スタッフブログ大規模修繕に関するマメ知識やイベントなど最新情報をお届けします!

長期修繕計画の収支シミュレーション|年度別残高・工事費・積立金の見方

時期・周期・進め方 2026.07.15 (Wed) 更新

長期修繕計画の収支シミュレーション|年度別残高・工事費・積立金の見方

長期修繕計画の収支シミュレーションは、計画最終年度の残高だけを見ても全体を判断できません。確認したいのは、各年度の修繕積立金収入、推定修繕工事費、借入返済等を差し引いた後に、年度末残高がどのように推移するかです。

最終年度に残高があっても、その途中で大規模修繕と設備更新が重なり、計画上の残高が少なくなる年度があります。反対に、ある年度の残高が少ないだけで、直ちに現在の資金不足が確定するわけでもありません。

この記事では、年度別収支表と収支計画グラフを読み、現行案、修繕積立金額を変更する案、工事時期を変更する案を同じ条件で比較する方法を解説します。

 

長期修繕計画のシミュレーションは年度別の入出金と期末残高を見る

収支シミュレーションでは、現在の残高、毎年度の収入、各年度に計上された支出、年度末残高を順番に確認します。収入や支出を積み上げた累計額と、年度終了時点の残高も分けて読みます。

1 計画期間・基準日
2 年度別収入
3 年度別支出
4 年度末残高
5 最低残高年度
6 計画期間外の工事
現在残高 基準日時点で修繕積立金会計に存在する残高です。
年度別収入 当該年度に見込む積立金、繰入れ、一時金、借入等です。
年度別支出 当該年度に見込む工事費、関連費用、返済等です。
年度末残高 収入を加え、支出を差し引いた年度終了時の残高です。
累計額 計画開始年度からの収入または支出の合計です。

国土交通省の長期修繕計画標準様式では、総括表、収支計画グラフ、工事項目別・年度別の計画表等を用いて、計画期間、推定修繕工事費、収支計画を確認できる構成が示されています。標準様式を対象マンションの実際の計画として扱わず、現在使用している計画書の項目と対応させます。

長期修繕計画全体の基本は、長期修繕計画の基本と大規模修繕との関係をご覧ください。

 

収支表を読む前に基準日・計画期間・金額単位を確認する

最初に、いつ作成された計画なのか、どの年度からどの年度までを対象としているのか、金額が円・千円・万円のどの単位で記載されているのかを確認します。

公開時点の国土交通省のガイドラインでは、計画期間を30年以上かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とし、5年程度ごとに見直す考え方が示されています。対象計画の作成時点と、確認時点の最新版を照合してください。

※👉横にスクロールできます

確認項目計画の記載確認資料状態未確認事項
計画作成日 表紙、総括表計画値 
総会等で確認した日 議案書、議事録  
基準年度 総括表、収支表  
計画開始・終了年度 年度別計画表  
計画期間 総括表  
金額単位円/千円/万円等表の見出し  
税込・税抜 計算条件、注記  
現在残高の基準日 決算書、収支表実績値 
現在の修繕積立金額 予算書、徴収資料実績値 
最終更新日 更新履歴  

計画作成日と現在残高の基準日が異なる場合は、その間の積立収入、工事支出、追加・減額等が反映されているかを確認します。

見直しの時期や条件は、長期修繕計画が古くなる理由と見直しのタイミングをご覧ください。

 

年度別収入を項目ごとに分ける

年度別収入には、毎年度継続する修繕積立金のほか、一時金、借入、使用料等からの繰入れ、運用益、補助金等が含まれる場合があります。

毎年継続する収入と、一度だけ発生する収入を分けます。確定していない補助金、保険金、一時金等は、確定収入と同じ状態で表示しないようにします。

※👉横にスクロールできます

収入項目年額開始年度終了年度状態根拠資料
修繕積立金   計画値予算書、徴収資料
修繕積立基金     
駐車場等使用料からの繰入れ    予算書、管理規約等
一時金   見込議案案、徴収計画
借入金   確認中借入計画、金融機関資料
運用益等    計算条件
補助金・保険金等   未計上制度・契約の確認資料
その他収入     

一時金や借入金は、毎年継続する修繕積立金収入とは性質が異なります。借入金を収入として計上する場合は、その後の元本返済や利息等も年度別支出で確認します。

修繕積立金と管理費の違いは、修繕積立金と管理費の違い・不足する理由、使い道は、修繕積立金を使用する工事・費用の確認方法をご覧ください。

 

