大規模修繕の施工会社を変更したいときは?管理組合が契約前に確認する再選定・見積・合意

大規模修繕の施工会社は、選定途中や候補決定後でも再検討できる場合があります。ただし、契約書への署名前でも合意によって契約が成立している可能性があるため、契約状況・変更理由・見積条件・管理組合の承認内容を確認することが重要です。
マンションの大規模修繕工事で施工会社を選定している途中に、「このまま現在の会社へ依頼してよいのだろうか」と不安を感じることがあります。
例えば、次のようなケースです。
- 見積書の工事範囲や費用が分かりにくい
- 施工内容について質問しても十分な説明が得られない
- 担当者との連絡が円滑に進まない
- 工事の体制や着工時期に不安がある
- 管理会社から紹介された会社以外も検討したい
- 候補会社を決めた後に、別の提案も確認したくなった
このような場合、施工会社の変更や再選定を検討することは考えられます。
ただし、「まだ工事が始まっていないから変更できる」「契約書に署名していないから自由に取り消せる」とは限りません。
選定がどこまで進んでいるか、管理組合として何を承認したか、施工会社とどのような合意をしているかによって、必要な対応が変わるためです。
また、施工会社を変更するからといって、必ず選定作業を最初からやり直す必要があるとも限りません。
既存の見積条件や比較資料を確認し、変更が必要な部分を整理して進めることが重要です。
この記事では、大規模修繕の施工会社を変更したいと考えている管理組合・理事会・修繕委員会に向けて、次の事項を解説します。
- 契約前に施工会社を変更できるか
- 変更理由をどのように整理するか
- 再選定と再見積をどう進めるか
- 理事会・総会の合意をどう確認するか
- 正式な発注前に何をチェックするか
現在の施工会社を一方的に否定するのではなく、確認できる事実と契約状況を整理し、適切な判断につなげましょう。
目次
大規模修繕の施工会社は契約前に変更できる?
大規模修繕では、正式な契約が成立していない段階で候補会社を見直すことは可能です。ただし、発注書・見積承諾・メール等での合意により、契約が成立している場合もあります。まず現在の選定状況と合意内容を確認しましょう。
最初に確認したい契約・選定状況
施工会社を変更したい場合は、まず現在の選定がどの段階まで進んでいるかを確認します。
主な段階は次のとおりです。
- 情報収集段階:施工会社の資料や情報を集めている
- 見積比較段階:複数社の見積や提案を検討している
- 候補会社の決定段階:有力候補や発注予定先を選んでいる
- 管理組合内の承認段階:理事会・総会等で選定結果を承認している
- 契約成立後:施工会社との工事請負契約が成立している
情報収集や見積比較の段階であれば、候補会社を追加して検討することが考えられます。
一方、すでに理事会や総会で施工会社を承認している場合は、承認内容と変更に必要な手続きを確認する必要があります。
さらに、施工会社との契約が成立している場合は、単なる候補会社の再選定ではなく、契約解除や合意による契約の終了などを検討する問題になります。
そのため、候補として選定した段階なのか、管理組合として承認した段階なのか、契約が成立している段階なのかを区別することが重要です。
契約書への署名前でも注意が必要
施工会社の変更を検討する際、特に注意したいのが契約の成立状況です。
民法の一般原則では、契約は申込みと承諾によって成立し、法令に特別な定めがある場合を除いて、書面の作成が必須とはされていません。
そのため、工事請負契約書へまだ署名していない場合でも、すでに契約が成立している可能性があります。
例えば、次のような資料ややり取りを確認する必要があります。
- 施工会社への発注書や注文書
- 見積に対する承諾の連絡
- 工事を依頼する旨のメール
- 工事条件について双方が合意した記録
- 施工会社が受注を承諾した記録
- 別途依頼した調査・設計等の契約
- キャンセルや費用負担に関する取り決め
ただし、「候補として選びました」「発注する方向で検討しています」といった連絡が、必ず工事請負契約の成立を意味するわけでもありません。
どのような内容について合意したか、相手方の承諾があったかなど、個別の事情に基づく判断が必要です。
「契約書に署名していない=契約していない」とは判断しない
契約の成立と、建設工事の請負契約に求められる書面化の義務は、区別して考える必要があります。
建設業法第19条では、工事内容や請負代金など、所定の契約事項を書面等で明確にすることが求められています。
しかし、契約書面が未完成であることだけを理由に、すでに成立した合意が当然に存在しないとは判断できません。
契約の成立や解除に疑義がある場合は、発注書、メール、契約書、約款等を整理し、必要に応じて弁護士等へ確認しましょう。
契約が成立している場合は変更の扱いが異なる
工事請負契約が成立している場合、施工会社を変更するには、契約内容や法令に基づく確認が必要になります。
例えば、次のような項目を確認することが考えられます。
- 契約書や約款の解除条項
- 双方の合意によって契約を終了できるか
- 既に実施された調査・準備等の業務
- 発注済み材料や手配済み業務の扱い
- 精算・費用負担についての条件
- 解除に伴う通知や必要な手続き
契約成立後の変更では、費用負担や法的な問題が生じる可能性があります。
そのため、契約済みの案件について、施工会社を一方的に変更できると判断しないことが重要です。
契約書や解除条項の詳しい確認については、大規模修繕の工事請負契約書|契約図書・工事範囲・金額・工期・支払・保証の確認方法をご覧ください。

施工会社を変更したい理由はどう整理する?
