マンション屋上のアスファルト防水改修費用は?撤去・かぶせ・保護層と見積の確認ポイント

マンション屋上のアスファルト防水改修費用は、既存防水の撤去範囲、かぶせ工法の適用可否、保護コンクリートの状態、施工面積によって変わります。見積では防水層と保護層を区別し、必要な下地補修や仮設工事まで確認することが重要です。
マンションの屋上にひび割れやふくれが見られる場合、アスファルト防水の改修が必要になることがあります。
アスファルト防水は、屋上を雨水から守るために使用される防水工法の一つです。
改修では、既存の防水層を撤去する方法と、既存層を活用して新しい防水層を施工する「かぶせ工法」が検討されます。
また、防水層の上に保護コンクリートが設けられている場合は、その状態によっても必要な工事が変わります。
例えば、既存防水の撤去が必要な場合と、既存層を活用できる場合では、撤去作業や廃材処分、下地処理の内容が異なります。
アスファルト防水改修では、施工面積だけでなく、撤去・かぶせの選択と保護層の状態が費用を左右します。
この記事では、分譲マンションの管理組合・理事会・修繕委員会、賃貸マンション・アパートの一棟オーナーに向けて、アスファルト防水改修の工法、費用要因、保護層の扱い、見積確認のポイントを解説します。
目次
マンション屋上のアスファルト防水とは?改修が必要になる症状
アスファルト防水は、アスファルト系の防水材料を用いて屋上に防水層を形成する工法です。ひび割れやふくれ、劣化などが見られる場合は、防水層と保護層、下地の状態を確認して適切な改修方法を検討します。
アスファルト防水の特徴
アスファルト防水は、アスファルトやアスファルト系ルーフィングなどを用いて防水層を形成する工法です。
仕様によっては、複数の防水材料を積層して防水層を構成します。
屋上のアスファルト防水では、大きく分けて次のような仕上げがあります。
- 露出仕上げ:防水層が表面に現れる仕様で、採用仕様に応じた保護仕上げなどを施します。
- 保護仕上げ:防水層の上に保護コンクリートなどを設け、防水層を保護する仕様です。
露出仕上げでは、防水層のひび割れやふくれなどを比較的直接確認できます。
一方、保護コンクリートがある屋上では、その下に防水層が隠れているため、表面だけで防水層の状態を判断しにくい場合があります。
なお、アスファルト防水の熱工法と、改質アスファルトシート防水のトーチ工法・常温粘着工法などは、材料や施工仕様が異なります。
改修見積では、単に「アスファルト防水」とするのではなく、採用する材料と工法の名称を確認することが重要です。
改修を検討する劣化症状
屋上アスファルト防水では、次のような症状が改修を検討するきっかけになります。
- 露出防水層のひび割れや破断
- 防水層のふくれ・浮き・剥離
- 防水層表面の劣化
- 保護コンクリートのひび割れ・浮き・欠損
- 屋上の排水不良や水たまり
- 最上階付近での雨漏り
ただし、保護コンクリートにひび割れがある場合でも、その下の防水層まで損傷しているとは限りません。
また、最上階に雨漏りが発生していても、必ず屋上防水だけが原因とは限りません。
防水層・保護層・下地・排水設備などを区別して調査することが重要です。

保護コンクリートと防水層は別の部分です
保護コンクリートは防水層を保護するための層であり、一般に防水層そのものではありません。表面のひび割れを補修する工事と、その下にある防水層を改修する工事は区別して検討する必要があります。
アスファルト防水改修はどのように進む?
