合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が取るべきステップ
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『合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が取るべきステップ』
をご紹介させて頂きます!
目次
- 合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が取るべきステップ
- なぜ“反対が多い”状態になるのか?合意形成がこじれる構造
- 「敵を作らない合意形成」の基本方針
- 反対意見が多い管理組合のための“8ステップ合意形成プロセス”
- STEP1|現状把握と課題の整理(理事会内)
- STEP2|劣化診断・長期修繕計画・資金シミュレーションの整備
- STEP3|理事会内での共通認識づくり
- STEP4|住民説明の戦略設計(誰に何をどう伝えるか)
- STEP5|一次説明会:情報共有と問題提起
- STEP6|意見の吸い上げと内容修正
- STEP7|二次説明会:選択肢付きの最終案提示
- STEP8|総会での議決と、その後のフォロー
- タイプ別|“強い反対者”がいる場合の向き合い方
- ワンリニューアルが支援できること|“合意形成まで”をトータルでサポート
- まとめ|反対意見が多いほど、“プロセス設計”が成功の鍵になる
合意形成の進め方|反対意見が多い管理組合が取るべきステップ
修繕積立金の値上げや大規模修繕工事の実施は、管理組合にとって避けて通れないテーマです。ところが、いざ議案を出してみると、
- 反対意見が想像以上に多くて議決できない
- 総会が紛糾し、理事会への不信感が高まってしまった
- 「また来年に」という先送りが繰り返されている
という状況に陥る管理組合も少なくありません。
「合意形成」は、正しいことを主張すれば自動的に得られるものではなく、段階的に設計して進める“プロセス”です。
本記事では、特に「反対意見が多い」管理組合が、どのようなステップを踏むことで合意形成を成功させられるのかを、マンション管理の専門家視点で整理していきます。住民説明会や理事会の運営に、そのまま活用できる構成です。
なぜ“反対が多い”状態になるのか?合意形成がこじれる構造
まず、合意形成が難航する管理組合には、いくつかの共通したパターンがあります。
よくあるパターン①|「値上げありき」の説明から入ってしまう
最初の説明がいきなり、
- 「修繕積立金を〇円値上げしたい」
- 「大規模修繕で一時金が必要です」
という“結論”だけを伝える形になっているケースです。
住民側からすれば、「なぜ今なのか」「なぜこの金額なのか」が分からないまま「負担増」だけを突きつけられるため、反発が生まれます。
よくあるパターン②|情報が少なく、根拠が見えない
次のような状態も、反対を生みやすい条件です。
- 劣化状況の写真が共有されていない
- 工事費の根拠(数量・単価)が示されていない
- 長期修繕計画の収支グラフが出てこない
「分からないから、とりあえず反対しておこう」という心理が働きやすくなります。
よくあるパターン③|理事会と住民の“温度差”が大きい
理事会は毎月資料を見て検討しているため、「このままでは足りない」という危機感があります。一方、一般の区分所有者は年に1度の総会資料しか見ません。
この情報格差が、
- 理事「このままでは危険です」
- 住民「急ぎすぎでは?」「もっと安くできるのでは?」
というすれ違いを生みます。
「敵を作らない合意形成」の基本方針
反対意見が多い管理組合こそ、次の基本方針を押さえることが重要です。
基本方針①|反対意見は“排除”ではなく“材料”と捉える
反対は「邪魔な声」ではなく、
「どこが理解されていないのかを教えてくれるフィードバック」です。
基本方針②|“合意形成のステップ”を設計してから動く
単発の説明会・単発の議案提出ではなく、
- 情報共有 → 意見聴取 → 修正 → 最終案提示 → 決議
というプロセスを、あらかじめ時間軸で設計しておくことが大切です。
基本方針③|「数値」「写真」「第三者の意見」を軸に進める
理事会と住民の主観的なぶつかり合いを避けるため、
- 劣化診断の結果(写真・報告書)
