分譲マンション大規模修繕における資金不足問題
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『分譲マンション大規模修繕における資金不足問題』
をご紹介させて頂きます!
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そもそも大規模修繕の重要性をご存じでしょうか。
『区分所有者様は大規模修繕を必ず行う義務があります。』
建物の安全性を保ち、住民の快適な生活を維持するために必ず行わなければならない工事です。
しかし、外壁塗装や防水工事などは大掛かりな工事になるため、近年では大規模修繕計画の進行中に「資金が足りない!?」と気づくことが多いというのが現状です。
この記事では、資金不足が起こる理由、資金不足でも工事を行う方法、そして将来的な資金不足を防ぐための対策をお伝え致します。
区分所有者となった皆さんにも、しっかりと大規模修繕の事知って頂きたいと思います。
目次
資金不足に陥る理由
長期修繕計画をもとに、新築時から修繕費を積み立てて準備してきていますよね。
では、一体なぜ多くのマンションで資金不足が発生してしまうのでしょうか?
▷修繕積立金の不足、修繕計画の不備等の原因
分譲マンションの大規模修繕工事で資金不足が発生する理由の多くは以下の通りです。
【理由1】当初の設定金額が低すぎる
ほとんどの新築マンションでは、売りやすくするために修繕積立金を低く設定しています。
しかし、初期の金額のままでは、将来的な修繕に必要な資金が不足するおそれがあるため、数年ごとに値上げして補填することが一般的です。
しかし、購入後一生懸命ローンを返済している中でいきなり『値上げ』と言われても。。。
という区分所有者様がほとんどだと思います。
多くのマンションは、購入時の金額を下げるために修繕資金を徐々に増やして行く「段階増額積立方式」を採用しています。
この方式は、いつ・いくら上がるのかが確定していない事の方が多いのが現状です。
しかし、先にお伝えしたようにこの「段階増額積立方式」は必ずしもうまくいかず、修繕積立金の値上げには入居者からの反対が出ることがよくあります。
結果的に値上げは後回しにされ、大規模修繕が必要な時に資金が不足してしまうという状況に陥ることがあります。
【理由2】空き部屋や滞納者の増加
空き部屋の増加や、管理費・修繕積立金の滞納者が増えると予定された修繕費用が集まりにくくなります。
購入当初は、収入にある程度余裕がありマンション購入に踏み切ったご家庭もあるのではないでしょうか。
しかし、突然の世情によりボーナスの削減・給料の減額・もしくは失業という想定外の事象により支払いが滞ってしまう区分所有者もいらっしゃります。
・所得が低い入居者
・年金生活の高齢化
などの割合が増えるほど、修繕積立金の滞納者も増加する傾向にあります。
【理由3】修繕費用の予測不足
一般的に、修繕積立金の算定は長期修繕計画に基づいて行われますが、残念ながら多くの計画は最低限の金額しか見込んでいません。
そのため、予期せぬ修繕が必要になった際に、積立金では足りなくなることがあります。
特に築年数が経っているマンションの場合、予想外の損傷や問題が見つかると修繕費用は増加します。
2回目以降の修繕費用の方が、1回目よりも高くなる点を見越して計画をしておかないと、資金不足になってしまいます。
資金不足の具体的な問題点
大規模修繕工事を先延ばしにするのは、よい選択とは言えません。
工事を延期する事による、起こりうるリスクについて解説します。
▷修繕費不足により修繕工事が出来なかった場合
資金不足により修繕工事を遅延させると、劣化が進み余分な工事が必要になったり、マンションの資産価値が下落したりする恐れがあります。
さらに、外壁や防水工事など躯体部分の安全性を損なえば、住民の快適な生活を保障できません。
最悪の場合、マンションの外観や機能面の低下から、空室が生じることとなり、修繕積立金の確保が難しくなることで十分な修繕ができず、どんどん老朽化が進むという悪循環に陥ってしまいます。