アスファルト防水改修では、既存防水や保護層の状態を調査し、撤去工法または既存層を活用するかぶせ工法を検討します。その後、必要な撤去・下地処理と新しい防水層の施工を行い、仕上がりを確認します。
一般的な施工工程
マンション屋上のアスファルト防水改修は、一般的に次のような流れで進みます。
- 既存防水の調査:防水層、保護コンクリート、下地、立上りや排水ドレン周辺の状態を確認します。
- 改修工法の選定:既存防水を撤去するか、既存層を活用したかぶせ工法を採用できるかを検討します。
- 撤去・清掃・下地処理:必要な範囲で既存防水や保護層を撤去し、清掃・下地補修を行います。
- 新しい防水層の施工:採用するアスファルト防水の材料・施工仕様に従って防水層を形成します。
- 保護仕上げ・細部処理:必要に応じて保護仕上げを施工し、立上り・端部・ドレン周辺を処理します。
- 完了確認:防水層の状態や仕上がり、細部の納まりを確認します。
実際の工程は、既存防水の種類、露出仕上げか保護仕上げか、採用する改修工法などによって異なります。
撤去工法とかぶせ工法の違い
撤去工法は、既存防水層などを撤去し、必要な下地補修を行ってから新しい防水層を施工する方法です。
既存防水の劣化が著しい場合や、既存層を残すことが適切でない場合に検討します。
一方、かぶせ工法は、既存防水層や既存保護層などを改修下地として活用し、その上に新しい防水層を施工する方法です。
かぶせ工法では撤去量を抑えられる場合がありますが、既存防水のふくれや破断、下地の劣化などに応じて部分撤去や補修が必要になることがあります。
また、既存防水の種類、新規材料との適合性、追加荷重、排水条件、立上りやドレン周辺の納まりなどによっては、かぶせ工法を採用できない場合もあります。
かぶせ工法は必ず撤去工法より安い、または優れているというものではなく、現地条件に応じて選定する必要があります。

撤去工法とかぶせ工法の比較
※👉横にスクロールできます
かぶせ工法は「何も撤去しない工法」ではありません
既存の防水層を活用する場合でも、劣化部分の撤去や下地補修、立上り・端部・ドレン周辺の処理が必要になることがあります。見積では、残す範囲と撤去する範囲を明確にすることが重要です。
アスファルト防水改修費用を左右する3つの条件
アスファルト防水改修費用は、既存防水の撤去範囲、かぶせ工法の適用可否、保護層の状態によって変わります。施工面積や下地補修、立上り部分の処理、廃材処分や仮設工事の内容も見積金額に影響します。
① 既存防水の撤去範囲
アスファルト防水改修では、既存防水をどこまで撤去するかによって費用が変わります。
全面撤去が必要な場合と、部分撤去で対応できる場合では、撤去作業や廃材処分、下地処理の数量が異なります。
また、既存防水が複数層になっている場合や、保護コンクリートの下に防水層がある場合は、撤去する材料と範囲を確認する必要があります。
撤去後に下地のひび割れや欠損などが確認された場合は、追加補修が必要になることもあります。
② かぶせ工法の適用条件
既存防水を残して改修できるかどうかは、防水層の劣化状態や下地条件によって異なります。
かぶせ工法を検討する際は、次の項目を確認します。
- 既存防水層の種類と劣化状況
- 防水層のふくれ・浮き・剥離
- 既存層や下地の含水状態
- 新しい防水材料との適合性
- 新しい防水層による追加荷重
- 立上り・端部・排水ドレン周辺の納まり
既存層に著しい劣化がある場合や、荷重・排水・納まりの条件に問題がある場合は、かぶせ工法が適さないこともあります。
撤去量だけで判断せず、建物に適した改修仕様を検討することが重要です。
③ 保護コンクリート・保護層の状態
既存のアスファルト防水の上に保護コンクリートがある場合は、その状態が改修費用に影響します。
例えば、保護コンクリートにひび割れや欠損、浮きがある場合は、必要な範囲の補修を検討します。
一方、損傷が著しい場合や、既存防水層を撤去する必要がある場合は、保護コンクリートの撤去も検討することがあります。
また、保護コンクリートの上面を新しい防水工事の下地として活用できる場合もあります。
ただし、保護層の状態や施工条件によって適用できる工法は異なります。
保護コンクリートをすべて撤去する必要があるとも、必ず残せるとも断定できません。
現地調査に基づいて、補修・撤去・再施工の必要性を判断します。

アスファルト防水改修費用が変わる主な要因
※👉横にスクロールできます
※アスファルト防水の改修費用は、施工面積が同じでも撤去範囲・保護層の状態・下地補修の内容によって異なります。
マンション屋上の防水改修費用でお悩みですか?
