足場工事の品質は何で確認する?組立て・点検・変更・解体前のチェック項目

大規模修繕の足場工事は、完成後に撤去されるため、外壁塗装や防水工事のように仕上がりを長期間確認できる工事ではありません。そのため、「きれいに組まれている」「職人が作業しやすそう」といった見た目や印象だけで、足場工事の品質を判断することは困難です。
足場工事の品質を確認するときは、関係法令と安全基準を前提に、足場計画図、組立て後の点検、変更・是正記録、悪天候後の確認、足場解体前の高所確認までを一つの工程として見ます。
管理組合が足場を自ら専門点検する必要はありません。誰が点検者として指名され、何を確認し、問題があった場合にどのように是正し、その記録を誰が管理するのかを施工会社へ確認することが重要です。
目次
- 足場工事の品質は、見た目ではなく計画・点検・記録で確認する
- 法令上の安全確認と、工事品質の確認を混同しない
- 足場工事の品質を確認するために必要な資料
- 足場計画図と実際の設置状態を照合する
- 足場の組立て後は、点検者・点検項目・記録を確認する
- 点検記録で確認したい項目
- 使用中の足場は、変更・取り外し・住民動線を管理する
- 一部変更・一部解体・組替え後は再確認する
- 悪天候・地震後の点検と作業再開の流れを確認する
- 足場の品質と外壁・防水工事の品質を直接結びつけない
- 不具合が見つかった場合は、是正前・是正後を記録する
- 足場解体前に高所部・残工事・補修記録を確認する
- 足場解体後は、固定跡・敷地・共用部の復旧を確認する
- 足場業者・施工会社を比較するときの品質管理チェック項目
- 見積書・契約書で確認したい品質管理の範囲
- 元請施工会社・足場業者・管理組合の役割を分ける
- 足場施工会社を母体とする視点で確認したいこと
- 施工会社へ確認したい質問例
- 相談前に整理しておきたい資料
- 足場工事の品質に関するよくある質問
- まとめ|足場工事の品質は、計画から解体後までの記録で確認する
足場工事の品質は、見た目ではなく計画・点検・記録で確認する
足場がまっすぐに見えること、使用資材が新しく見えること、施工実績が多いことだけでは、個別現場の品質管理体制までは確認できません。「自社施工」「足場職人経験者が在籍」といった会社説明も、比較材料の一つではありますが、それだけで今回の施工状態を判断することはできません。
確認したいのは、足場計画図と実際の設置状態が整合しているか、組立て後に点検が行われたか、変更や不具合が生じたときに是正と再確認が行われたか、解体前後の確認記録が残るかという工程です。
- 足場計画図・仮設計画・施工体制
- 組立て後の点検者・点検結果
- 使用中・一部変更後の確認
- 不具合の是正内容と再確認記録
- 解体前の高所確認と解体後の復旧確認
法令上の安全確認と、工事品質の確認を混同しない
関係法令や安全基準への対応は、足場を使用して工事を進めるための前提です。「法令を守るだけでは不十分」として軽視するものではありません。
一方、法令への対応が確認できても、今回の建物で必要な足場範囲、住民動線、資材搬入、外壁工事との取り合いまで自動的に分かるわけではありません。法令・安全基準、足場計画、現場運用を分けて確認します。
管理組合は、部材の強度や法令適合を独自に判定するのではなく、施工会社がどの法令と計画に基づいて確認し、誰が点検し、どのような記録を残すのかを確認します。
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| 確認区分 | 主な内容 | 管理組合が確認すること | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 法令・安全基準 | 足場構造、墜落防止設備、点検など | 適用法令、確認担当、点検体制 | 管理組合が専門判断しない |
| 足場計画 | 種類、設置範囲、昇降、養生、住民動線 | 計画図と建物条件の整合 | 法令対応だけで計画全体を判断しない |
| 組立て状態 | 計画との整合、通路、出入口、部材 | 組立て後点検の実施 | 見た目だけで判断しない |
| 使用中管理 | 変更、養生、通路、資材、住民対応 | 連絡先、確認方法、変更管理 | 現場作業員へ直接変更指示を出さない |
| 是正管理 | 不具合、補修、再点検 | 是正内容、完了日、再確認結果 | 口頭報告だけで終わらせない |