具体的には、売却するとした場合
◎修繕を行っていない(先延ばしにしている)
◎築年数20年経過
・資産価値は16%~25%減する場合もあります
※定期的な修繕を行っている建物の場合一般的には、12%~14%限程度と言われています
・売却費用から、修繕費(未払い分)を徴収される事もあります
※売れない場合には、向むこう○年分(○ヶ月分)の修繕積立金額を負担させられる場合もあります
※http://www.reins.or.jp/library/参照
以前のように、購入後ずっとそのマンションに住み続ける事が少なくなり、お子様の就職等やライフスタイルの変更等により住み替えという考え方も増えて来ています。
その為、中古マンションの需要も一昔前よりも上がってきています
そんな需要ある中で、減額は避けたい問題ですよね。
しっかりと大規模修繕に関して『お任せ』するのではなく、ご自身でも把握して頂く事をオススメ致します。
売却時に、「え?修繕ってなに!?なんでこんなに査定金額低いの!?」とならない様にしましょう。
▷住民様の負担増
建物の損傷がひどくなれば、工事金額も割高になるため結果的に住民様の負担に繋がります。
修繕積立金から不足が発生した場合、居住者(戸数)で割って一時金として徴収するという方法があるのをご存じの方もいると思います。
少額であれ高額であれ、区分所有者様からの協力を得られないことも多いです。管理組合様の総会決議でも反対意見が出やすい所です。
急な出費としては家計の負担が大きいため、全住民から資金を集めることも難しく、工事直前で工事内容の変更や施工会社の支払いが遅延するリスクがあります。
このような事態を避けるためには、修繕積立金の状況をしっかりと把握し改善が必要な場合は早めに区分所有者様との会議等を行い状況の共有・修繕金の収集に関して話し合われる等を行ってください。
▷資金不足でも大規模修繕を行う為の手法
修繕金が不足している⇒工事を延期
という選択肢は決して良い選択肢ではないという事を忘れないで頂きたいです。
大規模修繕工事は、必要な時期に必要な工事を行わなければ躯体(建物)の寿命が縮まるだけです。
そうなりますと、資産価値は激減し売却の際に唖然としてしまいます。
修繕費が貯まるまで数年先延ばしにし、上辺だけ工事を行ったとしてもその後の数年で後悔と想定外の修繕費が発生してしまいかねません。
そうならない為に、定期的に修繕費の状況を見直す事が必要ですが
万が一修繕費が不足してしまった場合は以下のような対処方法が考えられます。
融資
資金不足を補填する方法として、銀行など金融機関からの融資を活用しましょう。
融資を受けるための条件は、マンションの運営状況や金融機関によって様々です。
【例】住宅金融支援機構
ただし、利息もかかり支払い金額が増えてしまうため、修繕積立金の増額の可能性は想定しておきましょう。
分割工事
ワンリニューアルでは『緊急度×重要度』で工事内容を判断させて頂いております。
分割で工事を行う事で、一度の支払い額を抑える事が可能となります。
総合的に考えると、一度に全ての工事を行う時よりも費用は掛かってしまいます。
しかし大規模修繕で最もNGである『先延ばし』にならず、資産価値を維持・継続させ快適な居住空間を保つ事が可能となります。
また、ワンリニューアルは直接工事依頼となりますので中間マージンを抑える事が可能となります。
同じ工事内容でも、費用の差に驚かれ正直疑われる管理会社様もいらっしゃるほどです。
他社様と同様の費用を掛ける場合には、一つも二つも上の高品質工事となることが可能です。
融資の様に利息もかからず高品質な工事が行える事から、ここ数年は管理組合様から弊社の様な直接工事会社への依頼が増えております。
是非ご検討ください。
資金不足にならない為の対策方法
最後に、いざ大規模修繕工事を行わなければならない時に資金不足になってしまうことを防ぐための対処方法をご紹介します。
・適切な修繕計画の立案
・積立金の見直し
・公的資金の活用
▷適切な長期修繕計画の立案
