マンションの共用設備とは?管理組合が確認したい設備一覧・専有設備との違い・更新範囲を整理

『マンションの共用設備とは?管理組合が確認したい設備一覧・専有設備との違い・更新範囲を整理』
をご紹介させて頂きます!
マンションの共用設備とは、給排水・電気・消防・エレベーターなど、複数の住戸や建物全体の維持・利用に関わる設備を指す際に使われる言葉です。
ただし、「建物に付いている設備はすべて共用設備」とは限りません。実際の所有・管理・修繕・費用負担の範囲は、設備の設置状況、利用範囲、配管・配線の接続、管理規約、設備図面などを確認して整理します。
目次
マンションの共用設備とは?
マンションの共用設備とは、給排水・電気・消防・エレベーターなど、複数の住戸や建物全体の維持・利用に関わる設備を指す際に使われる言葉です。ただし、実際の所有・管理範囲は設備の設置状況や管理規約によって異なるため、個別確認が必要です。
国土交通省のマンション標準管理規約(単棟型)では、共用部分の例としてエレベーター設備、電気設備、給水・排水設備、消防・防災設備、インターネット通信設備、オートロック設備などが挙げられています。一方、標準管理規約は各マンションの実際の管理規約そのものではないため、自分のマンションの規約・図面・契約資料を確認します。
したがって、この記事での設備一覧は「管理組合が確認対象を洗い出すための地図」として使い、法的な共用・専有区分を一律に決めるものではありません。
マンションの共用設備には何がある?
マンションの共用設備には、給排水、電気、防災、防犯・通信、昇降・駐車などがあります。設置されている設備は建物規模、形式、築年数、設備方式によって異なるため、まず自分のマンションに何があるかを確認します。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 設備分類 | 主な設備例 | 主な役割 | 管理組合が確認すること | 詳しく確認する記事 |
|---|---|---|---|---|
| 給排水 | 給水管、排水管、給水ポンプ、排水ポンプ、受水槽等 | 給水・排水機能の維持 | 漏水、腐食、詰まり、故障履歴、配管・設備の管理境界 | 給水管・排水管改修 |
| 電気 | 受変電設備、幹線、共用分電盤、共用照明、非常用電源等 | 共用部への電力供給 | 設備容量、劣化、点検、停電時の影響、管理範囲 | 設備図面・保守契約・点検記録を確認 |
| 防災 | 消防設備、火災報知設備、避難関連設備等 | 火災・避難時の安全確保 | 点検結果、不良指摘、設備系統、是正・更新履歴 | 消防設備改修・更新 |
| 防犯・通信 | インターホン、オートロック、防犯カメラ、共用通信設備等 | 連絡、防犯、入退館管理 | 故障、配線、機器互換、住戸側機器との境界、保守状況 | 設備図面・保守契約・既存機器仕様を確認 |
| 昇降・駐車 | エレベーター、機械式駐車場等 | 移動・車両収容 | 点検、故障、部品供給、利用状況、停止時の影響 | エレベーター/機械式駐車場 |
この一覧は代表例です。マンション固有の設備がある場合は追加し、「設備があるか」「誰が管理するか」「点検・保守・更新をどう記録しているか」を確認します。
共用設備と専有設備はどう見分ける?
設備の共用・専有区分は、設置場所だけでは判断できない場合があります。誰が利用する設備か、配管・配線の接続範囲、管理規約上の区分、修繕責任などを確認します。
管理規約
設備図面
修繕責任
共用廊下にある=必ず共用設備、室内にある=必ず専有設備、とは単純化しません。確認資料として、管理規約、使用細則、設備図面・竣工図、修繕履歴、長期修繕計画などを照合します。
共用・専有の境界が特に分かりにくい設備
給排水管、インターホン、電気配線などは、共用側から住戸側へ連続してつながっているため、境界確認が特に重要です。設備名称だけで全国一律の境界を決めず、管理規約と設備図面を確認します。
給排水管
共用立管、住戸への枝管、住戸内配管などが連続しているため、どこまでを管理組合が管理し、どこからを区分所有者側が管理するかを確認します。配管の詳細な工法・更新判断は、給水管・排水管改修の記事で確認します。
インターホン・オートロック
共用親機、共用配線、住戸親機等が一つのシステムとしてつながるため、住戸内機器があることだけで専有設備と決めつけません。管理規約、システム図、保守契約、交換履歴を確認します。
電気設備
共用幹線、共用分電盤、各住戸側設備などの接続関係を設備図面で確認します。設備の設置場所よりも、系統と管理責任を確認することが重要です。
共用設備の修繕費は誰が負担する?
共用設備として管理組合が維持管理する範囲であれば、管理組合側で修繕・更新費用を負担することが一般的ですが、実際の費用区分は管理規約、予算、工事目的、対象範囲を確認する必要があります。
修繕積立金、管理費、区分所有者負担のどれになるかを記事だけで一律に決めません。管理規約、長期修繕計画、予算書、総会・理事会の決議内容、工事見積・契約範囲を確認します。
共用設備は大規模修繕でまとめて更新する?