年度別支出を工事項目・関連費用・返済に分ける

年度別支出は、工事請負費だけでなく、調査、診断、設計、工事監理、計画見直し、借入返済等に分けて確認します。

※👉横にスクロールできます

支出区分主な項目計上年度推定額状態根拠資料
建築工事外壁、シーリング、防水、鉄部等  計画値工事項目別計画表
設備工事給排水、昇降機、電気、消防等   設備計画、点検記録
附属施設工事機械式駐車場、外構等   附属施設資料
調査・診断建物調査、設備調査等   計画条件
設計・工事監理設計、見積支援、監理等   業務範囲
長期修繕計画の見直し調査、計画更新等   見直し予定
借入返済元本、利息等  見込返済予定表
その他支出申請、手続き、関連費用等    

工事項目の範囲は、今回・次回・追加調査・別工事を分ける方法、建物状態の確認は、長期修繕計画の見直しに使用する建物調査・劣化診断をご覧ください。

 

年度末残高の計算を確認する

年度末残高は、前年度末残高に当年度の収入を加え、当年度の支出を差し引いた後の金額です。

当年度末残高 = 前年度末残高
+ 当年度の収入
- 当年度の支出

実際の計画では収入・支出が複数項目へ分かれているため、対象計画の数式、集計範囲、端数処理を確認します。

※👉横にスクロールできます

年度前年度末残高当年度収入当年度支出当年度末残高計算確認
1年度目     
2年度目     
3年度目     
4年度目     
5年度目     

表計算上の数式が一致することと、工事項目、単価、周期等の計算条件が妥当かどうかは別の確認です。数式エラーと前提条件の確認を分けます。

 

長期修繕計画・年度別収支確認表を作る

計画の基準情報と、年度別収入・支出・残高を一つの確認表へまとめます。金額が確定していない項目は、計画値、見込、確認中、未計上の状態を記録します。

※👉横にスクロールできます

年度期首残高修繕積立金収入使用料等繰入れ一時金借入金その他収入推定修繕工事費調査・設計・監理借入返済その他支出年度末残高累計収入累計支出未確認事項
計画初年度              
大規模修繕年度              
設備更新年度              
最低残高年度              
計画最終年度              
年度別収支確認表へ併記したい情報

  • 計画作成日、基準年度、計画期間、金額単位
  • 使用した単価の時点、消費税、物価変動等の前提
  • 最低残高年度、最初の不足年度、最大支出年度
  • 計画期間外に残る工事項目
  • 作成者、確認者、最終更新日

長期修繕計画の収支シミュレーションを確認するときは、年度別収入、年度別工事費、年度末残高、計画期間外の工事を同じ表へ整理します。現在の長期修繕計画と収支表がある場合は、基準日、最低残高年度、未計上の工事項目を確認できます。

 

最終年度より先に最低残高となる年度を確認する

計画最終年度の残高を見る前に、計画期間中で残高が最も低くなる年度を確認します。大規模修繕と設備更新、借入返済等が重なる年度では、最終年度より残高が低くなることがあります。

※👉横にスクロールできます

確認項目年度金額主な原因次の確認
最低残高   直前・直後の支出を確認
最初の不足年度   収入、支出、計算条件を確認
最大不足額   比較案の条件を確認
最大支出年度   工事項目別に分解
次回大規模修繕年度   設備更新との重複確認
大型設備更新年度   計画期間内外を確認

計画上のマイナス表示は、記載された条件を変更せずに進めた場合の将来推計です。現在の口座残高が既に不足しているという意味とは分けます。

修繕積立金が足りるかを確認する基本的な考え方は、修繕積立金が足りているか確認する基本計算をご覧ください。

 

年度別額と累計額を混同しない

収支計画グラフでは、年度別工事費、工事費累計、修繕積立金収入累計、年度末残高等が同時に表示される場合があります。それぞれが何を表す線・棒なのか、凡例と単位を確認します。

※👉横にスクロールできます

数字表している内容見る目的混同しやすい数字
年度別収入その年度に計上した収入各年度の収入確認収入累計
収入累計計画開始年度からの収入合計計画期間中の総収入確認年度末残高
年度別工事費その年度に計上した工事費支出時期の確認工事費累計
工事費累計計画開始年度からの支出合計計画期間中の総支出確認年度別支出、総事業費
年度末残高年度終了時点の計画残高資金推移、最低残高の確認収入累計

