば、次のような費用やリスクが考えられます。
- 仮設費の重複:第1期と第2期でそれぞれ足場や養生が必要になる可能性
- 現場管理費:工事ごとの管理や準備、工程調整に関する費用
- 未施工部分の劣化:第2期までに追加補修が必要になる可能性
- 見積条件の変化:材料費・人件費・施工条件などが変わる可能性
- 資金確保の遅れ:予定した第2期に工事を実施できなくなる可能性
- 居住者への影響:騒音や足場、バルコニー使用制限などが複数回発生する可能性
一方で、工事範囲や工程を適切に分けることで、必要な修繕を先行し、資金状況に合わせて残りの工事を計画できる場合もあります。
重要なのは、第1期の支出額だけでなく、2期分割後の総工事費と資金計画を確認することです。
分割以外の方法も比較する
予算不足に対する方法は、2期分割だけではありません。
必要な工事品質と安全性を確保できることを前提として、工事仕様や施工方法の見直し、資金計画の再検討、必要に応じた資金調達などを検討する方法もあります。
ただし、仕様変更によって必ず費用が下がるとは限らず、材料や工法を変更する場合は必要な性能・耐久性・維持管理への影響を確認する必要があります。
また、修繕積立金の使い方や資金調達については、管理組合内での合意形成や必要な承認手続きも重要です。
施工時期の基本的な考え方は、大規模修繕の実施時期と修繕周期の判断基準も参考になります。
長期修繕計画と資金計画の整合性を確認する
大規模修繕を2期に分ける場合は、当初の長期修繕計画における工事時期や支出予定を確認し、必要に応じて見直しを検討します。
国土交通省の「長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン」は、マンションの修繕計画や資金計画を考える際の参考資料です。
また、住宅金融支援機構は、マンション管理組合向けに大規模修繕工事と資金計画の考え方を紹介する手引きを公開しています。
国土交通省
長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン(令和6年6月改定・PDF)
住宅金融支援機構
大規模修繕の手引き~マンション管理組合が知っておきたい工事・資金計画のポイント~
※これらの資料は、長期修繕計画や工事・資金計画を検討する際の参考情報です。個別の大規模修繕について、2期分割施工そのものを一律に推奨するものではありません。
2期分割を検討する際には、建物診断の結果と長期修繕計画、修繕積立金の見通しを照合し、無理のない工事計画を検討しましょう。
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建物の状態によっては、工事範囲や実施時期を見直せる場合があります。
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大規模修繕を2期に分ける前の判断チェックリスト
大規模修繕を2期に分ける前には、建物診断、工事の優先順位、足場の設置回数、総工事費、資金計画、第2期までの維持管理を確認します。これらを整理することで、分割施工が建物と予算に適した方法か判断しやすくなります。
2期分割を検討する前に確認したい9項目
2期分割は、工事を分けること自体が目的ではありません。
必要な修繕を実施しながら、建物の安全性と資金計画を両立できるかを確認するため、次の項目を整理しましょう。
建物診断の結果を確認している
雨漏り・落下危険などの緊急箇所を把握している
第1期と第2期の工事範囲を整理している
足場が各期で必要か確認している
一括施工と分割施工の総額を比較している
第2期の予算確保に見通しがある
未施工部分の点検・補修計画を立てている
居住者への影響を把握している
工事時期と長期修繕計画の整合性を確認している
特に重要な3つの判断ポイント
① 建物診断を省略しない
工事予算を優先して施工範囲を決めるのではなく、建物の劣化状況と工事の必要性を確認することが重要です。
特に、雨漏りや外壁材の落下危険、共用部分の安全性に関わる問題がある場合は、必要な安全措置や補修を優先して検討します。
施工時期を調整する部分についても、診断結果を踏まえて経過観察や点検方法を決めましょう。
② 第1期だけでなく総工事費を確認する
第1期の見積金額が予算内に収まっていても、第2期の費用や仮設費の重複を含めると、一括施工より総額が大きくなる場合があります。
そのため、施工会社には可能な範囲で一括施工案と2期分割案を比較できる見積条件を示してもらうことが重要です。
将来の第2期工事費を確定できない場合は、概算金額であることや、今後変動する可能性がある項目を明確にしておきます。
③ 第2期の実施時期と資金を具体化する
「修繕積立金が貯まったら工事をする」という曖昧な計画では、第2期の施工時期が決まらない可能性があります。
第2期で実施する予定の工事、必要な資金、次回点検や再見積の時期、発注判断の担当者などを整理しておきましょう。
分譲マンションでは、理事会が交代しても計画を引き継げるよう、工事範囲図や診断報告書、見積条件、決議内容などを保存することが重要です。
建物診断・工事の優先順位・総工事費・第2期の資金計画を整理し、施工会社へ具体的な条件を示して相談することが重要です。
必要な工事内容を明確にしたうえで、一括施工と分割施工のどちらが建物の状態に合っているかを検討しましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 大規模修繕を2期に分ければ費用は安くなりますか?
必ず安くなるわけではありません。2期分割では工事費用の支出時期を分けられる可能性がありますが、各期で足場・養生・現場管理などが必要になる場合があります。そのため、第1期だけの金額ではなく、第2期まで含めた総工事費を確認することが重要です。同じ工事範囲・仕様・施工条件を前提に比較しましょう。
Q2. 第2期工事は何年後に実施すればよいですか?
第2期の実施時期について、すべての建物に共通する年数はありません。建物診断の結果、未施工部分の劣化状況、長期修繕計画、修繕資金の見通しなどを踏まえて決定します。延期期間中も必要な点検を継続し、劣化が進行した場合には、予定した施工時期を見直す必要があります。
Q3. 外壁補修と防水工事を別々に施工できますか?
施工部位や建物の状態、採用する工法によっては、別々の時期に施工できる場合があります。ただし、雨漏りへの対応や工事のつながり、足場の共用などを確認することが重要です。「外壁補修」「防水工事」という工種名だけで分割を決めず、建物診断と施工計画に基づいて判断します。
Q4. 修繕積立金が不足している場合、分割以外の方法はありますか?
必要な工事範囲や仕様の再検討、修繕計画の見直し、資金調達などが選択肢になる場合があります。ただし、費用削減を優先して安全性や必要な防水性能・耐久性を損なうことは避けるべきです。建物の状態と必要な工事を整理したうえで、管理組合や一棟オーナーの資金状況に合う方法を検討しましょう。
まとめ|2期分割は総工事費と建物の安全性で判断する
大規模修繕を2期に分けて施工することは、建物の劣化状況や工事内容、資金計画によって検討できる場合があります。
ただし、工事を分けることで必ず費用が安くなるわけではなく、足場の再設置や工事管理費、未施工部分の劣化進行などにも注意が必要です。
2期分割を判断する際は、次の点を確認しましょう。
- 建物診断:現在の劣化状況と工事の緊急性を確認する。
- 工事の優先順位:雨漏りや落下危険など、安全性に関わる箇所を優先する。
- 足場費用:第1期と第2期で仮設設備が重複する可能性を確認する。
- 総工事費:一括施工と2期分割施工を、できる限り同じ条件で比較する。
- 資金計画:第2期の施工時期と必要な予算の見通しを整理する。
- 維持管理:未施工部分の点検・補修計画を継続する。
重要なのは、2期分割が有利かどうかを先に決めるのではなく、建物の状態と資金計画に適した施工方法を選ぶことです。
予算不足などで大規模修繕の進め方に迷っている場合は、建物診断の結果や現在の見積条件を整理し、必要な工事範囲と施工方法について相談することをおすすめします。
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