大規模修繕の完了検査とは?引き渡し前に確認したいチェックポイント

『大規模修繕の完了検査とは?引き渡し前に確認したいチェックポイント』
をご紹介させて頂きます!
大規模修繕では、施工会社から「工事が完了しました」と報告された時点で、そのまま引き渡しへ進むわけではありません。
完了検査では、契約・仕様どおりに施工されているか、仕上がりに気になる点がないか、中間検査で指摘した事項が是正されているかなどを確認します。
本記事では、大規模修繕の完了検査の目的、確認する内容、問題を見つけた場合の対応、管理組合が押さえておきたいチェックポイントを整理します。
目次
大規模修繕の完了検査とは?
ここでいう完了検査は、大規模修繕工事における実務上の品質確認を指します。
「法令上、必ず完了検査という名称で実施する検査」という意味ではなく、名称や実施方法、確認項目は契約内容や発注方式、施工体制によって異なる場合があります。
重要なのは、「工事が終わった」という報告だけで完了と判断せず、予定した工事が適切な状態で完了しているかを確認することです。

完了検査と中間検査は何が違う?
中間検査と完了検査は、どちらも施工品質を確認するための工程ですが、実施する時期と確認する対象が異なります。
中間検査で確認した内容は、完了検査にもつながります。特に中間検査で指摘事項があった場合は、完了検査時に対応状況を改めて確認します。
完了検査はいつ行う?
完了検査は、単に工事期間の最終日に行えばよいものではありません。
まず施工会社側で施工内容を確認し、その後、契約や施工体制に応じて完了検査を実施します。
実際の流れは契約内容や施工体制によって異なりますが、完了検査と引き渡しを同じものとして扱わないことが重要です。
完了検査では何を確認する?
完了検査は、完成した建物を見て「きれいになった」と確認するだけではありません。
契約した工事が予定どおり実施されているか、見た目だけでは分からない施工記録が残されているか、途中で発生した指摘や変更内容が適切に処理されているかまで確認します。
①契約・仕様どおりに施工されているか
完了検査では、まず「予定した工事が実施されているか」を確認します。
工事途中で変更や追加工事が発生した場合は、その変更理由、管理組合側の承認、費用、実際の施工内容なども確認します。
②仕上がりに問題がないか
完成後だからこそ確認しやすいのが、目に見える仕上がりです。
管理組合でも比較的確認しやすい項目として、次のようなものがあります。
・汚れ
・傷
・剥がれ
・塗り残し
・シーリングの仕上がり
・防水部分の仕上がり
・タイル補修部分の仕上がり
・清掃状態
ただし、見た目に関する軽微な問題と、機能・施工品質に関係する問題は同じではありません。
気になる点がある場合は、その場で原因や重大性を決めつけるのではなく、場所と状態を記録し、施工会社や監理者等へ説明を求めます。
③中間検査の指摘事項が是正されているか
中間検査で気になる箇所や確認事項があった場合は、「その後どうなったか」を完了検査で確認します。
「指摘した」という記録だけで終わらせず、指摘→是正→確認まで追うことが重要です。
④施工漏れ・未施工箇所がないか
大規模修繕では施工範囲が広いため、目立つ場所だけを確認すると、端部や設備周辺などを見落とす可能性があります。
・建物の端部
・設備の裏側や周辺
・共用廊下
・階段
・屋上設備周辺
・普段目につきにくい共用部分
「全体的にきれいに仕上がっている」だけで判断せず、図面や仕様書、施工範囲表などと照合しながら確認します。
⑤施工写真・記録がそろっているか
完成後の外観だけでは、施工途中にどのような作業を行ったのか確認できない部分があります。
そのため、施工記録も品質確認の重要な材料になります。
これらの記録は、将来の修繕や次回の大規模修繕を検討する際にも重要な資料になります。
完了検査には誰が参加する?
完了検査に関わる可能性があるのは、次のような関係者です。
・現場代理人
・設計監理者
・管理会社
・管理組合
・修繕委員会
ただし、全員が必ず参加するわけではありません。
設計監理方式、責任施工方式などの発注方式や、管理会社の関与範囲、契約内容によって参加者や役割は変わります。
管理組合が確認したい7つのチェックポイント
①工事範囲は契約どおりか
図面や仕様書、見積書等と照らし合わせ、施工場所、数量、工事項目、除外箇所などを確認します。
②仕上がりに気になる点はないか
色、汚れ、傷、仕上がり、塗り残しなど、管理組合でも確認しやすい項目を見ます。気になる点は、その場で場所と内容を記録します。
③未施工箇所はないか
端部、裏側、設備周辺、階段、共用廊下、屋上設備周辺など、目立たない場所も確認します。
④中間検査の指摘は直っているか
中間検査の記録と比較し、指摘事項について「指摘→是正→確認」まで完了しているかを確認します。
⑤変更・追加工事は記録されているか
工事途中で変更や追加工事があった場合は、変更内容、理由、承認、金額、実際の施工状況が整理されているか確認します。
⑥施工写真・記録はそろっているか
特に、完成後には確認できなくなった部分の記録が重要です。施工写真や工程記録を確認できる状態になっているかを確認します。
⑦指摘事項への対応方法が明確か
完了検査で新たに気になる点が見つかった場合は、次の事項を曖昧にしないようにします。
・いつまでに対応するのか
・どのように直すのか
・是正後にどのように確認するのか
対応内容が決まらないまま、そのまま引き渡しへ進まないことが重要です。