既存防水の状態によって、必要な撤去範囲や改修方法、保護コンクリートの補修内容は異なります。
ワンリニューアルでは、マンション・アパートの屋上防水改修や大規模修繕工事に関するご相談を承っています。
既存防水の撤去・かぶせ工法の選定、保護層の補修、見積内容についてご相談ください。
アスファルト防水改修の見積書はどこを確認する?
見積書では、施工面積、既存防水の撤去範囲、かぶせ工法の仕様、保護層の補修内容を確認します。下地補修や足場・養生、廃材処分、追加工事の条件が明記されているかも重要です。
見積書の主な確認項目
アスファルト防水改修の見積では、単に「防水工事一式」と記載されているだけでは、具体的な工事内容が分かりにくくなります。
特に、既存防水を撤去する範囲と、かぶせ工法で残す範囲を区別して確認することが重要です。
主な確認項目は次のとおりです。
- 施工面積:屋上平場の面積(㎡)、立上り・端部の施工範囲
- 既存防水:撤去工法か、かぶせ工法か、その施工範囲
- 防水仕様:採用材料、工法、積層数、仕上げの内容
- 保護層:保護コンクリートなどの補修・撤去・再施工の内容
- 下地補修:ひび割れ・欠損・不陸・浮きなどへの対応
- 細部処理:立上り・端部・排水ドレン周辺の工事内容
- 廃材処分:撤去材の搬出と処分が含まれているか
- 足場・養生:仮設設備、資材搬入、安全対策が含まれているか
- 追加工事:撤去後に下地劣化が見つかった場合などの対応条件
特に保護コンクリートのある屋上では、「保護層の補修」と「防水層の改修」が見積のどの項目に含まれているかを確認しましょう。
また、熱工法・トーチ工法・常温工法など、採用する材料と工法によって施工工程が異なるため、正式な施工仕様を確認することが重要です。
既存防水の撤去後に下地の欠損や劣化が確認された場合は、追加補修が必要になることがあります。
契約前には、追加工事が発生する条件や、数量変更時の単価・承認・精算方法を確認しましょう。
アスファルト防水改修の見積チェック表
※👉横にスクロールできます
※見積では、撤去・かぶせの区分、保護層の取り扱い、下地補修の範囲を同じ条件にそろえて比較することが重要です。

大規模修繕全体の見積比較については、大規模修繕の見積もりはどこを見る?見積書の内訳・比較・確認ポイントも参考にしてください。
アスファルト防水改修は大規模修繕と同時に行うべき?