- 長期修繕計画の収支シミュレーション
- 専門家による第三者意見
といった「客観的な材料」をベースに議論することが、合意形成の王道です。
反対意見が多い管理組合のための“8ステップ合意形成プロセス”
ここからは、反対意見が多い管理組合でも実践しやすい「8つのステップ」を紹介します。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| STEP1 | 現状把握と課題の整理(理事会内) |
| STEP2 | 劣化診断・長期修繕計画・資金シミュレーションの整備 |
| STEP3 | 理事会内での共通認識づくり |
| STEP4 | 住民説明の戦略設計(誰に何をどう伝えるか) |
| STEP5 | 一次説明会:情報共有と問題提起 |
| STEP6 | 意見の吸い上げと内容修正 |
| STEP7 | 二次説明会:選択肢付きの最終案提示 |
| STEP8 | 総会での議決と、その後のフォロー |
STEP1|現状把握と課題の整理(理事会内)
まず理事会として、次のポイントを“言語化”しておくことが重要です。
- いつ、どんな工事が必要なのか(例:築〇年で外壁・防水)
- どれくらいの費用が想定されるのか
- 現状の積立残高・今後の積立予定額
- 不足額(いつ、いくら足りなくなるのか)
ここが曖昧なまま説明会に臨むと、住民からの質問に答えられず、かえって不信感を招きます。
STEP2|劣化診断・長期修繕計画・資金シミュレーションの整備
合意形成の“土台”となるのが、次の3つです。
- ① 建物の劣化診断(写真・報告書)
- ② 現実的な長期修繕計画(周期・単価・工事項目)
- ③ 修繕積立金の収支シミュレーション
診断と計画がないまま進めるリスク
診断・計画が不十分だと、
- 「本当にこの工事が必要なのか?」
- 「見積が高すぎるのでは?」
といった疑念が生まれます。
ワンリニューアルの役割
ワンリニューアルでは、国家資格者による劣化診断から、現実的な長期修繕計画・費用シミュレーションまで一体的に作成し、「議論の土台となる客観資料」をご用意します。
STEP3|理事会内での共通認識づくり
住民説明の前に、理事会がバラバラな状態だと、説明会の場で理事同士が意見対立を起こし、合意形成はさらに難しくなります。
理事会内で確認しておくべきポイント
- どこまでが“絶対に必要な工事”か
- 優先度の低い工事・削減できる仕様はどこか
- 値上げの目標ライン(例:最低限・標準・ゆとり案)
- 一時金や借入をどこまで許容するか
この段階で、「理事会としての方針」を固めておくことが重要です。
STEP4|住民説明の戦略設計(誰に何をどう伝えるか)
説明の仕方ひとつで、反応は大きく変わります。
① 説明の順番を設計する
おすすめは次の順番です。
- ① 建物の現状(劣化状況・写真)
- ② 必要な工事とその理由
- ③ 工事費の概算と根拠
- ④ 積立金の現状と不足額
- ⑤ 値上げ or 一時金の案(複数パターン)
いきなり「お金の話」から入らないことが重要です。
② 誰が説明するか
- 理事長:全体の方針・管理組合としての考え方
- 修繕担当理事:技術的な説明
- 専門家(ワンリニューアルなど):診断結果・計画の妥当性
第三者が入ることで、「理事会の自己判断ではない」という安心感につながります。
STEP5|一次説明会:情報共有と問題提起
反対が多い管理組合ほど、「議決の前に“一次説明会”を行う」ことをおすすめします。
一次説明会の目的
- 決議をとる場ではない
- 現状・課題・不足リスクを共有する場
- 住民の不安や質問を“聞き取る”場
ここで大事なのは、
「すぐに賛否を迫らないこと」です。
一次説明会で必ず伝えたいこと
- 建物の劣化状況(写真つき)
- 必要な工事の内容
- 工事を先送りした場合のリスク
- 現在の積立金と将来の収支見通し
この段階では、金額の具体案は「たたき台」として提示する程度に留め、住民の反応を丁寧に聞き取ります。
STEP6|意見の吸い上げと内容修正
一次説明会で出た質問・不安・反対意見は、合意形成を進めるための貴重な情報です。
意見の整理のポイント
- 金銭的な不安(払えない・負担が大きい)
- 情報不足(なぜその金額なのか分からない)
- 不信感(本当に必要なのか?高すぎないか?)