施工会社の再選定を検討する際は、見積内容への疑問、説明不足、施工体制への不安、工事条件の相違などを具体的に整理します。感覚的な不満と確認できる事実を分け、現在の施工会社へ説明を求めることも重要です。
変更理由として考えられる主な項目
大規模修繕で施工会社を変更したいと感じる理由は、管理組合によって異なります。
例えば、次のような項目が考えられます。
- 見積書の工事範囲が分かりにくい
- 施工数量や材料仕様の説明が不足している
- 追加工事や別途工事の条件が明確でない
- 担当者からの回答や連絡が十分でない
- 現場管理体制や担当者の役割が不明確
- 希望する工期や工事条件と提案が合っていない
- 他の施工会社の提案も検討したい
ただし、これらの疑問があることだけで、現在の施工会社に問題があると断定できるわけではありません。
例えば、見積書に記載されていない項目が、別添の仕様書や質疑回答書で説明されている場合もあります。
また、担当者からの回答が遅い場合でも、確認に時間を要しているなどの事情がある可能性があります。
そのため、変更理由は「不安がある」という表現だけでなく、具体的な確認事項として整理することが重要です。
現在の施工会社へ確認する機会も設ける
施工会社の再選定を決める前に、現在の施工会社へ確認することで、疑問が解消できる場合があります。
例えば、次のような対応が考えられます。
- 見積に含まれる工事範囲の再説明を依頼する
- 使用材料や施工仕様の確認資料を依頼する
- 施工数量の算出条件について質問する
- 現場管理体制や担当窓口を確認する
- 工期・工程の説明を依頼する
- 必要に応じて提案内容の見直しが可能か確認する
これらの確認によって、施工会社を変更せずに進められる可能性もあります。
一方、説明を受けた後も重要な条件が不明確な場合や、管理組合の希望と提案内容に大きな相違がある場合は、再選定を検討する理由になります。
施工会社の変更を先に決めるのではなく、何が問題で、どの条件を確認する必要があるかを明確にすることが大切です。
施工会社変更を考える理由と次の対応
理由を整理する際は、次の表を参考にしてください。
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※表の各項目は、施工会社の良し悪しを一律に判断するものではありません。変更を検討する理由と、確認すべき事項を整理するための例です。
初めて施工会社を選定する際の一般的な評価基準は、大規模修繕の施工会社はどう選ぶ?実績・見積・現場体制・契約前の比較ポイントで解説しています。
施工会社を再選定する場合はどう進める?
