修繕積立金に関する“よくある誤解”を専門家が丁寧に解消
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『修繕積立金に関する“よくある誤解”を専門家が丁寧に解消』
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目次
修繕積立金に関する“よくある誤解”を専門家が丁寧に解消
修繕積立金は、マンションの資産価値と安全性を守るために欠かせない仕組みです。 それにもかかわらず、住民説明会や総会の場では、修繕積立金に関する誤解が原因で、議論が感情的になったり、合意形成が止まったりするケースが少なくありません。
実務の現場でよく聞くのは、たとえば次のような声です。
- 「修繕積立金って、結局どこかに消えているんじゃないの?」
- 「今困ってないのに値上げする必要ある?」
- 「修繕は壊れてからでいいでしょ」
- 「大規模修繕って本当に必要?やらない選択肢は?」
これらはすべて、悪意というより“情報不足と前提の違い”から生まれる誤解です。 そして誤解が残ったままでは、適切なタイミングで適切な修繕ができず、結果として住民全体の負担が増えることにつながります。
本記事では、修繕積立金に関する「よくある誤解」を、専門家の視点で丁寧に解消し、区分所有者・管理組合が納得して判断できる材料を整理します。
なぜ誤解が起きるのか?修繕積立金が“見えにくいお金”だから
修繕積立金は、管理費のように毎月使われるお金ではなく、長期間かけて貯め、必要なタイミングでまとまって使います。 つまり、日常生活の中で「使い道」が見えにくいお金です。
さらに、
- 工事は10〜15年に一度の頻度
- 専門用語が多い(防水・シーリング・爆裂等)
- 金額が大きい
という特徴があり、住民側の不安が誤解に変わりやすい構造があります。
だからこそ「誤解をほどく説明」が、合意形成における最初の仕事になります。
誤解①「修繕積立金は管理費と同じ」
これは最も多い誤解です。管理費と修繕積立金は目的が違います。
| 項目 | 管理費 | 修繕積立金 |
|---|---|---|
| 目的 | 日常管理(清掃・点検・管理人・保険など) | 将来の修繕(大規模修繕・設備更新など) |
| 支出の性質 | 毎月発生する支出 | 数年〜十数年単位で発生する大きな支出 |
| 健全な状態 | 毎月の収支が安定している | 将来の工事に備え残高が積み上がっている |
修繕積立金が「使われていない」ことは、無駄ではありません。
将来の大規模修繕に備えている状態が正常です。
誤解②「今きれいだから、大規模修繕はいらない」
外観がきれいでも、建物の劣化は内部で進行します。特に次の部分は、症状が見えにくい代表例です。
- 屋上防水(下地の劣化)
- シーリング(内部の破断)
- 外壁タイル(浮き)
これらは「壊れてから修理」だと、
- 雨漏り
- 外壁落下
- 躯体への水侵入
などの重大トラブルにつながります。
大規模修繕は“美観のため”ではなく、“安全と防水のため”という理解が重要です。
誤解③「修繕積立金は使い切らない方がいい」
「残高が減る=不安」と感じる方は少なくありません。 しかし、修繕積立金は使うために積み立てています。
適切なタイミングで使わないと、劣化が進行して結果的にもっと高くつくというのが現場の実態です。
“使わない”ことで起きやすいこと
- 工事延期 → 劣化進行 → 工事範囲拡大
- 補修で済むはずが更新になり費用増
- 一時金や借入が必要になる
つまり「残高を減らさない」ことが目的になると、本末転倒になりやすいのです。
誤解④「値上げ=管理組合の失敗」
値上げの話が出ると、
「これまで何をしていたのか」「管理が悪いのでは」
という反応が起きがちです。
しかし、多くの場合、値上げは現実に合わせた調整です。
値上げが必要になりやすい代表例
- 新築時の設定が低すぎた
- 工事費の高騰が反映されていない
- 長期修繕計画が更新されていない
値上げを避け続けるほど、将来の一時金や借入リスクが高くなる点も、住民が理解しておくべき現実です。
誤解⑤「一時金で払えばいい。積立は不要」
一時金(臨時徴収)は、理論上は利息がなく合理的に見えることがあります。 しかし実務上は、次の課題が大きいです。
- まとまった支払いができない世帯が出る
- 滞納・未収リスクが増える
- 合意形成が極端に難しくなる
その結果、工事自体が遅れ、劣化進行によってさらに費用が増えるケースもあります。
積立は「住民全体で負担を平準化する仕組み」であり、一時金は“最後の手段”になりやすいことを押さえておきましょう。
誤解⑥「修繕積立金は“余ったら返ってくる”」
修繕積立金は、基本的に個人に返還される性質のものではありません。
修繕積立金は「マンション全体」の資金であり、将来の修繕・更新に備えて残ります。
ここを誤解すると、
- 「自分は住み替えるから払いたくない」
- 「使わないなら返せ」
という感情につながります。
しかし、修繕積立金が適正に積み上がっていることは、
売却時の評価(物件価値)にもプラスに働く
という点は、区分所有者にとって重要な視点です。
誤解⑦「大規模修繕の見積はどれも同じ。安いところでいい」
見積金額だけで判断すると、後でトラブルが出やすくなります。
なぜなら、大規模修繕の見積は、
- 数量(面積・延長)の取り方
- 補修範囲の考え方
- 仕様(材料・工法)の違い
- 仮設足場の条件
で、金額が大きく変わるからです。
「安い」には理由があります。
それが「合理化」なのか「省略」なのかを見極めることが大切です。
誤解をほどくと、合意形成は“驚くほど”進みやすくなる
修繕積立金の議論がまとまらないマンションには共通点があります。
- 情報が不足している
- 前提が共有されていない
- 誤解が放置されている
逆に言えば、誤解が解消されると、
「反対」ではなく「条件付き賛成」「代替案の提案」へと議論が変わる
ことが多いです。
これは、住民が“敵対”しているのではなく、
「納得できる材料がない」だけである場合が多いからです。
まとめ|修繕積立金の誤解を解くことが、マンションを守る第一歩
修繕積立金を巡るトラブルは、誤解と情報不足から生まれます。
大切なのは、
- 修繕積立金は「将来の修繕のため」
- 値上げは「現実に合わせた調整」
- 先送りは「将来負担を増やす」
という基本を、住民全体で共有することです。
誤解が解消されれば、合意形成は前に進みます。
そして、合意形成が進めば、建物の安全性と物件価値を守る選択ができるようになります。
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