累計収入が累計支出を上回っているように見えても、期首残高、借入、返済、集計対象等を確認します。収支計画グラフには、年度、年度別工事費、年度末残高、累計収入、累計支出の凡例を明記します。

 

工事費が集中する年度を工事項目別に確認する

大規模修繕と給排水設備、エレベーター、機械式駐車場等の更新が同じ年度に計上されている場合は、年度合計だけでなく工事項目別に分けます。

※👉横にスクロールできます

年度外壁・シーリング防水鉄部・共用部給排水設備昇降機・駐車設備関連費用年度合計
        
        
        

支出が集中していることだけを理由に、工事を別年度へ分けるとは決めません。同じ足場を利用する工事、設備停止、調査結果、修繕周期、工事間の関連性を確認します。

 

計画期間内に含まれていない工事を確認する

計画終了年度までに修繕周期が到来しない設備や、参考情報のみで費用が計上されていない工事がないかを確認します。計画終了直後に大きな支出が予定されている場合もあります。

※👉横にスクロールできます

工事項目計画内に計上予定年度推定額計画期間外の場合の記載次回確認
給水管・排水管     
エレベーター     
機械式駐車場     
窓・玄関扉等     
受変電・電気設備     
消防・防災設備     
インターホン・オートロック     
外構・附属施設     

計画期間外であることは、工事が不要という意味ではありません。参考時期や概算費用を記録し、次回の計画見直しで扱う項目を整理します。

 

単価・数量・物価変動等の計算条件を確認する

収支計画の数字は、工事単価、数量、修繕周期、工事範囲、消費税、物価変動等の条件から作られています。設定値の基準日と根拠を確認します。

※👉横にスクロールできます

計算条件計画上の設定根拠更新日再確認
工事単価 見積、実績、標準資料等  
工事数量 図面、数量表等  
修繕周期 仕様、履歴、調査等  
工事範囲・仕様 計画表、仕様資料  
消費税 計算条件  
物価変動等 計画作成者の設定資料  
運用益 計算条件  
借入条件 返済案、金融機関資料  
端数処理 表計算設定  

物価変動率、運用益、借入条件等を記事内で一律に設定しません。対象計画に数値が設定されている場合は、その前提、基準日、根拠を表示します。

 

現在の長期修繕計画額と実際の見積・精算額を比較する

長期修繕計画の推定修繕工事費と、現在の見積、契約額、最終精算額は、作成時点と対象範囲が異なる可能性があります。同じ条件へそろえて差を確認します。

※👉横にスクロールできます

比較項目長期修繕計画現在見積契約額・最終精算差の理由
価格時点    
足場・仮設    
外壁・シーリング    
防水    
鉄部・共用部    
設備    
設計・監理等    
税・諸経費    
総額    

長期修繕計画額を、現在見積の適正価格や契約上限額として扱いません。現在見積の確認は、現在見積を数量・単価・仕様で確認する方法、条件をそろえた比較は、相見積もりで工事範囲・数量・仕様をそろえる方法をご覧ください。

計画額と現在見積の差が大きい場合は、長期修繕計画額と現在見積の差を確認する方法も参考にしてください。

 

現行案と比較案は同じ条件で並べる

修繕積立金額、改定開始時期、工事時期、工事範囲、一時金、借入等を変更した案を比較する場合は、変更した条件を明記します。

一つの条件を比較したいときに、単価、数量、計画期間、工事項目まで無断で変わると、残高が変化した理由を確認できません。

※👉横にスクロールできます

比較項目現行案比較案A比較案B比較案C
修繕積立金額    
改定開始年度    
工事時期    
工事範囲    
一時金    
借入金    
借入返済総額    
最低残高    
最低残高年度    
最終残高    
計画期間外の支出    

すべての比較案を作る必要はありません。対象マンションで検討している案だけを使用し、比較の目的を明記します。

将来収支を見直す考え方は、修繕積立金の不足年度と将来収支を見直す方法をご覧ください。

 

比較案で変更した条件を一覧にする

複数条件を変更した比較案では、修繕積立金額、開始年度、工事時期、工事範囲、借入等のうち、何を変更したのかを一覧にします。

※👉横にスクロールできます

変更条件現行案比較案変更理由影響する項目
修繕積立金額   年度別収入、期末残高
改定開始時期   収入開始年度、最低残高
工事時期   年度別支出、期末残高
工事範囲   推定修繕工事費
一時金   特定年度の収入
借入・返済   収入、返済支出、最終残高

変更条件を残しておくと、比較案の残高が変わった理由を、積立額、工事時期、工事費等へ分解できます。

 