施工会社を再選定する場合は、契約状況と変更理由を整理し、現在の見積条件を確認します。その後、必要に応じて別の候補会社から再見積を取得し、比較結果を理事会等で検討して、必要な承認手続きを進めます。
再選定を進める3つの段階
施工会社の再選定では、いきなり別の会社へ発注するのではなく、現在の選定状況と変更理由を整理することが重要です。
一般的には、次の3つの段階で考えると進めやすくなります。
① 変更理由・現在の状況を整理する
まず、現在の施工会社との契約状況、見積内容、選定理由、管理組合内の承認内容を確認します。
- 契約が成立しているか
- 現在の選定がどこまで進んでいるか
- 何を理由に変更したいのか
- 既存見積の工事範囲と仕様
- 理事会や総会で承認済みの事項
この段階で契約が成立している可能性がある場合は、再選定を進める前に契約上の確認を行います。
② 必要に応じて再見積を取得する
現在の見積条件を整理したうえで、別の施工会社へ相談することを検討します。
- 新たに比較する候補会社
- 工事範囲・数量・仕様
- 足場・養生などの仮設条件
- 工期や居住者対応の条件
- 見積の対象外となる工事
新しい見積を取得する場合も、元の見積と工事条件が異なれば、金額だけでは比較できません。
③ 候補を再検討し、必要な承認を行う
現在の候補会社と新たな候補会社の提案を整理し、管理組合として再検討します。
- 変更理由が解消されたか
- 見積・工事条件の違い
- 工期と発注予定への影響
- 現在の決議・承認内容との整合性
- 追加の承認手続きの要否
必要な承認を確認したうえで、正式な工事発注を検討します。
すべての選定作業をやり直す必要があるとは限らない
施工会社の再選定を検討する場合でも、現在の選定作業を必ず最初からやり直す必要があるとは限りません。
例えば、工事範囲や仕様がすでに整理されており、その条件を引き続き使用できる場合は、既存の資料をもとに再見積を検討することがあります。
一方、当初の見積条件自体が不明確な場合は、工事範囲や数量を整理し直す必要があるかもしれません。
また、管理組合内で施工会社の選定が承認されている場合は、現在の決議内容と再選定の進め方を照合する必要があります。
再選定の範囲は、契約状況、既存資料の内容、変更理由によって異なります。
そのため、過去の検討内容を無条件に破棄するのではなく、利用できる資料と再確認が必要な条件を分けて整理しましょう。
現在の施工会社と新たな候補会社の扱いを整理する
再選定を進める際は、現在の施工会社へどのような連絡が必要かも確認します。
例えば、契約関係が成立していないことを確認できた場合でも、見積の再説明を受けている途中や、資料の追加提出を依頼している場合があります。
一方、新しい候補会社へ相談する際には、工事希望内容や選定状況を分かる範囲で伝える必要があります。
ただし、現在の施工会社から受領した提案書や図面、見積明細などを他社へ提供する際は、秘密保持や資料の利用条件に注意しましょう。
管理組合が使用できる資料の範囲を確認し、必要な情報を適切に整理することが重要です。

施工会社を変更することだけを目的にしない
見積の説明不足や工事条件への不安は、現在の施工会社へ確認することで解消できる場合があります。
一方、重要な条件が不明確なままの場合は、再選定の検討が必要になることもあります。
変更理由・契約状況・見積条件を整理し、管理組合として判断できる資料をそろえることが重要です。
現在の施工会社の見積や工事提案に不安がある管理組合様へ
大規模修繕の施工会社を変更するか迷っている場合は、まず契約状況と現在の見積条件を確認することが重要です。
工事範囲や施工仕様、希望する工事内容が明確になっていれば、別の施工会社への相談を検討しやすくなります。
ワンリニューアルでは、マンション・アパートの大規模修繕、外壁改修、防水工事についてご相談を承っています。
管理組合・理事会・修繕委員会の方で、大規模修繕の見積や工事内容をご検討中の場合は、お問い合わせください。
※契約成立・解除・違約金などの法的判断については、必要に応じて弁護士等の専門家へご確認ください。
再見積では何を同じ条件で比較する?