| 解体前確認 | 高所部、残工事、是正箇所 | 確認者、報告資料、解体承認 | 解体後は高所へ近づきにくくなる |
| 解体後確認 | 固定跡、敷地、共用部、植栽 | 復旧状態、写真、損傷の有無 | 本体工事と足場撤去を分けて見る |
法令や点検義務の詳細は、仮設足場に関する法令と安全基準をご確認ください。
足場工事の品質を確認するために必要な資料
足場工事の品質管理は、現場の状態だけでなく、計画、点検、変更、是正、解体の各段階で作成される資料から確認します。すべての書類が管理組合へ提出されるとは限らないため、契約前または着工前に提出範囲を決めておきます。
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| 資料 | 確認できること | 確認時期 | 管理組合が見るポイント |
|---|---|---|---|
| 足場計画図・仮設計画図 | 設置範囲、昇降設備、出入口、防護設備 | 契約前・組立て前 | 建物形状や住民動線との整合 |
| 施工体制図 | 元請施工会社、足場業者、責任者 | 着工前 | 報告先と緊急時の連絡先 |
| 組立て工程表 | 組立て、使用、解体の予定 | 着工前 | 住民案内や本体工事との整合 |
| 組立て後点検記録 | 組立て後の点検結果 | 組立て後 | 点検日、点検者、指摘、是正 |
| 変更図面・変更記録 | 組替え、一部変更、追加設備 | 変更時 | 変更理由、工程、追加費用 |
| 是正記録 | 不具合への対応と再確認 | 不具合確認後 | 是正前後の写真、再点検結果 |
| 悪天候後の点検記録 | 該当する天候・地震後の確認 | 必要時 | 確認範囲と作業再開判断 |
| 解体前確認記録 | 高所部、残工事、是正箇所 | 解体前 | 未確認箇所が残っていないか |
| 解体後確認記録 | 固定跡、敷地、植栽、共用部 | 解体後 | 復旧状態と損傷の有無 |
| 工事写真・現場日報 | 各工程の実施状況 | 工事中・完了時 | 日付、位置、工区が分かるか |
- 足場計画図、仮設計画図、組立て工程表
- 施工体制図、現場責任者一覧、緊急連絡先
- 組立て後、変更後、悪天候後の点検記録
- 不具合の是正記録、写真、再確認結果
- 足場解体前の高所確認記録
- 解体後の復旧確認記録と固定部補修記録
- 住民・近隣からの問い合わせと対応記録
足場工事の品質を確認するときは、施工実績や会社説明だけでなく、足場計画図、組立て後の点検記録、変更・是正記録、足場解体前の確認方法を並べると、施工体制を比較しやすくなります。現在の見積書や施工計画資料がある場合は、提出される資料と確認工程を整理できます。
足場計画図と実際の設置状態を照合する
足場計画図には、足場を設置する建物面、高さ、作業床、昇降設備、養生、出入口防護などが示されます。組立て後は、説明された計画と現地の使用状態に大きな相違がないかを確認します。
管理組合が確認するのは、足場部材の構造や強度ではありません。エントランス、非常口、駐車場、駐輪場、資材置場、住民通路など、管理組合が把握している建物利用条件が計画に反映されているかを見ます。
- 足場を設置する面と設置しない面
- 足場の高さ、屋上、塔屋への到達範囲
- 作業床、昇降階段、昇降口
- エントランス上部、非常口、仮設通路
- 駐車場、駐輪場、資材置場
- 隣地、公道、店舗、テナント入口
- バルコニー、室外機、設備配管
- メッシュシートや防護設備の範囲
- 低層部や昇降口の防犯対策
作業床、昇降設備、養生などの計画条件については、作業床・昇降設備・養生などの仮設足場仕様、工程や住民動線との調整については、大規模修繕の足場計画で確認したい項目をご覧ください。
足場の組立て後は、点検者・点検項目・記録を確認する
厚生労働省による足場関係規則の改正では、2023年10月1日から、事業者や注文者が所定の足場点検を行う際に点検者を指名すること、組立て・一部解体・変更後などの点検について点検者の氏名を記録・保存することが求められています。
また、2024年4月1日からは、幅が1メートル以上ある箇所で足場を使用するときは、一定の例外を除き、原則として本足場を使用する規定が施行されています。