共用設備は大規模修繕と同時に更新する場合もありますが、設備ごとに劣化状態や更新時期が異なるため、すべてを大規模修繕の時期に合わせる必要はありません。
確認するのは、設備状態、更新候補時期、共通仮設、工事場所、停止時間、住民生活への影響、予算です。大規模修繕と同時に行う合理性があれば工程を合わせ、独立工事が合理的であれば別年度で検討します。
設備更新全体の考え方は、マンション設備更新とは?大規模修繕とどう分けるかで確認できます。
大規模修繕で見落としやすい設備の確認
大規模修繕では外壁・防水・シーリングなどの建築工事へ意識が向きやすいため、設備更新が別年度で発生する可能性も含めて、設備の状態を確認しておくことが重要です。
「今回すべて工事するか」ではなく、「今回すべての設備状態を確認したか」という視点で確認します。
- 給排水設備の状態・点検履歴を確認したか
- 電気設備の状態・点検履歴を確認したか
- 消防・防災設備の状態・点検履歴を確認したか
- インターホン・オートロック等の状態を確認したか
- 防犯設備の状態を確認したか
- エレベーターの保守・故障・更新候補を確認したか
- 機械式駐車場等の点検・利用状況を確認したか
- マンション固有のその他設備を確認したか
設備更新を大規模修繕へ無理に入れることが目的ではありません。大規模修繕の検討時期を、建築部分と設備の両方を見直す機会として使います。
共用設備はどの資料で確認する?
共用設備の範囲は、一つの資料だけでなく、管理規約、長期修繕計画、設備図面、点検報告書、修繕履歴、保守契約、見積・工事資料を横断して確認します。
共用設備一覧を作って管理すると何が分かる?
共用設備を一覧化すると、設備の有無、設置場所、管理範囲、点検状況、更新履歴、次回確認時期を一つの流れで把握しやすくなります。目的は本格的な設備台帳システムを作ることではなく、「何があるか分からない」状態をなくすことです。
一覧には、設備名称、設置場所、数量、管理区分、設置・更新年、保守会社、点検時期、直近点検結果、修理履歴、次回更新候補、長期修繕計画への掲載有無などを整理します。
マンション共用設備の確認シート
管理組合内で確認しやすいように、設備の有無・管理範囲・点検・前回更新・次回確認・詳細資料を同じ表へまとめます。具体的な年数や結果はマンションごとの実資料から記入します。
※スマートフォンでは表を横にスクロールできます。
| 設備 | ある/ない | 管理範囲 | 点検 | 前回更新 | 次回確認 | 詳細資料 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 給水設備 | 設備台帳・現地で確認 | 規約・図面で境界確認 | 点検記録を確認 | 施工履歴を確認 | 次回点検・更新候補を整理 | 設備図面、点検票、修繕履歴 |
| 排水設備 | 設備台帳・現地で確認 | 規約・図面で境界確認 | 点検記録を確認 | 施工履歴を確認 | 次回点検・更新候補を整理 | 設備図面、点検票、修繕履歴 |
| 電気設備 | 設備台帳・現地で確認 | 系統・管理範囲を確認 | 点検記録を確認 | 施工履歴を確認 | 次回点検・更新候補を整理 | 単線結線図、点検票、保守契約 |
| 消防・防災設備 | 設備台帳・現地で確認 | 設備・系統・区画を確認 | 点検報告を確認 | 改修履歴を確認 | 次回点検・改修候補を整理 | 点検結果報告書、系統図、届出資料 |
| エレベーター | 設置台数を確認 | 号機・共用範囲を確認 | 保守・検査を確認 | 改修履歴を確認 | 部品・更新候補を整理 | 保守報告、検査、完成図書 |
| インターホン等 | 機器・住戸数を確認 | 親機・配線・住戸機器を確認 | 故障・保守記録を確認 | 更新履歴を確認 | 互換性・次回候補を整理 | システム図、保守契約、機器一覧 |
| 防犯カメラ | 設置台数・位置を確認 | 共用監視範囲を確認 | 作動・保守記録を確認 | 更新履歴を確認 | 次回確認時期を整理 | 配置図、機器一覧、保守資料 |
| 機械式駐車場 | 装置・収容台数を確認 | 設備・区画・利用条件を確認 | 点検・故障履歴を確認 | 部品交換・改修履歴を確認 | 次回点検・更新候補を整理 | 点検報告、装置仕様、修繕履歴 |
共用設備を把握してから更新計画を作る流れ
設備更新は、まずマンションにどの共用設備があるかを洗い出し、管理範囲、図面、点検結果、修繕履歴を確認してから更新候補を整理します。その後に、更新時期・費用・大規模修繕との関係を確認します。
この順序にすると、設備更新を「故障したときだけ考える工事」にせず、マンション全体の修繕計画として扱いやすくなります。
設備、点検履歴、更新候補時期、長期修繕計画を並べながら、大規模修繕時に確認する設備と別年度で検討する設備を整理します。
まとめ|大規模修繕を考える前にマンションの共用設備を把握する
マンションには、給排水、電気、消防、防犯・通信、エレベーター、駐車設備など複数の設備があります。設備の有無や管理範囲はマンションごとに異なるため、一覧化した上で管理規約・設備図面・点検記録・修繕履歴を確認します。
- マンションには複数種類の共用設備がある
- すべてのマンションに同じ設備があるわけではない
- 「共用設備」と法律・規約上の「共用部分」を完全同義にしない
- 共用/専有は設置場所だけで判断しない
- 管理規約と設備図面を確認する
- 点検記録・修繕履歴を確認する
- 設備ごとに更新候補時期が異なる
- すべてを大規模修繕と同時更新する必要はない
- 大規模修繕時には設備状態も確認する
共用設備を把握した後は、マンション設備更新の全体像で更新対象と大規模修繕との分け方を確認します。マンション全体の修繕計画へ戻る場合は、大規模修繕とは?マンション向けに基礎から解説をご覧ください。
マンションにある設備を整理し、管理範囲・点検・修繕履歴・更新候補を確認することで、設備更新を大規模修繕と別々に考えずに計画できます。
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