資金不足を防ぐためには、適切な長期修繕計画を立案し、将来の修繕費用を適切に見積もることが重要です。
大規模修繕工事は、12〜15年程度の周期で行われるのが一般的とされていて、工事費は1回目より2回目、2回目より3回目が高額になります。
工事内容は大きく変わりませんが、建設されてから長期にわたって紫外線や強風、雨・雪等にさらされてるため、年月を経るごとに劣化が激しくなってしまうことが理由です。
また、3回目以降の大規模修繕では、排水管や電気設備などの工事を実施することもあるほか、バリアフリー改修が必要になる可能性などを踏まえて、費用の想定をしておかなければなりません。
物件の規模や築年数によって相場が異なりますので、大規模修繕専門店 に見積を依頼することをお勧めします。
長期修繕計画や積立金の見直し
また、長期修繕計画や修繕積立金は定期的に見直すことが必要です。
どんなに綿密に計画を立てていても、途中で修繕計画からズレてしまったり、工事費の相場の上昇など社会情勢の影響を受ける場合があります。
必要に応じて余裕をもった時期に修繕積立金の増額を検討・実施することも重要です。
見直す際は、以下の2つの方式を取り入れる方法があります。
【均等積立方式の特徴】
- 均等積立方式は、毎月や毎年に一定額を定期的に集める方法です。
- 入居者は常に同じ金額を支払うため、負担が安定しています。
- 工事が必要になった時に修繕積立金が用意されているため、急な出費を回避できます。
- 長期的な視点で計画的に費用を確保できるので、大規模修繕の際に有効です。
【段階増額積立方式の特徴】
- 段階増額積立方式は、一定期間ごとに積立金を増額する方法です。
- 最初は少額からスタートし、後々に積立金を増やしていくので、初期負担を軽減できます。
- 後の段階での積立金増額に対しては、入居者からの反対意見が出やすいことがあります。
- 積立金が増えるまでには時間がかかるため、急な修繕が必要な時には資金が不足する可能性があります。
公的資金の活用
さらに、地方自治体などが提供する補助金や助成金を活用することで、資金不足を緩和できる場合もあります。
補助金や助成金の制度は地域によって異なります。
各都道府県や市町村の行政機関のウェブサイトを修繕工事の前に、チェックしてみましょう
【例】東京都 :マンション改良工事助成
※マンションポータルサイト
マンション改良工事助成は、都内の耐火構造の分譲マンションの管理組合を対象に、共有部分の外壁塗装や屋上防水、バリアフリー化などの改良・修繕を計画的に行う制度です。助成金は住宅金融支援機構の「マンション共有部分リフォーム融資」の利子補給として受け取れます。
助成対象の限度額は、リフォーム融資の予約金額、工事費、または補助金を差し引いた金額の中で最も低い額が適用されます。
条件を満たす都内の耐火構造の分譲マンションの管理組合が対象であり、助成金の支給にはマンション管理センターの債務保証を受ける必要があります。
利子補給の対象となる「マンション共有部分リフォーム融資」は、耐震診断や長期修繕計画の作成だけを行う場合でも受けられます。
計画書作成で融資を受ける際も助成金を受けることが可能ですので、自身のマンションが対象になるかを確認してみるとよいでしょう。
償還方法は「元利均等月賦償還」で、月々支払う元金と利息が一定になる返済方法です。
計画が立てやすい一方で、「元金均等返済」よりも借入金残高の減り方が遅く、総返済額が多くなる点には注意が必要です。
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最後までご覧頂きありがとうございます。
今回も『大規模修繕』の大切さをお伝え致しましたがいかがでしょうか。
正直なところ、必要な時期に全ての工事を一度に行えるマンションが少なくなって来ております。
不足しているからと、先延ばしにされても良い事は何もありません。
一緒に建物の長寿化を目指していきましょう!!
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