再見積では、工事範囲・数量・施工仕様・足場・諸経費などの前提条件をそろえることが重要です。現在の見積と新しい見積で条件が異なる場合、総額だけを比較して施工会社の優劣を判断することはできません。
再見積で確認したい主な項目
施工会社を再選定するために新たな見積を取得する場合、現在の見積との違いを確認する必要があります。
主に確認したい項目は次のとおりです。
- 工事範囲:外壁・屋上防水・鉄部・共用部などの対象
- 施工数量:面積・延長・箇所数・補修想定数量
- 施工仕様:材料・工法・下地補修・仕上げ方法
- 仮設工事:足場・養生・安全設備
- 付帯工事:撤去・処分・関連する補修
- 諸経費:現場管理費などの扱い
- 施工条件:工期・作業時間・居住者対応
- 契約条件:支払・保証・アフター対応
- 対象外項目:別途工事と追加工事の条件
例えば、現在の見積では外壁補修と屋上防水が含まれている一方、新しい見積では外壁補修だけが対象となっている場合、総額が安くても同じ工事内容ではありません。
また、現在の見積では足場が含まれ、新しい見積では別途工事となっている場合もあります。
そのため、施工会社の変更を判断する際は、現在の見積と再見積の工事条件をそろえることが重要です。
以前の見積と条件が変わった場合
施工会社の再選定では、当初の見積取得時から時間が経過している場合があります。
その間に、工事の希望範囲や施工条件が変わっている可能性もあります。
例えば、次のような変更が考えられます。
- 調査によって補修数量が見直された
- 外壁と防水の工事範囲が変更された
- 使用材料や施工仕様が変更された
- 工事開始の希望時期が変わった
- 足場や居住者対応の条件が変わった
- 見積有効期限を過ぎた
- 見積作成時点の価格条件が変わった
このような場合は、現在の見積と新しい見積の作成日や条件を確認する必要があります。
特に、施工会社の変更による金額差なのか、工事範囲や仕様の変更による金額差なのかを区別することが重要です。
工事費の高騰や見積後の増額について詳しく確認したい場合は、大規模修繕の費用が高騰したら?見積後の増額・再見積・契約前の確認ポイントも参考にしてください。
現在の見積と再見積の簡易比較表
施工会社の変更を検討する際は、次のように条件の違いを整理しましょう。
※👉横にスクロールできます
※表は現在の見積と再見積の条件差を確認するための整理例です。具体的な工事数量や保証期間は設定していません。
見積を比較する際は、施工会社ごとの金額差が、施工内容の違いによるものなのか、同じ条件での見積差なのかを確認することが重要です。
相見積もりの詳しい手順は、大規模修繕の相見積もりはどう取る?条件をそろえて施工会社を比較する進め方をご覧ください。
また、各社の評価項目や比較表の作成方法は、大規模修繕の施工会社をどう比較する?管理組合向け評価表の作り方で解説しています。

再選定は「より安い会社を探すこと」だけではありません
新しい施工会社から見積を取得する際は、工事範囲や仕様が適切か、必要な施工内容が含まれているかも確認しましょう。
また、費用だけでなく、現場管理体制、工期、居住者対応、保証条件などの違いも判断材料になります。
施工会社を変更することが、必ず費用削減や品質向上につながるわけではありません。
施工会社変更には理事会や総会の合意が必要?
施工会社の変更に必要な承認は、管理規約、工事内容、予算、既存の決議内容などによって異なります。理事会で検討できる事項と、総会で承認が必要な事項を確認し、再選定の理由と決定過程を記録することが重要です。
まず既存の選定・承認内容を確認する
大規模修繕の施工会社を再選定する場合、現在の候補会社がどのような手続きで選ばれたかを確認する必要があります。
例えば、次のような事項です。
- 理事会で候補会社を決めたのか
- 総会で施工会社を承認したのか
- 工事範囲や予算はどこまで承認されているか
- 施工会社の最終選定を理事会へ委任しているか
- 契約締結権限を誰が持っているか
- 変更によって承認済みの条件が変わるか
例えば、総会で特定の施工会社を含む工事計画が承認されている場合は、その決議内容と変更案の整合性を確認する必要があります。
一方、施工会社の選定が一定の範囲で理事会へ委任されている場合には、その委任内容や権限を確認します。
ただし、これらのケースについて、すべて理事会だけで変更できる、あるいは必ず総会決議が必要になるとは断定できません。
管理規約、既存決議、契約内容、関係法令に基づいて必要な承認手続きを確認することが重要です。
理事会で整理したい内容
施工会社の変更を検討する際、理事会では次のような事項を整理すると判断しやすくなります。
- 現在の施工会社を選定した経緯
- 変更を検討する具体的な理由
- 現在の見積と再見積の違い
- 工事範囲や施工仕様の変更点
- 工期や予算への影響
- 新たな候補会社を選ぶ理由
- 既存決議との整合性
- 必要な承認手続きと今後の予定
理事会の検討では、単に「現在の会社に不安がある」と説明するのではなく、確認した事実と比較結果を整理することが重要です。