アスファルト防水改修は、大規模修繕と同時に計画することで、仮設設備や工事工程をまとめられる場合があります。ただし、雨漏りなど緊急性の高い不具合がある場合は、修繕時期を待たずに原因調査を検討することが重要です。
部分改修と一括改修の判断
屋上防水の劣化が一部に限られている場合は、必要な箇所を部分的に補修する方法を検討できることがあります。
一方、防水層の劣化が広範囲に及んでいる場合や、既存防水と下地に問題がある場合は、屋上全体の改修を検討する必要があります。
大規模修繕を予定している場合は、屋上防水改修をほかの工事と同時に計画することで、足場や資材搬入設備、施工工程をまとめられる場合があります。
また、将来の再改修を考慮して、既存防水層を残すことが適切か、今回どの範囲を更新するかを検討することも重要です。
ただし、雨漏りが発生している場合は、大規模修繕を待たずに原因調査を行い、必要な対策を検討してください。
雨漏りの調査と工事範囲については、大規模修繕で雨漏りは直る?侵入口・調査・外壁・防水から工事範囲を決める方法も参考になります。
まとめ|アスファルト防水改修は撤去・かぶせ・保護層の確認が重要
アスファルト防水改修費用は、既存防水の撤去範囲、かぶせ工法の適用条件、保護層や下地の状態によって変わります。現地調査で必要な施工範囲を明確にし、工法と数量が分かる見積を比較することが重要です。
マンション屋上のアスファルト防水改修を検討する際は、次の項目を確認しましょう。
- 既存防水:防水層の種類・劣化状態・撤去範囲
- 改修工法:撤去工法とかぶせ工法の適用条件
- 保護層:保護コンクリートの補修・撤去・再施工
- 下地状態:ひび割れ・欠損・不陸・含水状態
- 施工数量:平場の面積・立上り・端部・ドレン周辺
- 施工条件:足場・養生・廃材処分・資材搬入
- 追加工事:撤去後に下地補修が増える場合の取り扱い
撤去量の少なさや工事金額だけで判断せず、既存防水・保護層・下地の状態に合った改修方法を選ぶことが大切です。
あわせて確認したい関連記事
アスファルト防水改修の参考資料
※本記事は、一般的な屋上アスファルト防水改修の考え方を解説しています。国土交通省の公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編・令和7年版)第3章などを技術的な参考としています。公共建築の仕様書がすべての民間マンションに同一条件で適用されるわけではありません。実際の改修工法・施工範囲・材料・保護層の扱いは、現地調査と採用仕様に基づいて判断してください。
マンション屋上のアスファルト防水改修費用に関するよくある質問
アスファルト防水改修では、既存防水の撤去範囲、かぶせ工法の適用条件、保護コンクリートの状態を確認します。施工面積だけでなく、下地補修や廃材処分、仮設工事の条件も含めて見積を比較することが重要です。
Q1.アスファルト防水は必ず撤去して改修しますか?
必ずしも全面撤去が必要とは限りません。既存防水の種類や劣化状況、下地の状態、新しい防水材料との適合性などを確認し、撤去工法とかぶせ工法を検討します。
Q2.かぶせ工法が適用できない場合はありますか?
あります。既存防水の著しい劣化や含水、下地の問題、追加荷重、排水・立上りの納まり、新規材料との適合性などによっては、かぶせ工法を採用できない場合があります。現地調査による判断が重要です。
Q3.保護コンクリートも撤去する必要がありますか?
必ずしも撤去が必要とは限りません。保護コンクリートの状態が良好で、適切な改修下地として利用できる場合は、残して改修を検討することもあります。一方、著しい欠損や浮き、防水層の撤去が必要な場合などは、保護コンクリートの撤去を検討します。
Q4.施工面積によって改修費用は変わりますか?
変わります。施工面積が広くなると防水材料や作業数量が増える要因になります。ただし、既存防水の撤去範囲、保護層や下地の補修、立上り・ドレン周辺の処理なども費用に影響します。
Q5.大規模修繕と同時に工事するメリットはありますか?
足場や資材搬入設備、施工工程をまとめられる場合があります。また、ほかの防水・外壁工事と合わせて改修範囲を検討できます。ただし、雨漏りなど緊急性のある不具合は、大規模修繕を待たずに調査や必要な対策を検討してください。
マンション屋上の防水改修はワンリニューアルへ
屋上防水のひび割れ・ふくれ・剥離・雨漏りなどが気になる場合は、既存防水層や保護コンクリートの状態を確認し、適切な改修方法を検討することが重要です。
ワンリニューアルでは、マンション・アパートの屋上防水改修、建物診断、大規模修繕工事に関するご相談・お見積りを受け付けています。
分譲マンションの管理組合・理事会・修繕委員会、賃貸マンション・アパートの一棟オーナーの方は、撤去工法とかぶせ工法の選定、保護層の補修、見積内容についてご相談ください。
お電話でのご相談
受付時間 9:00~18:00(日曜日定休)