ただし、一般的な発注者や管理組合が、法令上の「注文者」に常に該当するとは限りません。契約形態と施工体制を確認し、誰が事業者・注文者として点検を行う立場なのかを施工会社へ確認します。
- 組立て後の点検は誰が行いましたか。
- 点検者はどのように指名されていますか。
- 点検日と点検者氏名は記録されていますか。
- 点検結果に指摘事項はありましたか。
- 是正した箇所と再確認結果はありますか。
- 足場の使用開始は誰が判断しましたか。
- 点検記録はどこで保管されていますか。
- 管理組合へはどの範囲が報告されますか。
法令・点検に関する主な確認資料
公開・更新時には、e-Gov法令検索、厚生労働省資料、対象となる施工体制、使用する足場システムの資料で現行内容を確認してください。
点検記録で確認したい項目
点検記録は、点検したという事実だけではなく、いつ、誰が、どの範囲を確認し、どのような指摘と是正があったかを追える形にします。具体的な点検項目は、現行法令、厚生労働省の資料、使用する足場の種類別チェックリストに基づきます。
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| 記録項目 | 確認する理由 | 確認例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 点検日 | どの時点の状態かを確認する | 組立て後、変更後、悪天候後 | 日付だけでなく点検理由も見る |
| 点検者 | 誰が確認したかを明確にする | 氏名、所属 | 肩書だけで判断しない |
| 対象範囲 | どの足場を確認したかを明確にする | 建物面、階、工区 | 一部点検の場合は範囲を示す |
| 点検結果 | 不備や指摘の有無を確認する | 結果、指摘事項 | 「確認済み」だけで終わらせない |
| 是正内容 | 何を変更・補修したかを確認する | 部材、養生、通路、出入口 | 是正前後を区別する |
| 是正日 | 対応時期を確認する | 年月日、時刻 | 作業再開との前後関係を見る |
| 再確認 | 是正後の状態を確認する | 再点検者、結果 | 是正作業だけで終了しない |
| 写真 | 位置と状態を共有する | 全景、近接、位置表示 | 写真だけで法令判断しない |
| 保管先 | 後から確認できるようにする | 元請、現場事務所、電子記録 | 管理組合への提出範囲を決める |
使用中の足場は、変更・取り外し・住民動線を管理する
足場工事の品質管理は、組立て後の点検で完了するわけではありません。外壁補修、防水、シーリングなどの工事が進む中で、足場の一部組替え、養生範囲、昇降口、資材置場などが変更される場合があります。
- 作業のための一部組替えや作業床の変更
- メッシュシート、養生、防護設備の変更
- 昇降口、仮設通路、資材搬入経路の変更
- 足場存置期間の延長
- バルコニーや設備との干渉への対応
- 駐車場や駐輪場の使用条件変更
- 住民や近隣からの指摘への対応
- 悪天候や地震後の確認
管理組合や住民が、足場部材、手すり、メッシュシート、昇降防止設備などを自ら動かさないよう周知します。問題を見つけた場合は、現場責任者や指定された緊急連絡先へ伝えます。
工事中に管理組合が確認したい項目は、足場工事中に管理組合が確認したい安全項目も参考にしてください。
一部変更・一部解体・組替え後は再確認する
外壁補修範囲の追加、設備との干渉、住民動線の変更などによって、足場の組替えや一部変更が必要になる場合があります。変更前後の連絡、承認、点検、記録を一つの流れとして整理します。
元請施工会社、足場業者、管理組合の報告・承認方法は、足場変更時の報告・承認・追加費用の確認をご覧ください。
悪天候・地震後の点検と作業再開の流れを確認する
悪天候や地震後の点検要否と確認範囲は、関係法令と現場条件に基づいて施工会社が判断します。記事上で一律の風速、雨量、震度を独自基準として設定するものではありません。
管理組合は、どのような状況で確認するのか、点検者は誰か、不備が見つかった場合にどう是正するのか、作業再開を誰が判断するのかを確認します。
- 点検が必要となる条件と判断者
- 足場本体、シート、養生、通路の確認範囲
- 点検結果と是正内容の記録方法
- 作業再開の判断者と住民への連絡方法
- 工程変更や足場存置期間への影響
- 追加費用が生じる場合の説明と承認
見た目に変化がないことだけで、使用再開の可否を管理組合が判断するものではありません。