大規模修繕の完了検査では、施工範囲、仕上がり、中間検査での指摘事項、施工記録などを確認します。
「どこまで確認すればよいか分からない」
「気になる仕上がりがある」
「是正内容が十分か確認したい」
という場合は、引き渡し前の確認内容を整理できます。
完了検査で不具合を見つけたらどうする?
気になる状態を見つけても、その場で原因や施工不良かどうかを管理組合だけで断定する必要はありません。
まず「どこに」「どのような状態があるか」を記録し、施工会社や監理者等に確認します。
指摘事項は口頭だけで終わらせず、写真、場所、内容、施工会社側の回答、対応期限などを一覧化すると、その後の確認がしやすくなります。
是正後は再検査する?
完了検査で指摘した箇所が是正された場合は、対応したという報告だけで終わらせず、実際にどのように直ったのかを確認します。
確認方法としては、
・是正後の写真を確認する
・報告書を確認する
・指摘事項一覧表で対応状況を確認する
などがあります。
すべての工事範囲を最初から全面再検査するという意味ではなく、指摘内容や重要度に応じて確認方法を決めます。
完了検査と引き渡しは同じ?
完了検査は、主に現場・施工品質を確認する工程です。
一方、引き渡しでは、完成図書、保証書、施工写真、鍵など、工事完了後に管理組合が受け取る資料や物品の確認も必要になります。
つまり、
という流れで考えると分かりやすくなります。
本記事では完了検査に重点を置き、保証書や完成図書など引き渡し書類の詳細については深掘りしていません。
大規模修繕の完了検査に関するよくある質問
まとめ|完了検査は引き渡し前の最終確認
大規模修繕の完了検査は、工事が終わったことだけを確認する工程ではありません。
完了検査で重要なのは、
「工事が終わったか」
だけではありません。
「予定した工事が、適切な状態で完了しているか」
を確認することが重要です。
管理組合が専門的な施工品質をすべて自分たちで判定する必要はありません。契約内容、施工範囲、記録、仕上がり、指摘事項への対応を一つずつ確認し、疑問点があれば施工会社や監理者等へ説明を求めます。
完了検査は、工事が終わったことを確認するだけではありません。
契約・仕様どおり施工されているか、指摘事項が是正されているか、記録が残っているかを確認し、納得した状態で引き渡しへ進むことが重要です。
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