例えば、見積範囲が不明確だった場合は、現在の施工会社へ確認した内容と、その回答を記録します。
また、新しい候補会社の提案が異なる場合は、どの条件が変わったのかを整理します。
こうした経緯を議事録に残すことで、後から選定理由や変更の必要性を確認しやすくなります。
総会での説明が必要になる場合
施工会社の変更に伴い、既存の総会決議との関係を確認する必要がある場合があります。
例えば、工事予算や契約先、工事計画の内容が変更される場合です。
ただし、必要な決議の種類や要件は、物件の管理規約や関係法令、既存の承認内容などによって異なります。
総会での説明が必要となる場合は、次のような資料を整理します。
- 施工会社の変更理由
- 現在の候補会社と新たな候補会社の比較結果
- 工事内容と見積条件の違い
- 費用・工期への影響
- 変更後の発注予定
- 必要な契約・承認手続き
また、質問や反対意見があった場合にも、比較の根拠や検討経緯を説明できるようにしておくことが重要です。
選定理由と議事録の整理については、大規模修繕の施工会社選定理由はどう整理する?比較根拠・理事会説明・議事録の残し方をご覧ください。
管理組合内の合意形成で注意すること
施工会社の変更を検討する際は、手続きだけでなく、管理組合内での情報共有も重要です。
例えば、変更理由が理事会内で十分に共有されていない場合、後から選定過程に疑問が生じる可能性があります。
また、再見積の条件が異なっている場合は、金額差の理由が十分に伝わらないこともあります。
そのため、次の点を意識しましょう。
- 変更理由を具体的な資料で示す
- 現在の施工会社へ確認した内容を記録する
- 再見積の条件差を明確にする
- 理事会・総会の必要な承認手続きを確認する
- 決定までの経緯を議事録に残す
管理会社や設計事務所などが選定支援を担当している場合は、既存の契約に基づく業務範囲も確認しましょう。
特に、2026年4月施行の改正区分所有法も踏まえ、現在適用される関係法令と管理規約の内容を確認する必要があります。
ただし、改正法の施行を理由に、施工会社の変更に関する決議要件を一律に決めつけることは適切ではありません。
個別の決議内容や権限について判断が難しい場合は、管理規約と関係資料を整理し、必要に応じて専門家へ確認しましょう。

施工会社を変更する前に確認したいチェックリスト
施工会社を変更する前に、契約状況、変更理由、見積条件、選定の進捗、管理組合の承認内容を確認します。これらを整理してから再選定を進めることで、不要な手戻りや契約・発注に関する認識の違いを防ぎやすくなります。
再選定前の確認事項
施工会社を変更するか判断する前に、次の項目を確認しましょう。
発注書・見積承諾・契約書・メール等の合意内容を確認しているか。
見積・対応・工事条件など、何が問題なのか明確になっているか。
不明点の説明や追加資料を依頼する必要がないか。
工事範囲・数量・施工仕様・仮設条件を把握しているか。
利用できる図面・仕様書・工事範囲の資料などがあるか。
現在の見積と新しい見積で条件が変わっていないか。
施工会社・工事範囲・予算について何が承認されているか。
管理規約や既存決議に基づき、どの手続きが必要か。
再見積・調査・承認によって工事計画が変わる可能性はないか。
解除・合意終了・精算等について必要な専門家確認を行っているか。
再選定による工事時期への影響
施工会社を再選定する場合、見積取得や現地確認、管理組合内の承認手続きによって、工事開始時期が変わることがあります。
例えば、候補会社の変更に伴い、新たな現地調査や見積資料の作成が必要になる場合です。
また、工事の希望時期が近い場合は、施工会社の工程や資材手配の状況も確認する必要があります。
ただし、再選定を行えば必ず工事開始が遅れると決まっているわけではありません。
すでに必要な資料が整っている場合や、新たな施工会社と条件を確認できる場合など、状況によって必要な期間は異なります。
再選定を検討する際は、変更に必要な手続きと、希望する工事時期への影響を分けて確認することが重要です。
施工会社を変更するか判断に迷った場合
施工会社の変更を検討していても、現在の見積内容や契約状況によっては、どこから確認するべきか分からない場合があります。
そのようなときは、まず次の情報を整理しましょう。
- 現在の施工会社の選定状況
- 発注書・契約書・合意記録の有無
- 現在の見積書と工事内容
- 変更を検討している理由
- 管理組合内で承認済みの事項
- 今後希望する工事の内容・時期
契約関係が不明確な場合は、まず契約上の確認が必要です。
一方、工事見積や施工条件について比較を検討している場合は、施工会社へ工事希望内容を相談することが考えられます。
契約解除などの法的判断と、工事内容や見積についての施工相談は区別して進めましょう。
大規模修繕の施工会社変更に関するよくある質問
大規模修繕の施工会社は、選定途中であれば再検討できる場合があります。ただし、契約書への署名前でも契約が成立している可能性があり、再見積や理事会・総会の承認についても現在の状況に応じた確認が必要です。
Q1.契約書に署名する前なら施工会社を変更できますか?