足場の品質と外壁・防水工事の品質を直接結びつけない
足場は、外壁補修、防水、塗装、シーリングなどを行うための作業環境の一つです。作業位置への接近方法、移動経路、材料搬入などが施工条件に関係する場合があります。
ただし、外壁や防水工事の仕上がりは足場だけで決まりません。工事仕様、下地状態、施工技能、天候、材料管理、施工管理、検査など、複数の要素が関係します。施工上の不具合を足場だけへ帰属させないことが重要です。
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| 品質に関係する要素 | 確認する内容 | 足場との関係 |
|---|---|---|
| 工事仕様 | 材料、工程、施工範囲、施工条件 | 必要な作業範囲の確認に関係する |
| 下地状態 | ひび割れ、浮き、欠損、含水状態 | 高所部の近接確認に関係する場合がある |
| 施工技能 | 工種別の施工経験、手順 | 足場だけでは確認できない |
| 施工管理 | 工程、写真、数量、検査、是正 | 足場上での確認方法に関係する |
| 天候 | 気温、湿度、雨、風 | 作業中止や養生管理に関係する |
| 材料管理 | 保管、調合、使用条件 | 搬入・仮置き計画に関係する |
| 足場計画 | 作業床、昇降、養生、防護設備 | 作業環境を構成する一要素 |
| 検査 | 中間確認、完了確認、記録 | 高所部への接近に関係する |
足場は工事を行うための作業環境ですが、外壁・防水・塗装の品質を単独で決めるものではありません。
足場計画、工事仕様、施工管理、材料管理、検査を合わせて確認します。
不具合が見つかった場合は、是正前・是正後を記録する
足場や住民動線に関する不具合が見つかった場合は、口頭連絡だけで終わらせず、発見場所、状況、影響範囲、是正内容、再確認結果を記録します。
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| 確認内容 | 記録すること | 是正後に確認すること |
|---|---|---|
| 発見日時 | 日時、発見者 | 連絡・対応までの経過 |
| 発見場所 | 建物面、階、通路、出入口 | 同じ位置の是正後写真 |
| 状況 | 写真、動画、説明 | 指摘内容が解消したか |
| 影響範囲 | 住民、通行、作業、近隣 | 追加の影響がないか |
| 連絡先 | 誰へ、いつ連絡したか | 回答者と回答内容 |
| 是正内容 | 何を変更・補修したか | 計画や点検項目との整合 |
| 再点検 | 点検者、点検日、結果 | 作業再開の判断 |
| 追加費用 | 金額、根拠、承認者 | 契約上の処理 |
想定される指摘には、出入口との干渉、通路上の資材、養生の外れ、仮設照明、昇降口の管理、駐車場や駐輪場の動線、建物設備との接触、防犯上の懸念などがあります。管理組合は現場へ直接是正方法を指示せず、元請施工会社の窓口を通じて報告します。
足場解体前に高所部・残工事・補修記録を確認する
足場を解体すると、外壁上部、庇、笠木、雨樋などへ近づいて確認することが難しくなります。そのため、本体工事が終わった段階で直ちに解体するのではなく、高所部、追加工事、是正箇所、写真記録を確認する工程を設けます。
- 外壁、タイル、下地の補修箇所
- シーリング、外壁塗装、防水端部
- 高所鉄部、雨樋、配管、笠木、庇
- 外部照明や屋上周辺設備
- 足場固定部と補修予定箇所
- 未施工、追加、是正工事
- 写真未撮影箇所と保証対象範囲
管理組合がすべての高所へ上がって検査するのではなく、元請施工会社、現場責任者、契約上の監理担当者など、実際の施工体制に応じて確認者を決めます。
解体前の確認項目は、足場解体前に確認したい高所部と残工事で詳しく解説しています。
足場解体後は、固定跡・敷地・共用部の復旧を確認する
足場解体後は、壁つなぎ等の固定跡、外壁や防水層との取り合い、エントランス、駐車場、駐輪場、植栽、フェンス、舗装、看板などを確認します。
資材置場や搬入経路に残材・廃材がないか、仮設照明、配線、掲示物が撤去されているかも確認します。工事前からあった損傷と足場工事後に生じた状態を区別しやすくするため、組立て前と解体後の写真を同じ位置から残しておく方法があります。
近隣敷地を使用した場合は、契約・調整内容に応じて近隣側の復旧状態も確認します。