- 工事内容への疑問(範囲が広すぎないか?)
これらをもとに、
- 説明資料の改善(図・写真・グラフの追加)
- 工事内容の見直し(過剰仕様の削減)
- 値上げ案の再検討(段階的引き上げなど)
を行うことで、次のステップでの反発が大きく減ります。
STEP7|二次説明会:選択肢付きの最終案提示
二次説明会では、「いよいよ最終案」に近い内容を提示します。
ここでのポイント:必ず“選択式”にする
例えば、次のような形です。
- A案:月+2,000円 → 〇年後に赤字解消
- B案:月+3,500円 → 次回大規模修繕まで黒字維持
- C案:値上げなし → △年後に積立金枯渇、将来一時金〇万円見込み
「上げるか/上げないか」ではなく、「どの選択肢を取るか」にすると、議論が前向きになります。
二次説明会で使うべき資料
- 各案ごとの収支グラフ
- 各案のメリット・デメリット比較表
- 将来の一時金・借入リスクの有無
ここまで来ると、多くの住民は「どれが一番現実的か」という視点で考え始めます。
STEP8|総会での議決と、その後のフォロー
総会当日は、「初めて聞く人」が出ないようにすることが重要です。
可能な限り、一次・二次説明会や書面資料で事前共有しておきましょう。
総会運営のポイント
- 議案説明は簡潔に(詳細は配布資料でカバー)
- 質疑の時間をあらかじめ確保しておく
- 同じ質問には、統一された回答を行う
決議後は、
- なぜこの案に決まったのか
- 今後のスケジュール
- 住民へのメリット
を改めてお知らせにまとめることで、「置いていかれた感」を減らすことができます。
タイプ別|“強い反対者”がいる場合の向き合い方
反対意見の中でも、特に声が大きい一部の住民が議論をかき乱すケースがあります。
① 大声型(感情的に強く反対するタイプ)
総会や説明会で声が大きく、感情的な発言をするタイプです。
この場合、公開の場で長時間議論すると、ほかの住民も疲弊します。
対策としては、
- 事前に個別に時間を取り、意見をじっくり聞く
- 可能であれば専門家も同席し、資料に基づき説明する
② 不信感型(理事会への攻撃色が強いタイプ)
「理事会は信用できない」「業者と癒着しているのでは」といった疑念を持つケースです。
この場合は、
- 情報公開を徹底する(見積比較・診断結果など)
- 第三者の専門家に説明を委ねる
ことで、個人への攻撃から“内容の議論”へと軌道修正していきます。
ワンリニューアルが支援できること|“合意形成まで”をトータルでサポート
反対意見が多い管理組合ほど、次のような外部支援が有効です。
- 建物の劣化診断(写真・データによる可視化)
- 長期修繕計画の見直し・資金シミュレーション
- 住民説明会用の資料作成(スライド・配布資料)
- 説明会当日の専門家による説明・質疑応答
ワンリニューアルは、「工事をするかどうかではなく、建物の将来をどう守るか」という視点で、管理組合の合意形成をサポートしています。
まとめ|反対意見が多いほど、“プロセス設計”が成功の鍵になる
修繕積立金の値上げや大規模修繕の議案は、住民の生活と資産に直結するため、反対意見が出るのは自然なことです。
しかし、
- 事実に基づいた資料
- 段階的な説明プロセス
- 選択肢を示す提案
- 第三者の専門的な支援
これらを整えることで、反対が多い管理組合でも、合意形成は必ず前に進みます。
「反対が多いから無理」と諦めるのではなく、「どんなステップを踏めば理解が進むか」を考える。
その視点を持つことが、理事会・管理組合に求められる最初の一歩です。
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