シミュレーション上の不足と実際の対応を分ける

収支表に不足年度が表示された場合は、直ちに値上げ、一時金、借入を決めるのではなく、計算式と前提条件を確認します。

不足表示がある場合の確認順序

  1. 計算式、参照セル、転記を確認する
  2. 現在残高と年間収入を確認する
  3. 工事項目と実施年度を確認する
  4. 数量、単価、仕様、関連費用を確認する
  5. 計画期間外の工事を確認する
  6. 変更条件を明記した比較案を作成する
  7. 理事会・修繕委員会等で検討する
  8. 必要に応じて管理会社や専門家へ確認する

不足が確認された後の選択肢は、修繕積立金が足りない場合の対応と選択肢へ役割を分けます。

積立金の改定理由や背景は、修繕積立金が高くなる背景と値上げ理由、改定案への質問整理は、修繕積立金改定案の質問・比較案・総会準備をご覧ください。

 

住民説明では数字・前提・変更点を分ける

住民説明会や総会資料では、最低残高や不足年度だけを強調せず、基準日、現在残高、年度別収入、主な工事項目、変更条件を一緒に示します。

※👉横にスクロールできます

説明項目現行案比較案根拠資料状態
現在残高  決算書、収支表実績値
年間収入  予算書、徴収資料計画値
主な支出年度  年度別計画表 
最低残高・年度  収支シミュレーション 
不足年度・金額  年度別収支表見込
変更した条件  比較条件一覧 
未確定事項  確認事項一覧確認中

「赤字」「不足」という言葉だけで説明せず、何年度に、どの支出によって、いくらの不足が計画上表示されるのかを示します。

説明資料の準備は、収支計画を住民へ説明する資料の準備方法、総会直前の照合は、総会前に議案・見積・資金・契約条件を照合する方法をご覧ください。

 

計画・比較案・説明資料の版を管理する

長期修繕計画を更新するときは、旧版の収支表、新しい工事費、改定後の積立額が混在しないようにします。

※👉横にスクロールできます

資料版番号更新日主な変更作成者・確認者使用先
長期修繕計画     
現行収支表     
比較案A     
比較案B     
住民説明資料     
総会資料     

総会等で使用した版、承認された条件、未確定の条件を記録し、後から計算根拠を確認できる状態にします。

管理組合・理事会の確認範囲は、長期修繕計画で管理組合・理事会が確認することをご覧ください。

 

収支シミュレーションを確認する12の手順

計画作成日・基準年度・計画期間を確認する どの時点の条件で、何年度まで計算しているかを確認します。
現在残高の基準日を確認する 決算書や収支表と残高が一致しているかを確認します。
年度別収入を項目ごとに分ける 修繕積立金、一時金、借入、繰入れ等を区分します。
年度別支出を分ける 建築、設備、調査・設計・監理、返済等へ分けます。
年度末残高の計算を確認する 前年度末残高、当年度収入、当年度支出を照合します。
最低残高年度・不足年度を確認する 最終年度より前に残高が低くなる年度を確認します。
年度別額と累計額を分ける 年度別収入、工事費累計、年度末残高を混同しないようにします。
支出が集中する年度を確認する 建築工事と設備更新等を工事項目別に分けます。
計画期間外の工事を確認する 計画終了直後の設備更新等も確認します。
計算条件を確認する 単価、数量、周期、税、物価等の前提を記録します。
現行案と比較案を同じ条件で比較する 変更した条件と影響する数字を明記します。
説明資料へ反映し、版を保存する 住民説明や総会で使用した資料と更新履歴を残します。

 

足場施工会社を母体とする視点で確認したいこと

長期修繕計画上の足場・仮設費と、現在の見積に記載された足場費は、価格時点、足場範囲、仕様、使用期間を分けて比較します。

足場面積と、塗装、タイル、シーリング等の外壁施工面積は同じ数量ではありません。計画額や現在見積の数量が、どの図面と範囲から算出されているかを確認します。

外壁、防水、シーリング等、同じ足場を利用する工事項目が別年度へ分かれている場合は、将来の再足場が計上されているかを確認します。一方、給排水設備等、足場を使用しない工事とは分けて整理します。

足場設置後に実数を確認する下地補修等は、長期修繕計画上の推定額、契約時の想定数量、工事中の実施工数量を区分します。

ワンリニューアルでは、足場施工会社を母体とする視点から、足場を利用する工事項目、計上年度、足場範囲、実数清算条件を照合します。

追加・減額・実数清算の確認は、追加費用・減額・実数清算の確認方法をご覧ください。

 

長期修繕計画の収支シミュレーションに関するよくある質問

最終年度の残高がプラスなら修繕積立金は足りていますか?