足場業者・施工会社を比較するときの品質管理チェック項目
足場業者や施工会社を比較するときは、施工件数や自社施工という説明だけで判断せず、計画、点検、是正、変更、報告、解体前後の確認体制を並べます。
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| 比較項目 | A社 | B社 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 足場計画図 | 契約前・組立て前に提示されるか | ||
| 施工体制 | 元請、足場業者、責任者、連絡先 | ||
| 組立て後点検 | 点検者、記録、報告方法 | ||
| 是正管理 | 指摘、是正、再確認の流れ | ||
| 変更管理 | 変更図、承認、追加費用、再点検 | ||
| 悪天候後確認 | 点検と作業再開判断 | ||
| 住民連絡 | 問い合わせ窓口と対応記録 | ||
| 解体前確認 | 高所部、残工事、是正箇所 | ||
| 解体後確認 | 固定跡、敷地、共用部の復旧 | ||
| 写真記録 | 組立て前後、変更、是正前後 | ||
| 提出書類 | 管理組合へ残る資料の範囲 | ||
| 追加費用 | 組替え、延長、追加設備の条件 |
書類の量だけで品質を判断するのではなく、記録が実際の施工、点検、変更、是正内容と対応しているかを確認します。業者比較の視点は、足場業者を見積・住民対応・現場体制から比較する方法も参考にしてください。
見積書・契約書で確認したい品質管理の範囲
見積書や契約書では、足場の設置費だけでなく、現地調査、計画図、組立て後点検、変更後点検、是正、緊急対応、解体前後の確認がどこまで含まれるかを確認します。
- 足場計画図・仮設計画図の作成
- 現地調査と建物・敷地条件の確認
- 組立て後、変更後、悪天候後の点検
- 点検記録と管理組合への報告方法
- 不具合の是正と再確認
- 組替え、追加足場、存置期間延長
- 住民・近隣対応と緊急連絡
- 足場解体前の高所確認
- 固定部補修と解体後の復旧
- 写真台帳、完了報告、追加費用条件
点検費が独立した項目で記載されていないからといって、点検が行われないとは判断できません。「一式」に含まれる場合は、対象範囲と提出資料を確認します。詳しくは、足場工事の見積書で「一式」の内訳を確認する方法をご覧ください。
足場の使用期間が延長された場合の費用は、足場存置期間と工期・費用の関係も参考にしてください。
元請施工会社・足場業者・管理組合の役割を分ける
足場工事では、足場業者が専門工事を行い、元請施工会社が本体工事との調整や発注者への報告を担うことがあります。実際の役割は契約と施工体制によって異なるため、着工前に確認します。
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| 関係者 | 品質管理で確認する役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 管理組合・オーナー | 契約条件、提出資料、説明、承認 | 専門点検や現場への直接指示を行わない |
| 元請施工会社 | 工事全体の調整、発注者への報告 | 契約上の責任と窓口を確認する |
| 足場業者 | 組立て、変更、解体等の専門工事 | 管理組合の直接窓口とは限らない |
| 現場責任者 | 問い合わせ、是正、工程共有 | 不在時や緊急時の連絡先も決める |
| 点検者 | 法令・施工体制に応じた点検 | 管理組合が指名するとは限らない |
| 設計監理者 | 契約範囲に応じた工事確認 | 配置されない工事もある |
| 管理会社 | 住民連絡、資料共有、運営支援 | 技術判断を行う立場とは限らない |
役割分担と連絡経路の詳細は、足場工事の責任分担と連絡・承認フローをご確認ください。
足場施工会社を母体とする視点で確認したいこと
足場計画と実際の設置状態は、足場単体で確認するだけでなく、外壁、防水、シーリング、鉄部などの工事範囲と照合します。組立て後だけでなく、使用中の変更や、足場解体前の高所確認まで工程として整理することが重要です。
足場の組替えや不具合の是正が行われた場合は、足場業者から元請担当者へ変更内容と点検結果が共有され、管理組合へ必要な情報が報告される体制を確認します。