候補会社の再検討は可能ですが、契約書への署名前だからといって、必ず自由に変更できるとは限りません。
発注書や見積承諾、メール等による合意によって、契約が成立している場合があるためです。
まず契約・発注状況を確認し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
Q2.施工会社を一度決めたら変更できませんか?
必ずしも変更できないわけではありません。
ただし、候補会社を決めただけなのか、管理組合で正式に承認したのか、契約が成立しているのかによって必要な対応が変わります。
選定状況と契約内容、既存の決議を確認することが重要です。
Q3.施工会社を変更する場合、再見積は必要ですか?
新しい候補会社と工事内容や費用を比較する場合は、見積条件を確認することが重要です。
現在の見積と工事範囲・数量・仕様などが異なる場合、総額だけでは比較できません。
ただし、すべての案件で同じ手順の再見積が必ず必要になるわけではありません。
現在の資料や選定状況に応じて判断します。
Q4.理事会だけで施工会社を変更できますか?
管理規約や既存決議、理事会に委任された権限などによって異なります。
例えば、施工会社の選定や工事予算について総会で承認されている場合は、その決議内容と変更案の整合性を確認する必要があります。
理事会だけで変更できるとも、すべての変更に総会決議が必要とも一律には判断できません。
Q5.すでに契約した施工会社も変更できますか?
契約内容や事情によっては、合意による契約終了や解除などの検討が必要になる場合があります。
ただし、解除の可否、費用負担、違約金等については、契約書や約款、関係法令、個別事情に基づく判断が必要です。
施工会社へ一方的に解除を通知する前に、契約資料を整理し、必要に応じて弁護士等へ確認しましょう。
まとめ|施工会社の変更は契約状況・再見積・合意を確認して進めよう
大規模修繕の施工会社を変更したい場合は、現在の契約状況と変更理由を確認し、必要に応じて同じ条件で再見積を比較します。あわせて管理組合内の承認内容を整理し、契約成立後の変更は法的な確認も行いましょう。
施工会社の変更を検討する際は、次のポイントを押さえることが重要です。
- まず契約・発注状況を確認する
契約書への署名前でも、合意内容によって契約が成立している可能性があります。
- 変更理由を具体的に整理する
見積への疑問や施工体制への不安などについて、確認できる事実と未確認事項を分けましょう。
- 現在の施工会社へ確認する機会も検討する
見積内容の再説明や不足資料の提出によって、疑問が解消する場合もあります。
- 再見積は工事条件をそろえて比較する
工事範囲・数量・仕様・仮設・諸経費などの違いを確認します。
- 管理組合の承認内容を確認する
理事会や総会で何を承認しているかを確認し、必要な再承認の手続きを整理します。
- 契約成立後は法的な確認を優先する
解除や精算、費用負担などは契約内容と個別事情によって異なります。
大規模修繕の施工会社を変更することは、必ずしも不適切な判断ではありません。
一方、変更すること自体が目的になると、現在の施工会社との確認事項や、管理組合内で承認済みの条件を見落とす可能性があります。
また、再選定によって必ず工事費が安くなる、工事品質が高くなると決まっているわけではありません。
そのため、変更を検討する際には、契約状況と選定経緯を確認したうえで、工事内容と見積条件を整理することが重要です。
現在の施工会社の提案について不明点がある場合は、まず必要な説明を求めることも考えられます。
そのうえで、別の候補会社から提案を受ける必要がある場合は、現在の見積と条件をそろえて比較しましょう。
管理組合として変更理由・契約状況・見積条件・承認手続きを整理し、納得できる施工会社選定につなげることが大切です。
大規模修繕の見積・施工会社選定はワンリニューアルへ
大規模修繕の施工会社を選定中、または候補会社を決めた後に、見積内容や工事条件について不安を感じることがあります。
施工会社の再選定を検討する際は、まず現在の契約状況や変更理由を確認し、必要に応じて工事内容と見積条件を整理することが重要です。
ワンリニューアルでは、マンション・アパートの大規模修繕、外壁改修、防水工事に関するご相談を承っています。
分譲マンションの管理組合・理事会・修繕委員会の方で、施工会社への見積相談や工事内容の確認をご検討中の場合は、お問い合わせください。
お電話でのご相談
受付時間 9:00~18:00(日曜日定休)
※既存の工事請負契約の解除・精算等に関する法律相談は、弁護士等の専門家へご確認ください。