最終年度だけでなく、各年度の残高、最低残高年度、支出が集中する年度、計画期間外の工事を確認します。

年度末残高がマイナスになっています

記載された条件を維持した場合の将来推計として読みます。計算式、現在残高、年度別収入、工事項目、実施年度、単価等を確認してください。

累計収入と年度末残高は何が違いますか?

累計収入は計画開始年度から当該年度までの収入合計です。年度末残高は、収入から支出を差し引いた年度終了時点の残高です。

工事費が同じ年度に集中しています

工事項目の関連性、足場の共用、設備停止、修繕周期、建物状態、実施時期の根拠を確認します。

工事時期を後ろへずらしてもよいですか?

収支表だけで判断せず、建物調査、劣化状態、工事範囲、技術的な影響を確認します。

修繕積立金を変更した案はどのように比較しますか?

変更後の金額、開始年度、計画期間を明記し、工事範囲、数量、単価等のその他条件をそろえて年度末残高を比較します。

一時金や借入を入れれば不足は解消しますか?

入金時期だけでなく、借入返済、利息等、その後の年度別収支を含めて確認します。

補助金や保険金を収入へ入れてよいですか?

交付や支払いが確定する前は、未確定収入として分けます。補助金等は、補助金・助成金を未確定収入として確認する方法、保険は、火災保険の確認結果を修繕資金へ反映する方法をご覧ください。

長期修繕計画の工事費と施工会社の見積が違います

価格時点、工事範囲、数量、仕様、足場、設備、設計・監理、税等を同じ条件へそろえて差を確認します。

計画期間外の工事は無視してよいですか?

給排水管、建具、設備、附属施設等の予定時期や概算費用が、参考情報として示されているかを確認します。

収支シミュレーションは何年ごとに見直しますか?

公開時点の国土交通省のガイドラインでは、5年程度ごとに見直す考え方が示されています。建物状態、工事実績、積立額、物価等の条件変化も確認してください。

管理組合だけでシミュレーションを修正できますか?

計算式だけでなく、工事項目、技術的な範囲、数量、周期、現行管理規約等を確認し、必要に応じて管理会社、建築士、マンション管理士等へ確認します。

 

まとめ|最終残高ではなく、年度別収入・支出・期末残高を確認する

長期修繕計画の収支シミュレーションは、計画最終年度の残高だけで判断しません。計画作成日、基準年度、計画期間、金額単位を最初に確認します。

現在残高は、どの基準日時点の残高かを決算書等と照合します。将来の年度末残高や累計収入とは分けてください。

年度別収入は、修繕積立金、使用料等からの繰入れ、一時金、借入、補助金等へ分けます。一度だけ発生する収入と、継続する積立収入を混同しないようにします。

年度別支出は、建築工事、設備工事、附属施設工事、調査・設計・監理、借入返済等へ分けます。工事請負費だけを支出総額としません。

年度末残高は、前年度末残高に当年度収入を加え、当年度支出を差し引いて確認します。数式の一致と、単価、数量、周期等の妥当性は分けて確認します。

最終年度より先に、最低残高となる年度、最初の不足年度、最大支出年度を確認します。計画上の不足表示と、現在の実際の口座残高は混同しません。

年度別収入、収入累計、年度別工事費、工事費累計、年度末残高は、それぞれ表す数字が異なります。収支計画グラフの凡例と単位を確認します。

大規模修繕と設備更新等が同じ年度へ集中している場合は、工事項目別に支出を分けます。計画期間内に含まれていない設備更新も確認します。

工事単価、数量、修繕周期、工事範囲、消費税、物価変動等の計算条件は、基準日と根拠を記録します。

長期修繕計画額と現在見積は、価格時点、工事範囲、数量、仕様、足場条件、税等をそろえて比較します。計画額を現在見積の適正価格とは扱いません。

現行案と比較案は、修繕積立金額、改定開始年度、工事時期、工事範囲、一時金、借入等の変更条件を明記します。

不足表示だけで値上げ、一時金、借入を決めず、計算式、工事項目、年度、数量、単価を確認してから比較案を検討します。

住民説明では、数字だけでなく、基準日、前提、変更条件、未確定事項を示します。長期修繕計画、比較案、説明資料、総会資料の版番号と更新日も管理してください。