ワンリニューアルでは、足場施工会社を母体とする視点から、足場計画と本体工事の範囲が合っているか、変更・是正内容が共有されているか、解体前に高所部の未施工・追加・是正箇所を確認する工程が設けられているかを確認しています。
足場を自社で扱うことだけを品質の根拠とせず、実際の計画、点検、記録、報告体制から確認します。
施工会社へ確認したい質問例
- 足場計画図と仮設計画図はいつ提示されますか。
- 元請施工会社、足場業者、現場責任者の役割はどのように分かれていますか。
- 足場組立て後の点検者は誰ですか。
- 点検日、点検結果、点検者氏名はどのように記録されますか。
- 不具合が見つかった場合の是正と再確認の流れはどうなっていますか。
- 一部変更や組替え後は、誰が再点検しますか。
- 悪天候や地震後の確認と作業再開は誰が判断しますか。
- 住民から足場に関する指摘があった場合の連絡先はどこですか。
- 足場解体前に、誰が高所部と残工事を確認しますか。
- 解体後の固定跡、敷地、植栽の復旧はどの資料で報告されますか。
- 点検・是正・解体前後の記録は管理組合へどこまで提出されますか。
相談前に整理しておきたい資料
- 足場工事を含む見積書と契約書
- 足場計画図、仮設計画図、立面図、配置図
- 施工体制図と現場責任者一覧
- 組立て工程表と全体工程表
- 組立て後、変更後、悪天候後の点検記録
- 不具合の是正記録と再確認写真
- 足場解体前の高所確認資料
- 解体後の復旧確認資料
- 住民・近隣への案内と問い合わせ記録
足場工事の品質に関するよくある質問
足場がきれいに組まれていれば品質が高いですか?
見た目だけでは判断できません。足場計画図、組立て後の点検、変更・是正記録、解体前後の確認を合わせて見ます。
JIS規格の資材を使っていれば問題ありませんか?
資材の規格だけでなく、適用法令、足場システムの使用条件、組立て状態、点検、変更管理を確認します。
管理組合も足場を点検する必要がありますか?
管理組合が専門点検を行うのではなく、点検者、点検時期、記録、是正状況を施工会社へ確認します。
足場の点検記録を見せてもらえますか?
管理組合へ提出・報告される範囲は、契約や施工体制によって確認します。点検日、点検者、結果、是正内容の報告方法を着工前に決めておくと整理しやすくなります。
足場を一部組み替えた場合は再点検しますか?
法令と施工体制に基づく確認が必要になります。変更内容、点検者、点検結果、作業再開判断を確認します。
強風や大雨の後は誰が確認しますか?
施工体制と現場条件に基づいて施工会社側が確認します。管理組合は、確認結果と作業再開判断の連絡方法を確認します。
外壁工事が終わったらすぐ足場を解体できますか?
高所部、追加・是正箇所、残工事、写真、保証対象などを確認し、契約上の担当者が解体を判断します。
自社施工の足場業者の方が品質は高いですか?
自社施工か外注かという体制だけでは判断できません。計画、責任者、点検、変更管理、記録、報告方法を比較します。
足場が外壁塗装や防水の品質を左右しますか?
足場は作業環境の一要素ですが、仕上がりには工法、材料、下地、施工技能、天候、施工管理、検査など複数の要素が関係します。
足場解体後に不具合が見つかった場合はどうしますか?
契約、保証、原因、施工記録を確認します。解体前の高所確認と写真記録を残し、解体後に確認しにくい箇所を整理しておくことが重要です。
まとめ|足場工事の品質は、計画から解体後までの記録で確認する
足場工事の品質は、見た目、職人の感覚、使用資材の新しさ、施工実績だけでは判断できません。関係法令と安全基準を前提に、足場計画図、組立て状態、点検、変更、是正、解体前後の確認を工程として見ます。
組立て後は、点検日、点検者、対象範囲、指摘事項、是正内容を確認します。一部変更や組替えが行われた場合は、変更理由、追加費用、再点検、作業再開判断を記録します。
悪天候や地震後は、施工体制に基づく確認と作業再開判断の流れを確認します。不具合が見つかった場合は、是正前後の写真、再確認結果、管理組合への報告を残します。
足場解体前には、高所部、残工事、追加・是正箇所、写真、保証対象を確認し、解体後には固定跡、敷地、共用部、植栽などの復旧状態を確認します。足場業者や施工会社を比較するときも、施工件数や自社施工という説明だけでなく、点検・変更・記録・報告体制を比較することが大切です。






